【試奏レビュー】2025年復活!スリンガーランド『ラジオキング』の実力とスペックに迫る

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【試奏レビュー】2025年復活!スリンガーランド『ラジオキング』の実力とスペックに迫る

記事中に掲載されている価格・税表記および仕様等は予告なく変更することがあります。

復活のラジオキング

ドラム大好き札幌パルコ店のトリヅカがドラム愛を語る「トリヅカのマニアックドラム」
皆様いつもご覧いただきありがとうございます。
以前公開いたしましたこちらの記事にも、たくさんのアクセスをいただきありがとうございます。

幸運なことに古い年代のスネアドラムを複数台比べる機会を頂き記事にまとめましたが、
そうこうしているうちに今度は現行モデルのスリンガーランドのスネアドラムを試す機会に恵まれました。

ドラムが好きだと言い続けていると色々幸運な機会に恵まれるものです。皆様本当にありがとうございます。

さて、以前の記事でご紹介しましたとおり、2000年代以降ドラムメーカーとして目立った動きが無かったスリンガーランドですが、2025年に発表されたのがこのRadioking(ラジオキング)の名を冠したシリーズで、ドラムセットとスネアドラムがラインナップされています。

今回はこのラジオキングスネアドラムをご紹介していきましょう。

Radiokingとは

当店保管の1990年代末ころのスリンガーランドの日本国内製作のカタログ

スリンガーランドの「Radioking(ラジオキング)」スネアドラムが最初に発表されたのは1930年代といわれています。
まさにビッグバンドジャズ全盛の時代、そして当時の最先端メディアであったラジオの王様という華やかなネーミングでデビューしたこのスネアドラムは大評判となり、スリンガーランドの名声を一気に広めました。

年式不明ですがスリンガーランドの単板メイプルと推定されるシェル・当店撮影

当時流行していたビッグバンドジャズのサウンドに合うように設計されたと言われるシェルは、厚めの1枚板(単板)のメイプル材を成形したもので、鮮やかなアタック感とオープンな鳴りが多くのドラマーや観客を魅了しました。

後に、ジャズの主流がビッグバンドからコンボに移り変わると、サウンド面での流行も変化し、一時ほどの勢いをなくしてしまったラジオキングですが、時代を飛び越え1980年代のロックやPOPSのスタジオシーンで再評価されます。

当時名ドラマーのジェフ・ポーカロが愛用していたという逸話もあり、ラジオキングは多くの名曲のスネアサウンドを担っていました。
「単板メイプルシェルといえばラジオキング」と言っても過言ではなく、ドラム機材の歴史的名機として語り継がれています。

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2025年型ラジオキングとは!?

果たして2025年型のラジオキングはどのようなスペックでしょうか!さっそくチェックしてみましょう。
ホワイトパール系のカバリングに、パーツ類はニッケルメッキがほどこされており古い年代の雰囲気が漂います。眺めるだけでわくわくしてきますね。

メーカースリンガーランド
型名SLFP5514SSK016
品名スネアドラム / Slingerland
販売価格¥172,700(税込)
JAN0647139694832
お問い合わせ

古い年式のラジオキングのフープといえば上端がストレートになった「スティックチョッパーフープ」が知られていますが、復刻ラジオキングには上端が丸まった「スティックセイバーフープ」が装備されています。
「スティックセイバーフープ」も、古い年代のスリンガーランドを象徴するフープですので、当時の面影を思い起こさせる仕様となっています。

そしてこのストレイナースイッチ!!
1960~70年代のスリンガーランドのスネアドラムに装備されていた「ズーマティック・ストレイナー」と呼ばれるストレイナーが再現されています。
オンオフは上部の大きなレバーで操作し、スナッピーテンションの調整は本体下部の大きなダイヤルで行います。

ズーマティックストレイナーも古い年代のスリンガーランドを象徴するストレイナーですので、これが再現されているのは嬉しいですね。

厳密には、古い年代のラジオキングにズーマティックストレイナーは装備されていなかったはずですが(もしそのような個体があったらすみません、ぜひお知らせください!)
上側が大きくカーブしたスイッチ本体のフォルムが、古いアメ車などのデザインに通じるように感じられ、華やかだった時代を想起させます

さて肝心のシェルですが
!!!???

ご覧のように単板メイプルシェルではありません。資料によるとマホガニー+ポプラ+マホガニーの3プライシェルに、単板のメイプルレインフォースリングという構成です。

かなりなだらかな角度で、丸みのあるエッジになっています。
丸みのあるエッジはヴィンテージ風味を演出するにはピッタリですが、古い年代のラジオキングはかなり鋭角なエッジで知られていました。

2点式の内蔵ミュートは「Todd Muffler」とよばれ、1930年代から1960年代くらいまでラジオキングに装着されていたタイプを再現しています。
シェル外側のダイヤルでミュートのかかり具合を調整できます。ここはしっかり再現してくれていて、嬉しくなりますね。

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叩いてみました

シェル構成から想像できますように、ヴィンテージドラムのサウンドをよく再現した、あたたかみを強く感じるサウンドです。
チューニングの幅にも無理のなさが感じられ、張り目にしても、ローピッチにしても実に音を決めやすいとも感じました。
そしてやはり現行品だけあってパーツ類の動作には安心感があります。ヴィンテージの衣をまとった最新鋭型、と言っても過言ではないでしょう。

おしまいに

ラジオキングと銘打っているのに単板ではないのか…という思いが無かったといえばウソになりますが、一度は消滅しかけたスリンガーランドの新作を2026年においてふたたびご紹介できるという喜びのほうが勝りました。
やや複雑な心境を吹き飛ばすほどの完成度の高さです。ぜひ皆様のスネアドラム選びの選択肢のひとつに加えていただけましたら幸いです。

札幌パルコ店 鳥塚

テレビで見たドラムに心を奪われてドラムを始め、バンド活動に明け暮れていたある日、何気なく訪れた楽器店で目にしたプロドラマーのドラムイベント(ドラムクリニック)に感銘を受け、楽器店員を志す。現在は札幌パルコ店勤務の傍ら、演奏活動も行う。

これまでに、米国のZildjianや大阪の旧SAKAEといった国内外のドラム/シンバル工場を訪問。長い演奏歴とスタッフ歴で培ったマニアックな知識は、島村楽器随一。

そして今では、世界中のドラマーの定番となったPROTECTIONracketのスネア&ダブルフットペダルケース「TZ3016」「TZ3015」の発案者。

偉大なドラマーを輩出し続ける北海道・札幌で、ドラムコーナーの灯を絶やさぬよう奮闘中。
MyDRUMS内で「トリヅカのマニアックドラム」を連載中!

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