【簡易PAシステムレビュー第3弾】JBL / EON ONEを検証!

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こんにちは、津田沼パルコ店・デジタル担当スタッフの伊藤です。
今回は簡易PAシステムレビュー第3弾と言う事で、JBL / EON ONEの検証を行っていきたいと思います!
第1弾のJBL / EON 200Pシリーズ・第2弾のYAMAHA / STAGEPAS BTシリーズとは少し違ったアプローチをしているEON ONEです。
最後まで読んで頂けたら嬉しいです。

EON ONEの特徴

EON ONEの特徴は何といっても、高音域用スピーカーにラインアレイ方式というスピーカーの設置方法です。
ラインアレイ方式とは、複数のスピーカーを連結させたスピーカー構成の事を言います。
大規模会場等でのコンサート等で良く見かける天井から吊るされたスピーカー等をイメージすると分かりやすいと思いますが、今回ご紹介するEON ONEにはそれと同じ方式のスピーカーが搭載されています。
この方式のスピーカーを使用する事によって、小型ながら非常に広い範囲のフォローエリアに均等なボリュームで音を届ける事が可能となっています。

加えて高音域用のスピーカーがサブウーハー背面に収納できるので、持ち運びもスピーカー1台分で完結します。
男性であれば持てる重量かと思いますので、セッティングに人数が必要になる事もありません。

セッティング

まずは、組み立前の状態です。
大きさはサブウーハー1台分です。

EON ONEはパワードミキサー部の背面に、高音域用スピーカ&連結パーツーが収納されています。

まずは必要な高さ分の連結パーツと高音域用スピーカーを接続します。

高さは3段階から選べます。
連結パーツの長さが1本44cmですので、用途に合わせて高さを選んで下さい。

連結パーツ無しの状態で、高さは約110cmです。

連結パーツを一つ繋いだ状態です。高さが約160cm弱になります。

連結パーツを2つ繋いだ状態です。この状態で約2mの高さです。

次に裏面に電源ケーブルをパワードミキサー部に接続します。

最後にマイクやギター等を接続して終了です。

非常に簡単で、設置そのものは2~3分程度で完了します!

操作方法

ミキサー部のインプットは、Mic/Line入力が2系統・ステレオ入力(フォーン/RCA対応)が1系統・ステレオ入力(ミニステレオ端子対応)が1系統の合計6系統となっております。
アウトプットはメイン出力に加えMONITOR OUTがステレオ1系統となっており、この仕様は「簡易PAシステムレビュー第1弾」でご紹介したEON 206Pと同様となっておりますがEON ONEはBlutooth対応になっている点がEON 206Pとの相違点になります。

まずはch1・ch2になります。

EQはTREBLE/BASSの2系統で、ON/OFFスイッチが付いたREVERBとMIC/LINEの切り替えが可能VOLUMEが搭載されています。

マイク使用時は、切り替えスイッチをON

ギター等のライン入力の場合はボタンをOFF状態にします。

ちなみに普通のミキサーでのEQはTREBLE→HIGH・BASS→LOW表記ですが、EONシリーズは一貫してアンプ等に記載されているTREBLE/BASS表記になっています。
プレーヤーさんに優しい表記です。

続いてステレオ入力です。
ch3/4はボリューム調整が可能なチャンネルになっていますが、ch5/6の入力は再生機器側でのボリューム調整になります。

次にBlutooth chです。
こちらもch5/6同様に、再生機器側でのボリューム調整になります。

続いてアウトプット系統です。
MAIN OUTにはスピーカー保護の為のLIMITERが搭載されています。

MONITOR OUTはRCA端子での出力になり、こちらもボリュームの調整が可能です。

果たしてスピーカーは1本で大丈夫なのか?

次に疑問に思われる方も多いかもしれない「そもそもスピーカーが1本で事足りるのか?」という疑問についてです。
「そもそもスピーカーが1本で事足りるのか?」という疑問についてです。
この疑問、実は2つの要因が答えのカギになります。
まずは、「単純に聴く側に音が届くのか?」という疑問点です。
この疑問点はスピーカーの指向角度が関係してきます。
EON ONEのスピーカーの指向角度は水平100°・垂直50°となっています。

つまりスピーカーの中心から見て、左右50°以内にお客さんが入っていれば音が届くという考え方です。
もちろん横に広い会場であればEON ONE単体でのカバーは厳しいかも知れませんが、小型スペースでの使用であれば置き位置に気をつければ問題なく使用出来ます。
写真の様に分度器を使うと、イメージし易いので便利です!

次の疑問点として、「LRに音が振られている音源は大丈夫なのか?」という疑問点が挙げられます。
この疑問点に関しては、PAの目的が絡んできます。
そもそもライブを行う場合、会場のどこにいても同じバランスで音が聞こえてくる事が重要ですし多くのエンジニアさんはそういった状況を作り出す為に実に色々な努力をしています。
つまりL側だけでしか聞こえない音・逆にR側だけでしか聞こえない音があった場合、聴く位置によって曲の聴こえ方が変わってしまう為に本来のPAの目的にはそぐわない状態になってしまいます。
ですのでLRに音が振られてる音源であっても、若干のPANNING(LRに音を振る事)はあっても基本はセンター寄りに音を作った方がお客さんには均等に音が届く訳です。
ですのでスピーカー1本から音が出ていても、音像面では問題ないといえるでしょう。

JBL / EON ONEについての所感

今回ご紹介したEON ONEのオススメポイントとしてギターの弾き語りの方等のライブ目的の方にはもちろんの事、各種教室などの使用にも非常に便利だなという印象があります。
その理由として、まず設置の際のリスクが少ないという点です。
このレビューでもご紹介したEON 200PシリーズやSTAGEPASシリーズは、基本的にはスピーカーはスタンド立てがメインになりますのでスピーカースタンドを設置する場所やスタンドが倒れにくくする為に、置き方に気を使わなければならないデメリットがあります。
また小さいお子様がいらっしゃる様な環境下では、不意に触ってしまう事でスピーカースタンド&スピーカーの転倒やスタンドの中に手を挟むリスク等が出てきてしまいます。
その点EON ONEの場合、スタンドが不要になるので転倒等のリスクはスタンド立てをするタイプのスピーカーに比べて格段に低くなります。
またミキサー部の上のカバーを閉じれば、再生機器等の設置も可能ですので必要最低限のスペースで使用する事が可能です。

次に小規模スペースでのライブに非常に向いているという点です。
カフェ等でのライブの場合、「基本的には機材を極力減らして省スペースでライブを欲しい、お店側の要望」と「出来るだけ理想的なクオリティーで楽曲を再現したい、アーティスト側の要望」があり、どこでお互いが妥協するかがポイントになってきます。
その点で言えばEON ONEは実質スピーカー1台分のスペースで済みますし、別途多入力対応のミキサーを置いたとしてもミキサー上のカバーを閉じて置いてしまえばミキサー用の机等も不要になります。
更にキャパシティーに応じてスピーカーの高さを調整すればアーティストから離れた場所にいるお客さんにもボリュームを上げる事なく音が届きますし、サブウーハーのサイズも10インチなので低音もしっかりと出ますので迫力を失わずにプレイする事が出来ます。

ラインアレイの特性をしっかりと活用すれば、ライブ用途だけでなく色々な分野の教室でもかなりの効果が得られると思いますので、是非使ってみては如何でしょうか?

注・こちらは撮影用にカバーを外した状態になります。通常は、カバーが閉じられている状態になります。

主なスペック

周波数レンジ(-10dB) 37.5Hz~18.5kHz
指向角度(水平×垂直) 100°×50°
最大音圧レベル 118dB SPL(ピーク)
ドライバー構成 LF/10インチ(254mm)
HF/2インチ(51mm)×6
パワーアンプ 380W(LF:250W+HF:130W)、Class D
電源 AC100V、50/60Hz
消費電力(1/8出力、ピンクノイズ) 120W
エンクロージャー ポリプロピレン製、黒
寸法(W×H×D 使用時(最大)/373×2,017×498mm(除突起部)
収納時/373×596×498mm(除突起部)
質量 20kg
付属品 電源コード、和文取扱説明書

JBL / EON ONE

(税込) ¥107,800 (税抜 ¥98,000) 価格改定(2019年9月20日~) (税込) ¥77,000 (税抜 ¥70,000)

JANコード:0691991004704


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津田沼パルコ店デジタル担当 伊藤(いとう)
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津田沼パルコ店デジタル担当 伊藤(いとう)

マイク、ミキサー、ヘッドホンが得意分野です。マイクやヘッドホンは、本当に選び方に人柄が出る面白い機材です。今まで以上に品揃えも充実しましたので、是非皆様に合ったマイク・ヘッドホン選びのお手伝いをさせて下さい!ミキサーのご相談も大歓迎です!

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