6 グランドピアノ同等の止音位置
グランドピアノと同等の鍵盤位置で止音を実現しております。電子ピアノやステージピアノの中には音が止まるはずでない鍵盤の位置で止音してしまうものもありますよね。そうするとレガート奏法などの演奏が上手く出来なかったりします。
7 レットオフフィール
グランドピアノでは鍵盤を押すとその動きがハンマーに伝えられ弦に接触し音が出ますが、弦にあたる直前にハンマーが鍵盤から開放される瞬間があり、あとの数ミリは惰性で動いて弦に接触します。用語を用いればジャックがローラーからエスケープすることとなりますが、その仕組みをレットオフといいます。
そのレットオフは弾いた時にクリック感(何かにひっかかる感覚。カックンとも言われます)となるのですが、それを再現しております。他社ではエスケープとも言われておりますね。ゆっくり鍵盤を押していくと分かりやすいのでぜひ試してください。
8 アイボリータッチ
これも、いろいろなメーカーで採用されておりますね。
グランドピアノには、象牙の白鍵(アイボリー鍵盤)と黒檀の黒鍵が使われているものがあります。象牙はご存知のとおり今現在は輸入禁止ということもあり、アイボリー鍵盤のピアノは少なくなりました。
アイボリー鍵盤は汗を吸う特徴をもっています。ピアノを演奏中に、指先に汗をかいてきても吸ってくれるというわけです。また、独特のさわり心地もアイボリー鍵盤が採用されている一つです。そのアイボリー鍵盤に近い特徴をもつのが象牙調鍵盤のアイボリータッチです。
「VPC1」音源との親和性
次に音源との親和性を見ていきましょう。
これはウエブサイトなどに紹介されているのでもうご存知だと思いますが。この「VPC1」には最大の特徴があります。それはソフトウェアピアノ音源メーカーによる専用タッチカーブが搭載しております。
そのメーカーはSynthogy社「Ivory」、MODARTT社「Pianoteq」、BEST SERVICE社「Galaxy Vintage D」、Native Instruments社「Alicia’s Keys」と、どれも有名ピアノ音源ばかり。
もう、このソフトウェアと「VPC1」さえあればピアノは最強ですね。
タッチカーブとは、ベロシティカーブのことを意味しておりますが、鍵盤を弾いた強さと音の強さの関連付けを設定します。
ところで、タッチカーブの重要性はご存知でしょうか?お恥ずかしい話しですが、私も最近までそこまで意識はしていませんでした。なので、カーブ設定はする時もあればしない時も多々ありました…。
けれども、ある時を境にしっかり設定をするようになったのですが、そのきっかけが88鍵盤シンセサイザーと、その同じ製品の61鍵盤シンセサイザーを88鍵MIDIキーボードで繋いだ時の弾き比べです。
88鍵盤MIDIキーボードも88鍵盤シンセサイザーも同じメーカー&同じ鍵盤機構のものです。当然、多少の違いはあるのかと思いました。
…が、全く違ったのです。これ?同じ製品??という位に。そしてそこから、そのメーカーの開発の方が最大限のピアノの音質まで設定し、同じ音になったわけですが、その違いに愕然とした記憶が今でも鮮明に覚えています。
そこでわかったのが、”61鍵盤モデルも88鍵盤モデルもその製品にあった調律&調整されていること”そして、”タッチカーブによって圧倒的に変わるということ”です。
なので、いかに音源を高音質にしても、それを発揮できる鍵盤と、それを活かせるセッティングにしなければ、最高の音源だとしても十分な力が出ないのです。
話しを戻しまして、「VPC1」では本体のみで、それぞれピアノ音源のタッチカーブ切り替えが行えます。なので、音源の切り替えさえすればライブで使用することも可能です。
操作は簡単で電源を押しながら右端の黒鍵を押すのみで切り替えることができます。
付属エディターソフトウェア「VPC Editor」
Windows専用にはなりますが、エディターが付属されております。
このエディターではタッチカーブの切り替えはもちろん、オリジナルのタッチカーブ設定、各鍵盤一音一音ごとのベロシティ調整が可能です。
また、ユニークなのが、”タッチカーブラーン機能”です。これはタッチカーブを自動生成してくれるというもの。どのメーカーのどのピアノのどの鍵盤で練習してきたかなんて、人それぞれですよね。なので、弾き方はそれぞれ違うもの。そんな時、このタッチカーブラーン機能が役立つかもしれません。
まとめ
鍵盤と音源の親和性を見てきましたが、いかがでしたでしょうか?
鍵盤の仕様を細かく見てみると、今現在生産されているMIDIキーボードの中でトップクラスの構造をしており、また、生ピアノの弾き心地を再現していることがわかります。
また、音源との親和性も各ピアノソフト音源メーカーお墨付きのタッチカーブが用意されており、非常に心強いですね。
最高峰のMIDIキーボードと絶賛されるだけの製品ではあるように思えます。そして、私が気に入ったのはなんと言ってもデザイン。もともとシンプルなのが好きではあるのですが、マスターキーボードでなかなかその手のデザインがなく、けれどもこの「VPC1」はまさしくそれ。ローランドの「V-Piano」も良いのですが、重すぎて部屋での移動すら大変なので、これは29.5kgと何とかなりそうではあります。
というわけで、才色兼備の「VPC1」を録音してみましたので聞いてみて下さい。音源はMODARTT社の「Pianoteq」です。
動画はパソコン内蔵のヘッドフォンアウトより出力しており、ズーム「Q3HD」に直接入力しております。なので、オーディオ・インターフェースを利用することで、正常な音質になります。
実際の感想としてはアコースティックピアノらしい弾き心地です。もちろん、小さい頃からどのメーカーのピアノで練習してきたかによって、これはアコースティックピアノらしくないという意見もあるでしょうが、木製式の独特の感覚は他メーカー(ヤマハ以外)の鍵盤とはやはり違います。ですので、逆に言えばこの鍵盤でピアノ演奏をされない方にとっては少し違うともいえるのかも知れません。
ぜひ、実際に弾いてみてご自身とのピアノの相性が合うか試してみてくださいね。
販売価格
VPC-1
¥174,900(税込)
JANコード:4962864310045
展示店
大阪 梅田ロフト
電話番号 : 06-6292-7905
島村楽器 梅田ロフト WEBサイト
※実際の展示状況はご利用店舗に必ずお電話にてご確認ください
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