皆さまこんにちは!

ギターリペアマンの遠藤です!

平成元年生まれの私も無事に令和を迎えることが出来ました。

令和になってもよろしくお願いします!


というわけで5月に入り超大型連休の真っただ中ですね~

10連休の方々がとても羨ましいです!半分でもいいので分けてほしいです!




(心の声が漏れてしまいました…すみません)




気を取り直しまして、今回の症例は出来れば起こってほしくない個人的ナンバーワンのリペアをご紹介します。

少なくとも私はこうなってしまったらポッキリ心が折れて弾く気が失せてしまいます…

(というか物理的に弾くのが厳しいですが)


まずはこちらの写真をご覧ください

お分かりでしょうか…

簡単に言ってしまうとネック折れです。

サラっと言いましたがコレはなかなかショックですよね。



ここから解説です。

ネック折れの原因は様々ありますが大抵はヘッドに無理な力が加わるとそのままバキっといってしまう事が多いです。

例えば運送事故だったり倒したり周りにぶつけてしまったり、はたまた演奏中にストラップが外れて落としたりライブでギター回ししたらぶっ飛んだり…とにかく色々な事例があります。

中でもGibson系の角度付きヘッド&マホガニーネックという組み合わせは構造上、強度的にどうしても弱くなってしまうので折れてしまう確率が高いです。現在までに折れてる数としては圧倒的に多いのではないかと推測されます。

例のごとく謎のイラストを使います(笑)

角度付きヘッドはナット位置に弦の力がMAXにかかっています(赤丸部分)。そしてぶつけたり落としたりする時ボディの次に当たる確率が高いです。大きな衝撃を与えるとこの部分には尋常でない負荷がかかります。折れる時はほぼこの位置で折れます。

そしてマホガニー材。木材学的に強度がとても強い木材ではありません。


逆に折れにくいものはどんな組み合わせかというと並行段付きヘッド&メイプルネックの組み合わせです。

平行段付きって何やねんという声が聞こえてきそうですが、簡単に言うとFender系ヘッドです。

ヘッドがネックと並行で段が付いてますでしょう?(そのまんまです)

イラストの見た感じからしても何だか安心感がありますね。

そして強度がとても強いメイプル材。とにかく丈夫です。




余談ですが私が数年前、まだギター工場在籍時に不良のネックを処理する事がありました。ネックは木材ですが、中に入ってるトラスロッドは金属なのでそれは抜いて処理したいので、ヘッドを折ってロッドを抜いてたんですよね。

その時の経験でも圧倒的に折りやすかったのは角度付き&マホガニーネックの組み合わせ。

その次に角度付き&メイプルネック(Jacksonのコンコルドヘッド等)

最も折りにくいのが並行段付き&メイプルネックでした。

これは私が一番最初に勤めていた今は無きギター工場でのお話です。

そんな裏話も交えつつ、ネックが折れると悲しくなるので是非修理してあげましょう!





まず大まかな修理方法としては当たり前ですが折れてる箇所を接着します。

接着した後に補強を入れたり、はたまた当て木を接着してから成型したり…

パターンとしては様々考えられますが一番の肝はしっかり接着出来るかどうかという事。

ここが非常に大事で綺麗に折れてるものなら接着だけで済む場合がほとんどです。綺麗に接着すれば強度も保てます。

しかしヘッドが分離してバラバラになってしまい、強度が保てない場合は補強や当て木接着になります。その症例ごとに私が的確に判断しますのでご安心下さい。




もう一つ大事なことがありますが、ネックが折れたからといって自身の手で安易に直そうとしないで下さい。厄介なのは直そうとして接着剤が中途半端に残ってしまった状態です。

木材同士がしっかり密着する状態を作りたいのですが、そこに接着剤の残りかす等の邪魔なものがあると上手く接着出来ません。残ってしまったものを一旦全て取り除く作業が必要になるのですが、これがとにかく大変なのです…




長い解説もこの辺にしてそろそろ作業に入りましょう。

今回は断面が綺麗でしたので接着のみのパターンで進めていきます。


いきなり衝撃的な画ですがこれはクランプでヘッドをテーブルに止めてるところです。

そうするとですね、折れてる箇所が開くわけです。パカっと。


ここで私が何がしたいのかというと、先述した接着剤の残りかすを取り除くのもこのタイミングで行いますが…今回は他の作業をやります。

折れた時に木材の繊維やささくれがめくれて起き上がってしまうのですが、それだと密着しないのです。断面を直接確認してそういう箇所を全て整えてやります。

ここの作業が綺麗なほど強度良く接着出来るのです。


そうすると手で軽く力をかけるだけで密着状態を作り出すことが出来ます。ハンドパワー!

では接着の準備に入りましょう。


私は接着時はだいたいこの辺の道具たちを使います。

まずはクランプで仮止めです。


密着具合をしっかり確認します。良いですね!


確認したら一旦クランプを外し…

次はタイトボンドを折れてる断面の全面に行き渡るように流し込むわけですが、ここでは秘密の裏技を使って作業してるのであえて飛ばします(笑)


そして次から次へと溢れ出るタイトボンドを拭き取っていきます。

そして乾かぬうちに素早く接着です。

ふぅ…

乾燥の為に一日ほど置きます。

そしてクランプを外すと、


はい!

予想以上に目立たなくなりました!バッチリ綺麗に接着されています。

その後は仕上げと一部欠損箇所を補修&タッチアップを施して作業は完了です。


お疲れ様でした!

弦を張ってもびくともしません。とても良い仕上がりとなりました!



いかがだったでしょうか?

今回は接着のみでしたが補強や当て木接着、仕上げ塗装の有り無し等様々な方法をとることが出来ます。

ネック折れは非常にショックを受けますが直すことはもちろん可能です。

心が折れてしまいそうになりますが諦めずに是非ご相談下さい!


以上、リペアマン遠藤でした!

またお会いしましょう~

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この記事を書いたスタッフ

仙台イービーンズ店遠藤

仙台イービーンズ店店頭リペアの遠藤です。ヤル気が売りです。よろしくお願いします。シンプルが一番、だそうです(笑)

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