昨年末にSteinbergから発売されたDAWソフト、Cubase Pro 8、Cubase Artist 8は「音楽を創る」人の立場に立った革新的な機能を満載しております。今回は作曲支援の部分に特化した新機能を使ってレビューしてみたいと思います。
作曲支援の強力な機能、コードアシスタント
「次のコード進行どうしようかなぁ…」「手癖が付いてしまって他の展開が思い浮かばない」そんなことはありませんか?それを解消してくれる機能、それが「コードアシスタント」です。
現在選んでいるコードに対して、適していると思われる次のコードを自動的にアシスト、提案してくれる機能です。この機能はCubase 7から実装されていましたが、Cubase 8ではさらに飛躍した機能になっています。では実際に曲を作っていきます!
コードアシスタントを使ってみる
まずは、コードアシスタントを使うインストゥルメントを立ち上げます。今回はHALION SONIC SE2のピアノを選びました。
次にコードトラックを呼び出します。
準備が整ったら、空白のコード「X」または既に記録されているコードをダブルクリックします。
するとエディターが立ち上がります。
右側にある「Chord Assistant」をクリックすると、下の画面が立ち上がります。
ここで試聴して、気に入ったコードを選べるわけですね。
そしてここからがCubase 8からの新機能です。横の「近接」という項目をクリックすると、このような同心円状の画面が出てきます。
これは、選んだコードに対して、次のコード進行にマッチしたコードが自動的にマッピングされます。近いコードを選ぶと自然な感じになり、遠いコードを選ぶと転調したかのような効果が得られます。これは分かりやすい!
※近接モードはCubase Pro 8のみになります。
また、五度圏内のモードもあります。伝統的な五度圏に基づいたコードの関係を一望できますので、選んだコードに対してどのようなコードが完全五度、完全四度のどこに位置しているのかがすぐ分かります。
どうでしょう。この機能で、自分自身では思いつかなかったコード進行を作るきっかけになったり、作曲の幅が広がったりと「新たな発見」を見いだせるのではないでしょうか。
指一本でコードを演奏できるコードパッド
「鍵盤は弾けないけど簡単に、自在にコード進行を作りたい!」そう思われる方は多いのではないでしょうか。その願いをコードパッドは解決してくれます。
まずはコードアシスタントでコード進行を作ります。
コードパッドを立ち上げます。
コードをコードパッドにアサインします。
コードをアサインした結果はMIDIキーボードで見るとこのようになっています。
リズムに合わせて指一本でバッキングを入力することができるのですね。
「指一本バッキング」をレコーディングするとちゃんとMIDIノートに変換シてくれるのですね。
バッキングトラックを作ってみました。
どうでしょう。すごい簡単です!
また、コードパッドにはテンションコードやボイシングを変更できる機能が付いていますので、それを使うとさらに表現力が高まります。
例えば「おしゃれな響きににしたいなぁ」と思ったらそんな時は「テンションコード」。これも矢印を置くと現れるボタンをクリックして、お好みのテンションコードを選ぶだけのお手軽設計!
コードを演奏する時のボイシング(位置)も自由に変えられます。
コードパッドのプリセットも充実しています。このなかからお好みのスケールやジャンルを選ぶだけでもコード進行ができてしまいます。
Aパートと同様に、コードアシスタントとコードパッドを使ってサビを作ってみました。サビで使うコードを以下のように配置しています。
というわけで、自分の引き出しにはなかったコード進行をこのコードアシスタント機能がオススメシてくれるわけですね。近接コード、五度圏モードは視覚的にコードを表示してくれるので、コードの勉強にもなりますよね!
まとめ、感想
Cubase Pro 8の新機能「進化したコードアシスタント」「コードパッド」はいかがでしたでしょうか。どちらも曲作りの強力な味方になることに間違いありませんね。Cubase Pro 8にバージョンアップされている方はもちろん、Cubase Pro 8を買おうか迷っている人もぜひこの機能を使ってみてください。