皆さんこんにちは!
所属している草野球チームのリーグが開幕し、週3で軽い運動を行っているせいか、
摂取カロリーが大幅に増え、しっかり食べてしっかり動くと言う健康的な生活を送れている、
ギターリペア工房、中澤です。
さて、今回は楽器の内部配線としては近年では使われる事の少ない配線材が組み込まれたベースのリペアを行いましたので、ご紹介致します。
”音が出ない”と言う症状で来ましたので、裏のパネルを開けてみると、この様なケーブルが使われておりました。
いわゆる、”リボンケーブル”と呼ばれるモノです。
アクティブのサーキットが組まれ、配線箇所が一列に並んでいる構造であれば、見た目をスッキリまとめられますし、今回の様に片側だけに色が付いていれば配線ミスのリスクも抑えられますので、大量生産に向いていると言えますが、
その反面、”曲げ”や”ねじれ”には弱いと言う弱点もあります。
不良個所の特定の為の確認の際に見つけたのですが、下の写真(見えずらいかも知れませんが・・・)の様に一見繋がっているかの様に見える5本の内の一番左の1本、実は切れていて繋がっておりません。
これも、ケーブルに対してポットが緩んで動いてしまうと言うダメージ、いわゆる”金属疲労”によってこう言った事が起こってしまったと推測出来ます。
(デカビタの蓋を開けると蓋と一緒にくっついてくるリングを何度も曲げたりすると取れるのと同じ事がここで起こってしまった訳です。)
このケーブルの被膜を剥いて配線し直すだけでも「修理をした」と言えてしまう訳ですが、ここは”リペアマン”として今後のリスクをも最小限に抑える必要があります。
今回は元のリボンケーブルを外し、それに替わる新たな別の配線材を使用して改善を行って参ります。
まずは、古いハンダを溶かし、除去しつつリボンケーブルを外します。
他の2か所も同様に。
ここから新たな配線材に交換を行うのですが、使用するのはモガミの4芯シールド線。
当方ではレスポールタイプのスイッチとコントロール部を配線する際を主な用途として、活躍の場の多い配線材です。
元の物より柔軟性があり、ポットが動いてしまう事による断線のリスクも抑えられます。
それを実際に配線した様子がこちら。
かなり上手くまとまっているかと思います。
これを元リボンケーブルの場所に全て行い、いざ組み込み。
ここでも今後のトラブルのリスクを抑えたいと言うリペアマン心によって基盤を全て絶縁性のあるテープで覆いました。
これならば、ポットが緩んで動いても隣の回路とショートしてしまう心配もありません。
上記の作業に併せて電池スナップ、ジャックをより耐久性の高い物に交換し、電池も変え、全ての工程が終了です。
・配線材交換、電池スナップ・ジャックの交換工賃
・各種パーツ代:キーストーン電池スナップ、スイッチクラフトステレオジャック
合計金額 | ¥8,035(税込)+送料 |
---|
今回ご紹介した内容及び配線材やパーツは全ての楽器に対して使用可と言う訳ではありませんが、
当方では楽器の状態や使用状況・あるいはお客様のご希望に添ったご提案も可能です。
例え小さな不安でもお気軽にご相談下さい!
当工房ではこのページの下記フォームよりお問い合わせも可能ですので、こちらも是非ご利用下さい!
記事中に表示価格・販売価格、在庫状況が掲載されている場合、その価格・在庫状況は記事更新時点のものとなります。
店頭での価格表記・税表記・在庫状況と異なる場合がございますので、ご注意下さい。