DTMで音楽制作をしていると「音質を良くしたい・・」と思う方が多いと思います。そこで登場するのが「プラグイン」です。
DTMプラグインとはDAWソフトに機能を拡張するソフトウェアのことで、音源系(シンセサイザー)とエフェクターの2種類に主に分けられます。
シンセサイザーをソフトウェア化した製品はソフト音源やバーチャルインストゥルメントなどと呼ばれており、エフェクターをソフトウェア化した製品はDTMエフェクトやプラグイン・エフェクトと呼ばれています。
当サイトでは音源系を「ソフトシンセ」、エフェクター系は「プラグインソフト」(以後:プラグイン)という呼称にしていますので、プラグイン=DTMエフェクトと思っていただければと思います。
プラグイン・エフェクトとは?
まず、エフェクターですが、ギターや映像作品を制作されている方はご存知の方も多いと思いますが、意外と聞き馴染みのない言葉かもしれません。
エフェクターとは音に対して何らかの変化を与えてくれるもののことです。リアルにある装置を(ハード)エフェクターと一般的には呼ばれ、コンピューターなどのバーチャル上で動作するものをプラグインと呼びます。
「何らかの変化」と漠然としていますが、エフェクターは多種多様でありその効果によって種類が多くあります。プラグインでよく使用される一部が下記になります。
エフェクトの種類
分類 | 効果 | 種類 |
空間系 | 広がり感を付加するもの | リバーブ/ディレイ/エコー |
ダイナミクス系 | 音量・音圧に変化を加えるもの | コンプレッサー/リミッター |
フィルター系 | 音色を補正または意欲的に変化させるもの | イコライザー/フィルター |
歪み系 | 歪みを付加するもの | ファズ/オーバードライブ/ディストーション |
モジュレーション系 | 揺らぎ感、厚みなどを付加するもの | コーラス/フランジャー/フェイザー |
他にもピッチやタイミング修正などの補正ツール系、ノイズ除去などのレストレーション系、アンプやマイクなどを再現するシミュレーター系、音の情報を視覚的に表示するメーター系など、ほかにも数え切れないほど多くの種類があります。
▼ 「エフェクターの種類」 の詳細はこちら
DAWに追加するプラグイン・エフェクトとは?
主要のDAWソフトには最初からプラグインのオーディオエフェクトが付属しています。昨今の内蔵エフェクトは種類も豊富で優れた性能なのも多いですが、もっと楽曲全体のレベルを上げたいと思い始めた頃に登場するのがDAWソフトに追加できるプラグイン形式のオーディオエフェクト(以後:外部エフェクト)です。
ご使用しているDAWソフトに追加することで制作レベルをひとつ上の段階へ上げることができるのです。
外部エフェクトは、性能に優れるのはもちろんのこと、制作スピードの効率化やエフェクトの知識が少なくても簡単に仕上げる機能が搭載されているものもあるので、音質の向上以外にも有効です。しかし、上記でお伝えした通り種類が膨大なため、曲やサウンドの方向性ややりたいことを明確にしてから導入するのが大切です。
外部エフェクトを導入するには、そのプラグインがご使用のコンピューターに対応していることとDAWソフトに対応しているかを確認する必要があります。
また、DSPエフェクトプラグインというのもあるので、その外部エフェクトを使用したい方は専用のハードウェアが必要な場合もあります。
プラグイン規格とは
DAWソフトで外部エフェクトおよびソフトウェアを動かすためには各種規格に対応している必要があります。規格がスタンドアロンのみの場合は、DAWに追加することはできないのでご注意ください。規格には、VST、AudioUnits(AU)、AAX、ARAの4つが主になります。
例えば、代表的なDAWソフトである「Cubase」は、VSTおよびARAに対応しています。なのでこの規格が外部エフェクトにも対応していれば使用することができます。
ただ、現在販売されている外部エフェクトのほとんどは、VST、AU、のどちらかはほぼ対応していますが、AAX、ARAの場合は気にする必要があります。
VST | スタインバーグが開発した規格で Virtual Studio Technology の略。ソフトシンセ(VSTi)やオーディオエフェクト(VSTfx)などをDAWなどのソフトウェアに統合させることができる。Windows版およびMac版があり、世界的にもっとも普及しているプラグインインターフェース。 |
AU | Appleが開発するmacOSおよびiOSで採用されている Core Audio 技術を用いて設計される規格で Audio Unit の略。ソフトシンセやオーディオエフェクトを Mac のソフトウェアに統合させることができる。 |
AAX | アビッド・テクノロジーが開発した規格で Avid Audio Extension の略。ソフトシンセやオーディオエフェクトを「Pro Tools」「Media Composer」に統合させることができる。AAX にはAAX-NativeとAAX-DSPの2つがあり、AAX-DSPは、AVID HDXシステムが必要なため、一般的なのはAAX-Native。 |
ARA | セレモニー・ソフトウェアとプレソナスが共同開発した規格で Audio Random Access の略。プラグインプロトコルエクステンションなのでVSTなどのプラグインインターフェースを拡張するのが目的。DAWとプラグイン間でオーディオデータ情報のアクセスを可能にし、より連携がとれた作業が行える。 |
DAWソフトのプラグイン規格対応表
下記は無償版を除いた製品版最新バージョンの2024年3月時点の対応表です。
DAWソフトとプラグインが規格に対応していても、すべてのソフトウェアおよびシステムに互換性があるわけではありません。プラグインを購入前にスタッフまでご確認ください。
メーカー | 製品 | 対応プラグイン規格 |
Ableton | Live | VST 2 (※1) / VST 3 (※1) / AU |
AVID | ProTools | AAX (※1) / ARA (※1) |
Image-Line | FL Studio | VST 2 / VST 3 / AU (※1) |
MOTU | Digital Performer | VST 2 / VST 3 / AU / MAS / ARA (※1) |
PreSonus | Studio One | VST 2 (※1) / VST 3 (※1) / AU (※1) / ARA (※1) |
Steinberg | Cubase | VST 2 (※1) / VST 3 (※1) / ARA (※1) |
インターネット | ABILITY | VST 2 / VST 3 / ARA (※1) |
※ 上記はネイティブサポートしている対応表です。プラグインブリッジ経由などによる対応は含まれていません。また、64 bit のホストアプリケーションやシステムにおいて 32 bit プラグインは動作しないことを基本としています。上記の対応表において 32 bit をサポートしている規格は、32 bit のホストアプリケーションやシステムの条件になります。
※ 本ページに掲載されている情報はすべての環境での動作を保証するものではありません。
※1 : 64bitのみ
DSPプラグイン
DSPはコンピューター含めデジタル信号処理によるプロセッサーのため、広い意味で使われていますが、ここではあくまでDTM機材に関しての説明になります。
一般的なプラグインなどデジタル信号の処理はパソコンに内蔵されるCPUにて処理されますが、DSPエフェクトは、パソコンとは別の専用のプロセッサーで処理されます。なのでざっくりいえばパソコンとは異なるハードウェアで動作するエフェクトのこと。ギターのマルチエフェクターはDSPを使用したものも多いですね。
DSPプラグインは、DSPを用いてDAWで使用することを前提としたエフェクトになります。パソコンの画面で操作しながらも、実際の処理のほとんどがDSPが行っています。覚えておくべきこととしては、DSPプラグインは外部のハードウェアが必要だということです。
有名なのは、UADプラグインです。専用のハードウェアあるいはパソコンに拡張するPCIeカードを使用してプラグインを動作させます。(UADはDSP版ではないプラグインもあります。)
また、オーディオインターフェイス内に搭載したものも多くあります。DSPチップを内蔵と記載されている場合は、エフェクターなどを処理する専用チップが搭載されています。なお、DSP搭載のオーディオインターフェイスは、プラグインをあとから追加できるものと、そうではないものがあります。
DSPを用いる利点としては、パソコンの負荷軽減とレコーティングのモニターとしてエフェクト使用する場合の遅延短縮です。また、プラグインが専用ハードウェアしか搭載できないあるいは用意されていない場合もあります。
プラグインの定番9選
- バンドル: 「Mix & Master Bundle Advanced」
- バンドル: 「Horizon」
- バンドル: 「Apollo Twin X DUO Heritage Edition」
- イコライザー: 「Pro-Q3」
- コンプレッサー: 「smart:comp 2」
- リミッター: 「Ozone 11 Advanced」
- リバーブ: 「Neoverb」
- サチュレーション・ハーモニクス: 「RC-20 Retro Color」
- ノイズリダクション: 「RX 10 Standard」
iZotope Mix & Master Bundle Advanced
「Ozone 11 Advanced」「Neutron 4」「Tonal Balance Control 2」「Neoverb」「Nectar 4 Advanced」がバンドルされた製品です。互いに連携するツールを使用し、ミキシングとマスタリングのワークフローを効率化します。

OZONE11Advance(AIマスタリング)、NEUTRON4(AIミックス)、NEOVERB(AIリバーブ)、NECTAR4 Plus(AIボーカル処理)、Tonal Balance Control2(OZONEとNEUTRONの橋渡しツール)からなるバンドル。
いずれもAIによるAssistant機能によってミックスやマスタリング作業を大幅に時短(下ごしらえ)してくれる超特大大ヒットバンドル。
手っ取り早く最低限の「整った状態」にしてくれます。ちょっと良いヘッドホンやちょっと良いモニタースピーカーを買うよりもまず先に手に入れるべきと言えるかもしれません。AI系だとSONIBLEのSMARTシリーズも人気。
▼ Mix & Master Bundle Advanced
JANコード:4533940218960

Waves Horizon
手コンプを自動で行う「Vocal Rider」や、最先端のマスタリングプラグインである「L3-16」、サブハーモニックを生成する「LoAir」、音の立ち上がりを自由にデザイン可能な「Smack Attack」など、音楽制作に人気のプラグインを詰め込んだ製品です。

長年プラグイン界のTOPに君臨してきたと言っても過言ではないWAVESからは計83プラグイン(現在)からなるHORIZONを。正直「これしか良いプラグインがなく全員必携」な大昔を経て、次々現れるライバル達と切磋琢磨し、ビンテージ機器の再現や、エンジニアとのコラボ作や、先進的な機能をもったユニークな製品や簡単シリーズまで数多くラインナップする今、その幅広い魅力を簡単に説明するのは難しいです。
とりあえずすべて品質が高く、「ミックスについて調べると使用プラグインに大体WAVESが登場するので、持ってないとマネできないしスタート地点に立ってない気がする」というお客様達のリアルな声を挙げさせて頂きます。結局今もなお必携ってやつだというですかね。
HORIZONは、音圧UP定番L3や、便利なCENTER(センター成分だけ上げ下げなど)、手コンプ(オートメーション)やってくれるVOCAL(BASS) RIDER、ビンテージ機材の再現CLA76などなど沢山の定番の武器が手に入りますので、以下に挙げるプラグインを個別に揃えるよりは予算的にも魅力だと思います。
▼ Horizon | Bundles
JANコード:4533940044361

Universal Audio Apollo Twin X DUO Heritage Edition
ラックタイプの「Apollo X」譲りの高品質A/D、D/Aコンバーターが搭載されたThunderbolt 3 接続タイプのDSP搭載オーディオインターフェイスです。UAD-2プラグインがリアルタイムで動作するプロセッサーを2基内蔵。受賞歴のあるUADプラグインスイートがセットになっています。

録音スタジオで見かけるビンテージ機器たちの再現と言えばUAD-2プラグイン達が評価が高く充実しています。2022年より「SPARK」というサブスクサービスも始まり、UAD-2プラグインもどのオーディオインターフェイスでも動く様になりましたが、是非ともUAD本家Universal AudioによるオーディオインターフェイスAPOLLOと一緒に使って頂きたいところ!
APOLLOには「Realtime Analog Classics Bundle」というUADプラグインバンドルが最初から付属している他、何といっても魅力は「UNISON」機能!ただ単にエフェクトでそれ(ビンテージ)風にする他メーカーの製品とは異なり、APOLLOのマイクプリの抵抗値などの特性をデジタル(UAD)で制御し可変させることによって数々のビンテージ機器に「化けてくれる」という、UAD-2を単体で使うよりもAPOLLOと組み合わせた時の魅力度が大幅にUPする機能です。つまりボーカルはNEVE、ギターはSSLのマイクプリで録音するなんてことがかなりの再現度で可能です。とっても経済的と言えるのでは?
ちなみにFENDERやMARSHALLなどなど数多くのギターアンプメーカー公認のアンプシミュレータープラグインも遅延なしで使えるのも魅力です。
▼ Apollo Twin X DUO Heritage Edition
JANコード:4530027171859

FabFilter Pro-Q3
要求の厳しいトップミキシング・エンジニアの要求に応えるように設計されたハイエンドなマスタリング・グレードのEQプラグインです。ダイナミックEQモードやDolby Atmos 7.1.2まで対応したサラウンドサポート、Mid/Sideプロセッシング、Auto Gainなどの先進機能を駆使することが可能です。

一番使うプラグインといえばEQになるのでしょうが、それ故に人気商品は多数あります。この記事のせいで選ばなくてはいけない私も困ってます。しかしその中でずっと使えるものといったらということで選んだのはこちら「PRO-Q3」。理由はなんと「使いやすい」から!(曖昧!!)
この限られたスペースで伝わる気が私もしてませんが、多機能なのに使いやすくて簡単で視認性も良く何より音が良いのです。周波数やら鍵盤やらの上でマウスでEQポイント決めたら、簡単にEQポイントだけ再生出来たり、複数のトラックに使っていればマスキング(被ってる)している周波数が視覚化されたり、LRはもちろんM/S処理出来たり、ダイナミックEQモードになったり、位相歪が少ないNaturalPhaseモードってのがあったり、EQマッチ機能で狙った素材に音質を近づけられたり。。とにかく思いつく限りのことは出来るし、最初に書いた通り、それらがとっても使いやすい操作性で実現してるってのがベストセラーたる由縁かと思います。
EQは他にも、リアルタイムEQでマスキングに対処して明瞭感UPな「GULLFOSS」。オートGAIN機能で音量に騙されずざっくりEQするPRODUCE~より詳細なTWEAK~トラック間のかぶりを見ながら使えるMIXと、EQ及び操作性を3段階に分けたというナイスアイデアな「Claro」。音の立ち上がり部分と持続音部分ってそういやEQ処理別々にしたかったかもに応える「SplitEQ」、元祖M/S処理EQ定番「Digital V3」、最新作でバストラックの連携にも対応したAI EQである「SMART:EQ4」などなどキリがありません。しかもいわゆる音に個性を与えるキャラクターEQ(歴史的名機再現系)はさらに沢山あります(そういうのは上記UADやWAVESにお任せを)。。
なんというかEQを買うと、ミックスを頑張れる気になれたり、ボツにしてた曲が生き返るかも知れない前向きな気持ちに少しだけなれるのが一番良い点かなと思ったりもします。沢山良いEQはありますが沢山お買い求め下さい!
▼ Pro-Q3
JANコード:4534217623302

sonible smart:comp 2
AIを用いた高精度な分析で革新的なコンプレッションを可能にするプラグインです。2,000バンドを超えるスペクトル処理と精密なダッキング機能により、サウンドの質感を保ちつつダイナミクスのバランスを整えます。

コンプは選べません。無理です。ギブアップ。
「コンプとは大きい音を潰し(コンプレッション)て、その分持ち上げて、音圧を出す道具です。」って簡単に言いますが、マスターに使うのか、単体楽器に使うのか、単体はボーカルなのか何なのか、音圧を出すのか、目立たせるのか、馴染ませるのか、くっつけるのか、アタック出すのか潰すのかなどなどいろいろな用途があって、真空管やら光やらダイオードブリッジやらFETやらVCAやらコンプ自体に種類が沢山あって使い分けているのだから一つに選べるはずなどないのです。
と言うのはフリでして、選んだのは「SMART:COMP2」。理由は先に書いた様にコンプってどうやら面倒だから、まずはもうAIに任せてしまおうというご提案でした。(※なので上記iZotope MIX & MASTER BUNDLE ADVANCED収録のNEUTRON4で全然良かったですが何となくバリエーション出したくこちらを選びました。)コンプに関する相談を何度受けたことかわかりません。お力になりたいと誠実に対応して参りましたが、田舎の楽器屋のおっさん店員の技術講釈と、黙って一瞬でやってくれるAIプラグインのどちらに即効性があるかはChatGPTに聞くまでもないかと思います。
「SMART:COMP2」は単体でもバスでも最適な設定でコンプレッションをしてくれるのはもちろんのこと!「Style」で透明なコンプ(Clean)からタイトでパンチ―なコンプ(Dirty)までコンプのキャラクターを調整出来たり、はたまた「Color」でダークな質感から明るい質感まで調整出来ます。つまり小難しい設定はAIに丸投げし、雰囲気だけ好みに調整すれば良いわけです。※ちなみにNEUTRONも4が出た際、コンプのモードに従来の「Modern」「Vintage」に加えて「Punch」が追加されました。
とはいえ、いろんな事が出来る深さがあるが故に、AIの判断に満足しない確率も高いかと思います。そしたらまた例によってFabfilter「PRO-C2」やら、ハード機材再現系が沢山待ち受けておりますので最寄りの島村楽器でご相談を。
▼ smart:comp 2
JANコード:4511820123030

iZotope Ozone 11 Advanced
コンプレッサーやリミッター、イコライザーやマキシマイザーなどのマスタリング工程で必要なツールを搭載し、ミックスのサウンドを最終的なマスター品質まで仕上げるツールです。ClarityモジュールやStem Focusなど強力な機能がAdvanceには搭載されています。

主にマスターに使って最終的な音圧を調整するリミッターは上記「MIX & MASTER BUNDLE ADVANCED」にも収録されているこちらを。
ただのリミッター(RATIOが∞のコンプ)とは全く違うのですが、先述の通りこちらAIマスタリング。マスターに挿して「Master Assistant」のタブを押して曲を再生すると分析開始。終わったらターゲットで近いジャンルを選べばいろいろ自動で調整されるので、「Maximizer」やら「Dynamics」やら「Exciter」やら17個あるモジュールそれぞれを好みに調整する流れです。簡単。マルチバンドは位相がどうのこうの気にしなくて大丈夫。しかもこちら「Clarityモジュール(OZONE11のAdvanceのみに収録)」でミックスの抜けの悪さを調整出来たり、「Master Rebalanceモジュール」でボーカルだけボリュームを上げたり、従来のマスタリングでは考えられない便利機能が多数。是非上記バンドルをお求めください。
他、OZONEも対応してるけど、デジタルリミッターの欠点(?)サンプル間のピーク漏れによる歪みを防ぐトゥルーピークモードのリミッターと言えば「Brainworx TRUE PEAK」(くセなくて良い)、AIリミッター「SMART:LIMIT」、昔ながらのバキバキな音圧感がうれしいWAVES Lシリーズなども今なお人気。
▼ Ozone 11 Advanced
JANコード:4533940218908

iZotope Neoverb
Lexiconの名機の開発者が生み出したExponential Audioのリバーブ・アルゴリズムとiZotopeの技術を融合させたリバーブプラグインです。Reverb Assistant機能を通じて数クリックで土台となる空間設定を作り出し、ブレンドパッドで最適な調整ができます。

リバーブも方式がいろいろあるので良いのが沢山あります。スプリングやプレートやら古典的なアナログリバーブ再現系や、LEXICONやBricastiなどデジタル名機再現系やら、反響データから場所を再現するサンプリングリバーブやら。但し最初のオススメはといったらこれまた上記「MIX & MASTER BUNDLE ADVANCED」に収録のこちらを。
スタジオ定番リバーブLEXICONの開発者が関わっていたり、プレートなどいろいろなリバーブ方式が選べたりと言ったクオリティが高いことはもちろんのこと、何よりこちらのリバーブは、キャラクターと広さと明るさを選ぶことでAIが最適なリバーブを生成してくれることに加え、「Auto Cut」や「Unmask」といったEQ機能が、リバーブを使用した際に起こりがちな「低音などの膨らみ~もこもこしてしまう」を避けてくれるのが素敵すぎです。良いリバーブを手に入れても、リバーブをかけた後の対処を誤れば意味ないですもんね。
▼ Neoverb
JANコード:4533940127224

XLN Audio RC-20 Retro Color
デジタルオーディオにアナログ機器の温もりあるサウンドを再現するプラグインです。テープヒスやワウ・フラッター、サチュレーションの付加やローファイサウンドまで、6つのエフェクト・モジュールを組み合わせ音楽的な質感を表現できます。

最近若い後輩スタッフに「さっきから言ってるそのアナログ感って何なんすか?」と聞かれ、世代格差を感じつつ「男のロマン!」と答え、めんどくさそうな顔をされてしまいました。
無理して真空管のアウトボードやらオープンリールのテープレコーダーやら、ハード機材を蒐集する理由が、デジタル機材にはない、アナログ機器ならではのノンリニアな変化や複雑な倍音や音の密度だったりし、それらは語彙力0な自分にとって「男(女)のロマン」としか言いようがなかったわけでありますが、そんなアナログ機器の「マジック」すらもデジタル・プラグインである程度再現できてしまう今日この頃。しかもお値段ざっくり10分の1から下手したら100分の1以下。全然古臭い音になるとかそういう話じゃないけどどうやらもう伝わらないみたいなのでとにかく是非体感して頂きたいのですアナログ感。
というわけで「RC-20」を選んだ理由の一つがメーカーサイトが体験版を配ってるからだったりしますが、音も本当に素晴らしいです。とても分かりやすいレイアウトでアナログならではのノイズやサチュレーション(歪み)、テープならではのピッチの微妙な揺らぎなどを追加出来ます。IN THE BOXとでも言うんでしょうか。PCの内部だけでミックスをしていると、どうしても奥行きが感じられない様な気がしてしまうのですが、そんな時アウトボードよりもずっと手頃な価格の「RC-20」をまずお試し下さい。
ちなみに通すだけで存在感が出る系プラグインは多数ありますが、PluginAlliance CONSOLEシリーズ、「Noveltech Character」、WAVES 「Vitamin Sonic Enhancer」(上記HORIZON収録)、WAVES「Aphex Vintage Aural Exciter」、WAVES「Kramer Master Tape」(テープ)、SOUNDTOYS DECAPITATOR(サチュレーション)、u-he「SATIN」(テープ) 、OVERLOUD「DOPAMINE」(テープ)、SCULPTURE(真空管)などなど人気です。
持っておくと音に存在感や奥行きが出せると思いますので是非お試しを。で、気に入ったらアウトボード沼へも是非。
▼ RC-20 Retro Color
JANコード:4580101325883

iZotope RX 10 Standard
優れたノイズ除去機能とクリアな音声の仕上がりが特徴の音声編集ソフトウェアです。ポッドキャストの編集や動画コンテンツの編集、バンドのレコーディングの制作でも、録音した音源の魅力を最大限に引き出します。

上記おススメプラグインバンドルのiZotope編では「MIX & MASTER BUNDLE ADVANCED」を挙げましたが、録音する方なら絶対に「Music Production Suiteバンドル」(以下MPS)がオススメです。理由はMPSならさらにRX10Standardも収録されているから。
ノイズ除去の定番ソフトとして世界中のクリエイターを救い続けてきたまさに必携の製品。要は(ほぼほぼ)どんなノイズでも綺麗さっぱり消してくれるプラグインです。
”最高のギターソロを録音していたら「ごはん!」と言いながら母親が部屋に入ってきた”だとか、”「今日Adoより声出てるかも」ってくらい気持ちよくボーカル録音してたら犬が吠えたりだとか。そんなときの「ごはん!」の声や犬の鳴き声だけを綺麗さっぱり消せて、楽器や歌声には影響をほぼ与えないという不思議。もちろんそうしたマイク録りの分かりやすい異音だけでなく部屋の反響や、アナログ機器ならではのヒスノイズ(サーってやつ)や、電源由来のハムノイズ(ブーンてやつ)も取り除くことが出来るので、録音のクオリティUPに絶対持っておくべき超定番です。当然の様にプロがこぞって使ってるのに、録音スタジオより環境が悪いはずの我々宅録家が使う必要がないなんてことは。。まぁあり得ないですよね?
ちなみにボーカル録音に特化したところでいうと、WAVESの「Clarity vx」は簡単・低価格でノイズだらけの音源からでもボーカルのみを取り出せます。部屋の反響が気になる場合は同シリーズ「Clarity Vx DeReverb」が残響・反響音だけを綺麗さっぱり消してくれるので、一気にクオリティが上がります。宅録感の正体はお部屋の変な反響音だったりしますので、一度メーカーによるYoutube動画でその効果をご確認下さい。
▼ RX 10 Standard
JANコード:4533940150130

まとめ
単体で販売されているプラグインエフェクトは、クオリティの高さ以外にも簡単に使える工夫がされてたり、より深く編集や修正することができたりするので、更にレベルの高い作品を志す方に適しています。
また、プラグインによっては、楽器ごとや仕上げたい音に予め調整されたプリセットが多く付属してることもあり、上級者だけというわけでもありません。
今回、ご紹介したプラグインはあくまで定番という形で厳選した製品です。こちら以外にもほんとに多くの製品があるため、上記でお伝えしている通り、楽曲やサウンドの方向性、普段DAWソフトを使って物足りないこと、楽曲を作り上げるためにしたいことを決めて導入するのが良いかと思います。
その上で、用途やジャンルによってはもっとおすすめな製品をご紹介することもできるのでぜひ一度スタッフまでご相談ください。
もくじ