皆様こんにちは、梅田ロフト店の阪口です。
今回はインシュレーターについての記事を書こうと思います。インシュレーターで音が変わるということは音響関係にこだわっている方はご存知の方は多いと思いますが、一般的にはまだまだ浸透していないことと思います。インシュレーターについては諸説ありますが、簡単にいうとスピーカーを置いている台等に伝わる振動や台等からスピーカーに戻ってくる振動を吸収することで不要な音や振動が混ざり合うことを防止する役割や、素材によって音質に影響を与えたりするものです。
ただあくまで私の見解ですが、インシュレーターについては必ず導入する必要のある物ではないということを最初にお伝えをしたいと思います。私自身、随分昔に自宅の部屋の配置変更をした際にスピーカーの場所を木棚の上からスチールラックの上に移動した時に音質がドンシャリで硬く冷たい音になったことがきっかけでインシュレーターを導入しました。
私の音の好みとしては特にクラブミュージックをレコードで聞いたり製作をすることもあって、低音の特にバスドラムの音が柔らかく前に出る傾向が好みですので、スピーカーをスチールラックの上に置いた際の硬く冷たい音に不快感を感じて、それを改善するためにインシュレーターを色々と試しました。
ですのでレコーディングやマスタリングの際に音の輪郭をクリアにすることで音の定位を取りやすくしたり、音作りをしやすくする、、といった効果もありますが、それよりも自分の好きな音で製作やDJプレイ、リスニングを楽しみたいと思いインシュレーターを導入した経緯がありますので、現状の音質で満足をされている方はあえて導入をする必要はないかなと思っております。。
特にインシュレーターによっては部屋のセッティングとの相性もありますが、結果的に中高音はクリアになるが低音が減衰しすぎて音に魅力がなくなることもある等様々な特性の物もあり、良くも悪くも音質に変化をもたらす物ですので、そもそも現状のセッティングで音質に満足をされている方はあえて導入をする必要はないかと考えます。
形状や素材で様々な音の変化をもたらすインシュレーターですが、色々と試してきた中で私の好みの音に傾向が近いインシュレーターとしては人工大理石とソルボセインが上げられますが、今回はソルボセインについてレビューをしたいと思います。
セッティングとしてはElektron Analog RYTMの音をADAM AUDIO S1Xスピーカーから出し、AKG C414-XLSのマイクで録った音をUNIVERSAL AUDIO APOLLO 8 QUADを介してCUBASE PRO8でレコーディングしています。
UNIVERSAL AUDIO APOLLO 8 QUAD,CUBASE PRO8
今回は2つのフレーズをインシュレーターを使用していないバージョン、使用しているバージョンの2バージョンをレコーディングして聞き比べしてみました。
まずスピーカーの中心に立ってモノラルになりすぎず、ほどほどにステレオ感を感じられる位置にスピーカーをセッティングした後に、スピーカーの位置が後で分からなくならないようにバミります。
まず最初にインシュレーターを使用していないバージョンをレコーディング、その後にインシュレーターをスピーカーの下に取り付けます。
コチラがソルボセイン↓
多少ベタつきがありますが、このベタつきのお陰でスピーカーの位置が知らない内にずれてくるのを防いでくれます。
インシュレーターを使用したバージョンをレコーディングした後にCUBASE PRO8から各トラックのオーディオデータを個別に書き出します。
それではインシュレーターを使用していないバージョン2トラックと使用しているバージョン2トラックを聞き比べてみましょう。
インシュレーター未使用トラックその1
インシュレーター未使用トラックその2
インシュレーター使用トラックその1
インシュレーター使用トラックその2
総評
いかがでしょう?特にソルボセインのインシュレーターについては不要な振動がカットされて低音が引き締まりますので少し低音のパワー感が減るように感じますが、中高音はかなりクリアになりつつ全体的に音の角が取れて丸くなり、柔らかく生っぽい傾向になっているように感じられます。価格も安価で音質も比較的フラットで柔らかい傾向ですので、使用することで音質が改善されるケースが多い非常に利便性の高い商品ではないかと感じます。
現在島村楽器梅田ロフト店のスピーカーコーナーではソルボセインのインシュレーターを視聴できるようになっていますので、普段音楽を楽しんでいる中で少しでも思い当たるところがある方は是非試していただければと思います!
また余談ですがインシュレーターを使用する前に注意すべき点としてスピーカーのセッティング状態が上げられます。自宅等でスピーカーをセッティングする際に壁際にスピーカーを配置する方が多いと思いますが、壁際にスピーカーを配置することで背後の壁に低音が反響し、少し低音がブーミーになりすぎることがあります。その状態で比較的低音を抑える素材のインシュレーターを選択すると良くない音の変化をするケースがありますので、可能でしたら壁から少し離した位置にセッティングをするか、吸音材(スポンジのような物)を壁に張る等対策をした上でインシュレーターで補正をした方が良いと思います。スピーカーのセッティングについてはまた別の機会にお話したいと思います。。
それでは以上となります。最後まで読んでいただきありがとうございました!
梅田ロフト店デジタル担当 阪口(さかぐち)

DJ歴20年、現在も現役DJで活動をしているDJ専門スタッフの阪口です。
今までクラブイベントや野外イベントでDJ、バンドのトラックメイカー、オーガナイザー等々色々と活動してきましたので、DJに関する事なら何でもご相談下さい。
