ピアノタッチの88鍵盤MIDIキーボード「VPC1」
KAWAIから発売されたMIDI鍵盤といえば「VPC1」。そして、88鍵ハンマーアクションタイプの最高級MIDIキーボードでもあります。当初は海外モデルとして発売される予定でしたが、その注目の高さから国内でも取り扱いを開始することになり、初回の入荷は瞬く間に完売しました。
そんな「VPC1」を実際に触ってみましたので少しだけレビューしたいと思います。
KAWAI(カワイ)と言えばアコースティックピアノ(生ピアノ)や電子ピアノを開発、製造しているメーカーで、デジタル製品ではあまり馴染みがないかも知れません。
ただ、今回発売されたMIDI鍵盤はその名をDTMユーザーなどのデジタルユーザー界隈に一躍広めることになるかも知れません。
ピアノをされている方でピアノの音にこだわるなら、究極に言ったらこの3つ。"鍵盤" と "音源"、そしてその"音源との親和性"ですよね。その中でMIDI鍵盤で求めるのは鍵盤部分と親和性。(…あと、私的にはデザイン。)
今回この「VPC1」の素晴らしいところはその2つだけを目的として作られたものであり、何よりソフトピアノ音源に徹底して特化させたMIDIキーボードであるということ。
そんな「VPC1」に触って素直に「すごい!」っと思ってしまいました。
…ってカワイさんの回し者ではありません。ご挨拶遅れてしまいました。思ったことをそのまま書いてしまうハセベです。
では、その鍵盤部分から見ていきたいと思います。
「VPC1」鍵盤
「VPC1」の鍵盤は以下の8つの特徴があります。
それぞれの特徴を見ていきましょう。
- 白鍵も黒鍵も木製
- シーソー構造
- 黒鍵と白鍵で異なる支点位置
- 低音鍵にはカウンターウェイトを搭載
- 3センサー
- グランドピアノ同等の止音位置
- レットオフフィール
- アイボリータッチ
1,2 白鍵も黒鍵も木製&シーソー構造
「VPC1」は木製鍵盤です。アコースティックピアノを造っているメーカーならではの最大の特徴でしょうか。
上記の写真はグランドピアノとVPC1の鍵盤構造です。シーソー構造とは鍵盤奥のハンマーを跳ね上げる機構のことで、強打時の手応えと重さ、そして弱打時の軽やかさといったグランドピアノのタッチ感の特徴を再現する構造です。この構造が出来るのもピアノメーカーらしいですね。
ただ、ここで注目したのが支点の位置です。グランドピアノはだいたい中心に位置しており、VPC1は3分の2位でしょうか。アップライトピアノ寄りですね。ただ、この支点は他のメーカーではかなり狭いものもあり、白鍵の奥側を弾くとものすごく重いタッチになってしまうものがあります。
3 黒鍵と白鍵で異なる支点位置
黒鍵と白鍵では支点位置が異なって配置しています。メーカーによっては同じ支点で配置しているものも多く黒鍵の奥を押さえた時に固いタッチになっているものもあります。グランドピアノと同様に支点配置をしていることで自然な弾き心地になりますね。
4 低音鍵にはカウンターウェイトを搭載
グランドピアノでは鍵盤にウェイト調整用の鉛があり、タッチの重さなどを左右しております。「VPC1」にはそのウェイトを低音部に搭載することで、弱く演奏したときの軽やかさを実現しております。
5 3センサー
この3センサーはある程度ランクが上の電子ピアノであれば他メーカーでも採用されており、一般的かと思います。3センサーの採用は2センサーに比べ細かく感知し発音するので同じ鍵盤の連打性が上がるとともに、音と音の繋がりが自然に発音することができます。