
人気の TAMA のペダルをチェックします

札幌パルコ店トリヅカです。
ドラムペダル徹底検証記事もこれで4回目。改めて比較してみることによって、各ブランドとも特色あるモデルをリリースしていることを実感しています。みなさんがドラマーとして目指すスタイルに近いモデルをお選び頂き、よりよいグルーヴ、音色の表現の助けになることを願ってます。
検証チャートのおさらい
さて回数も重ねましたのでここで改めて検証の表の見方をご紹介しておきましょう。
現在入手して検証することが出来たペダル全ての「平均点」と感じられたポイントを各項目の表の真ん中「0」としました。

出来るだけ主観が入らないように心がけましたが、身体で使うものですので、みなさんの体格や演奏スタイルによって感じ方は大きく違うこともあると思います。
この記事をお読みになり、気になったペダルは、ぜひお近くの店舗でお試しいただき、納得の1台を選んでいただきたいと考えています。
今回は TAMA 編
さて今回は、人気の TAMA のペダルをご紹介します。ご存知の通り「コブラシリーズ」といういかついニックネームが付いたペダル。その名のとおり、ロック系中心にヘビーなスタイルのドラマーに愛用者が多いモデルです。
しかし、今回紹介する2015年リニューアルモデルは、その印象を覆すかのような驚きの進化を遂げていました。それではご紹介していきましょう。
TAMA ドラムについて

TAMAドラムは、愛知県のドラムメーカーです。1908年創業の楽器販売業が前身となりますが、楽器メーカーとしては1962年設立の「多満製作所」が TAMAドラムのはじまりといえるでしょう。
国内海外問わずビッグアーティストに愛用されている TAMA ドラム。高機能ペダルのさきがけとなった「アイアンコブラ・ドラムペダル」は TAMA を代表するアイテムです。
「アイアンコブラ」について
1993年に発売された TAMA のドラムペダル「アイアンコブラ」

(↑当時のカタログより)
当時、従来のドラムペダルにはなかった多くの新機構を搭載し、一躍話題となりました。
真円ギアの上部を直線的にカットし、ヒット寸前にビータースピードが増すPower Glideと、踏み込みからヒットの瞬間までリニアなアクションが得られるRolling Glideをモデルによって選択できるのが大きな特徴。
また、ビーターアングルをフットボードと独立して、かつ無段階に調整可能な“Vari-Pitch Beater Holder”。平面でヒットすることでパワフルなサウンドを実現し、更にビーターヘッド部が可動する“Iron Cobra Beater”。
そして“Spring Tight”や“Speedo-Ring”によるスムーズなアクションや、様々な厚みのバスドラム・フープにしっかりと固定できる“Para-Clamp”等、現在では当たり前になった機構をいちはやく盛り込んだ高機能ペダルのさきがけとして、一躍人気アイテムとなりました。
1998年に黒をベースとした外観へ大きくモデルチェンジし、2010年には派生モデルである「Speed Cobra」がデビュー。その人気は現在に至るまで不動のものとなっています。
アイアンコブラ・ドラムペダル HP900PSN


初代アイアンコブラのデビューは遡ること20年余り前の1993年。その後も幾多の改良を経て多くのドラマーに愛され続けているアイアンコブラ。2015年にもリニューアルとなりました。
特徴的なPower Glide仕様のカムは、真円ホイールの上端のみを直線的にカットすることで、ヘッドをヒットする寸前にビーターヘッドのスピードが増すオリジナルアクション。
新モデルではカム(スプロケット)の重量を従来より約40%軽くすることで、スムーズなアクションとパワーを両立しています。
ヘッドにヒットするフェルトの面積を従来より小さく且つ厚みを増した新設計のコブラビーター。
バスドラムの胴鳴りを高め、太い芯のあるサウンドを獲得すると共に、フェルト面を平らにすることでアタックを強調しました。

進化し続けるコブラシリーズ

- 大きな音量とたっぷりとした低音はアイアンコブラならではのもの。音の粒をそろえやすく、ハッキリと際立つサウンドのため、ロック系にはぴったりのサウンドキャラクター。
- 2015年のリニューアルにより、踏み込み始めからビーターがヒットするまでのスピーディさが増し、「アイアンコブラは重い」という先入観を払拭するかのようなアクションにリニューアル。「パワーグライド・カム」でありながら従来品と比較してアクションのクセが少なくなり、扱いやすくなった。
- 付属のレンチでビーター角度とフットボード角度が独立して無段階で調節可能。標準位置の目盛りがついており、ペダル調節に不慣れな方でも調整しやすい。
- 程よい踏み応えと安定感がある迫力あるサウンドで、ロック系ドラマーのマストアイテムとしての地位は揺るがない。
スピードコブラドラムペダル HP910LS
ロングフットボードを採用し、スピードを志向するプレイヤーに向けて作られたSPEED COBRAペダル。2015年のモデルチェンジで、更なる進化を遂げました。


Speed Cobra は、チェーン式を採用することで従来の自然なアクションを保ちつつ、軽い踏み込みを実現するために、カムとチェーンの位置関係にもこだわっています。
物理的な定理を応用し、違和感のない「軽さ」が得られるポイントまでフットボード始点を後ろにセットした構造になっています。

Speed Cobra ペダルの持つポテンシャルを最大限まで引き出すべく開発された新型ビーター。バスドラムをヒットする面に採用されたBR(ブタジエン)樹脂は、適度な硬さと 優れた耐摩耗性が特長。
これを採用したAccu-Strike Beaterは高速連打の際にも 均一でアタックの効いたサウンドを可能にしました。

名器の雰囲気すら漂わせる逸品

- アイアンコブラ譲りの大音量と低音感、音の粒の揃えやすさに加え、ビーター素材によるはっきりしたアタック感が特長。ラウドな音楽でも埋もれにくい輪郭のあるサウンド。
- 実にストレスなくフットボードが沈み込む軽い踏み心地でありながら、ヒットする瞬間には力がビーターに十分伝わっているような感覚があり、軽さとパワー感を両立。
- 付属のレンチでビーター角度とフットボード角度が独立して無段階で調節可能。標準位置の目盛りがついており、ペダル調節に不慣れな方でも調整しやすい。
- 踏み込み軽さと均一な大音量を併せ持つ、名器と言ってもよいモデル。ロック、POPS系、初心者、上級者問わずおすすめのモデル。
ペダル検証 TAMA 編 おわりに
何を隠そうわたくしトリヅカ、初代アイアンコブラ発売時に、お小遣いを握り締めて初代のアイアンコブラを買いに行きました。そして、それまで経験したことがなかったパワフルな音や、多彩な調節機能に魅了されたのを覚えています。
今回の検証で、20年以上経て発売された最新のアイアンコブラも、初代の設計思想が貫かれているのを再確認しました。それと同時に、発売20年を経て実施された今回のモデルチェンジ。今もなお進化しつづけているということに驚きました。
強烈な個性のあまり敬遠していた方にこそ、ぜひお試しいただきたい2機種です。ぜひ店頭でお試しいただけたらと思います。












この記事を書いた人
札幌パルコ店 ドラム担当 鳥塚
ドラマーさんのお悩み解決のため毎日元気に営業中!
ドラム情報アカウント、@tomtom_toriduka の中の人、愛用ペダルはDW-5000AHです。


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