福岡ギター修理のすゝめその8~フレットすり合わせ~
皆さまこんにちは!
リペアマン尾仲です!
年が明けてからあっという間に1ヶ月が経ちましたね(・o・)
立春も過ぎ、暦上では春ですがまだまだ雪のちらつく寒い日が続いてますね(>_
そんな寒い中、店内で一人だけシャツを腕まくりし、汗をかきながらやっている作業を今回はお届けしたいと思います(^-^)/
その名は、フレットすり合わせです!!!
作業そのままの名前ですね!作業も単純です!
しかし、実はこれ大変なんですね~(*_*)
何がって、疲れるんです。
1日にフレットすり合わせを数本やるともう腕がパンパンです(;ω;)
さて、そんなフレットすり合わせですが、やる頻度が非常に高いリペアなんです!
そんな定番リペアですが、今まで1度もやったことないって方が意外と多いんじゃないでしょうか?
前回ご紹介したナットの消耗や電気系統の故障と違い、明らかに音がおかしくなるという症状ではないことが多いからかもしれません。
明らかに症状が分かるようになった時にはもう・・・
なんてことも多くあります!
なんか恐ろしい病気みたいですよね(@_@;)
ギターを弾けば弾くほど弦によってフレットは磨り減ってしまう消耗パーツです。
フレットが削れていくとフレットの頂点がどんどん平らになり、それが凹みになります。
そうなると音にビビりが出たりポジションによって音がフラットしたりシャープになったりとピッチが狂ってきてしまいます!
カポを付けると音がビビるなんて時にフレットの凹みが原因だったりすることがよくあります!
フレットが削れてバラバラになった高さを均一にし、キレイに成形し直すのがフレットすり合わせです!
全体を削る分、フレットの高さが低くなり弾き心地や音に影響は少なからずありますが、ビビったり音痴なギターではいい演奏はできません!
だからこそ、必要なリペアなんですね!地味ですが(^_^;)))
前置きが長くなってしまいましたが、さっそくどんな作業なのかご覧いただきましょう!
今回ご依頼いただいたギターはこちらです!
ス、スゴい!!(゜ロ゜ノ)ノ
ネックや、フレットの状態を細かくチェックしてから作業にとりかかります!
写真では分かり辛いかもしれませんが、フレットが削れ凹みができています!
フレット以外を傷付けないようマスキングしていきます!
この際に塗装や指板の木材が剥がれてしまわないようマスキングテープを布などに何度か貼り粘着力を弱くして使用します!
マスキング完成です!
捻れや波打ちを改めて確認。
それを考慮しトラスロッドを調整します!
これで準備完了です!
フレットの高さが均一に削れるように直線がでた板にペーパーヤスリを貼り擦り合わせていきます!
今回はフレットの高さに余裕があるため凹みが完全に消えるまで擦り合わせます!
でも削る量を最低限に押さえれるように大胆かつ慎重にです!!
凹みも消え高さを均一にできました!
全体が揃っているか、個別にがたつきがないかを細かくチェックします!
バッチリですヾ(≧∪≦*)ノ〃
次は削って平らになってしまったフレットを元のように丸くしていきます!
さきほど均一にしたフレット上面を削ってしまわないよう、かつ平らな部分が残りすぎないよう丸く成形していきます!
ここで平らな面が残りすぎるとビビりの原因になります。
できました!
すり合わせの作業はこれで完了です(*>艸・)
が・・・フレットにヤスリの傷がたくさん残っています!
なのでこれを最終的な形に整えながら、磨いていきます!
もちろんフレットのサイドも磨いていきます!
細かい番数のヤスリに変えて磨いていきます!
さらに細かい番数で磨いていきます!
もっと細かい番数で磨いていきます!
(;´Д`)ハァハァ
ヤスリでの磨き完了!
さらにコンパウンドでピカピカにします!
できました!ピッカピカです!
マスキングを剥ぐんですが、慎重にやらないと、こういう風になっている塗装を剥いでしまう恐れがありますので注意です!
指板の汚れも取り、オイルを塗って完成です!
ずいぶん見違えましたね\(^o^)/
今回は前回ご紹介したナット交換もご依頼いただいているので、ナットを交換して、調整して完了です!
ジャーン(*´ω`*)
完成です!
いかがでしたでしょうか!
腕がパンパンになる理由がお分かりいただけたでしょうか(笑)
自分の楽器のフレットをチェックしてみてください!
凹んでたりビビったりピッチがおかしい場合はすり合わせの必要ありですよ!
あまりにも凹みが激しい場合はリペアマンの腕が・・・
ではなく、すり合わせでは対応できなくなりフレットを交換しないといけない事態になってしまいます!
もちろん弾けばそれだけフレットが減るのは仕方ないですが、消耗を抑えることができます!
それは・・・錆びた弦で弾かないこと( ̄^ ̄)
けっこう多いんです。
錆びると弦がギザギザになりどんどんフレットを削ってしまいます!
弾いたあとはこまめに弦の裏側までキレイに掃除するか、まめに弦交換することをおすすめします!
面倒くさい方はエリクサーなどのコーティング弦を使うといいですよ!
まめにメンテナンスをすることで大出費を抑えることができますので、
ぜひ大切な楽器を日頃からチェックするように心がけて下さい!
以上、リペアマン尾仲でした!
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