リペアマン遠藤の仙台リペアブログ~その60~ヘッド割れの巻!

みなさまこんにちは!

リペアマン遠藤です!

私が書いていますリペアブログが今回で60回目という事で、意外とたくさん書いてきたのだなぁとしみじみしていました。

基本的に月2回のペースでリペアなあれこれ皆様に役立てる記事を書くように心がけております。

改めて今後ともよろしくお願い致します!


では今回の本題に入りましょう。

まずはこちらをご覧下さい。

あら、割れてしまっていますね…

症状としてはヘッド割れです。

メイプル材のヘッドが割れるという事は相当な強い力がかかったのですね。


ここでちょっと解説です。

ネック材の種類とヘッドの角度付き・無しはそのまま強度にも直結します。

例えばGibson系のマホガニー材の角度付きヘッドはまさしく折れやすい代表と言えますが、

今回のFender系メイプル材の角度無しヘッドはかなり丈夫です。ボキッと折れる事は少なく今回のように割れで収まる事が多いです。

ちなみにFender系の角度無しヘッドは並行段付きヘッドと呼ばれています。



そういえば昔、私がギター工場在籍時に不良になったネックを処理する際にボキボキ折っていた事があったのですが、

平行段付きヘッドのメイプルネックは折ろうと思って力をかけてもなかなか折れずに苦労した記憶があります。メイプル材でも角度付きヘッドは割と折りやすかったです。

なんて話を数年前の記事でも書いていました…笑

リペアマン遠藤の仙台リペアブログ~その17~ネック折れの巻!


裏から見ると分かりやすいですがペグをまたいで割れていますね。

この状態だとチューニングすると次第に割れが拡がって真っ二つになる可能性もあります。

危ないですのでしっかりと接着していきましょう!

まずは作業しやすいようにネックをボディから外してペグやテンションピンも外します。

修理方法としてはネック折れの修理とほぼ同じような工程を踏みます。

上の写真のようにしっかり力をかけやすいように当て木を沿えてクランプをかけ、タイトボンドで接着します。

割れの箇所・ヘッドの形状に応じて当て木も臨機応変に加工します。

いつも複雑になりがちですが今回は割とシンプルな構造で出来ました。

接着後は乾燥の為に一日程置きます。

そしクランプを外しましょう…

これはほとんど目立たないですね。かなり綺麗に接着する事が出来ました!

ネックを外して作業していたので再び組み込ます。

そして弦を張り全体調整で再セットアップを施して作業完了です。

いいですね~!

弦を張ってもびくともしません。とても良い仕上がりとなりました!

いかがでしたでしょうか?

不意のトラブルに慌ててしまいがちですがしっかりと直す事が出来ます!ぜひお気軽にご相談下さい!


以上、リペアマン遠藤でした!

またお会いしましょう~

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この記事を書いたスタッフ

仙台ロフト店遠藤

宮城県出身。長野県でギター製造に携わった後2017年から島村楽器仙台イービーンズ店の店頭リペアマンとなり、現在の仙台ロフト店に至ります。仙台のリペアは遠藤にお任せ下さい!

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