ハイレゾ音源の普及の中、近年、同時に人気の高まっているアナログレコード。その勢いはアメリカやヨーロッパだけでなく日本にも及んでいます。今年のWinter NAMM show 2016 ではその影響からか例年にもましてターンテーブルの登場が目立ちました。
それでは、デジランド取材班が気になったDJ&ターンテーブル製品群をここで振り返ってみましょう。
※ドル表示価格は米国内での参考価格です。
Pioneer DJ (パイオニアDJ)
まずはDJ機器のトップシェアを誇るPioneer DJブース。
NAMM直前に発表されたフラッグシップモデルのDJプレイヤー「CDJ-2000NXS2」と4chデジタルDJミキサー「DJM-900NXS2」はもちろん展示。
「DJM-900NXS2」はDJM-900NXSの後継機種で音質部分を重点にブラッシュアップ、「CDJ-2000NXS2」はCDJ-2000nexus(CDJ-2000NXS)の後継機種にあたる製品でハイレゾ音源を対応させたモデルです。どちらも、音質面がかなり強化していて、今まで音量/音圧感がメインであったDJサウンドですが、クラブハウスに来店された方を心地よく長時間踊れるようなサウンド設計になっています。
ただし、CDJ-2000nexus ではDJコントロール・ソフトがSeratoDJやTRAKTOR SCRATCH 2に対応しているのですが「CDJ-2000NXS2」はrekordbox DJのみ。これが現DJユーザーにどう映るのか気になるところです。
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てっきり新製品の発表はないかと思ったのですが‥ありました!(公式にはまだ発表されていません。)
その目玉の製品がこちら。「CDJ-TOUR1」「DJM-TOUR1」。
こちらは名前の通り、個人用というよりはクラブ常設用。基本設計は「CDJ-2000NXS2」と「DJM-900NXS2」と同じですが、ProLinkの強化やWord Clock端子、2つ目のヘッドホンのCUEなどが追加されています。大きく違うのは液晶部分。
一見、展示用としてタブレットが備えられているようにも見えますが、こちらは本体の液晶です。
こちらはプロトタイプな為、仕様が変わる可能性もありますし、発売も未定で値段も当然わからないとのこと。ただ、画期的な変更になるから値段も…ねぇ?(予想つくだろ?)みたいに言われました。
パイオニアのDJソフト「REKORDBOX DJ」専用DJコントローラー「DDJ-RX」や「DDJ-RZ」、アナログ・ターンテーブル「PLX-1000」も展示。
よく見ると、それぞれDJ展示ブースに見慣れないスピーカーが。
それがこちら、スタジオモニタースピーカー「BUILTシリーズ」。
国内で発売している「S-DJシリーズ」と同じスペックでカラーが異なるタイプとのこと。今のところ国内の発売予定はないそうです。
ブースを歩いているとDJの神様 DJ Qbert 氏の姿も。
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そして、こちら‥TIEファイター。
DENON DJ (デノンDJ)
昨年SERATO DJ用のDVS インターフェイスが登場しましたが、今回はなんとアナログ・ターンテーブルを発表。
特徴はなんといってもプラッターが光ること。レコードプレイヤーとしても映えるデザインです。価格は$699 USDとのこと。
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DENON DJ MCX8000 は、DJプレイヤーとDJミキサーを一体型にしたオールインワンDJシステムであり、DJコントローラーでもある画期的なハイブリッドモデル。Serato DJで使うこともできますし、単体でUSBデバイスの楽曲を再生することができます。
パソコンを持ち運ばなくても、大型の液晶が用意されているので同じような操作感ですることができます。また、エフェクターや曲中の好きな箇所に一瞬で飛ぶニードル機能など便利な機能も搭載しています。
価格は$1299 USD。
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AKAI (アカイ)
AKAI からはとてもオシャレなワイヤレス・ターンテーブル2機種が発表。音楽鑑賞用のレコードプレイヤーです。
こちらは、上位機種「AKAI BT500」
こちらは、「AKAI BT100」
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Numark (ニュマーク/ヌマーク)
Numarkからは、デュアルCD/MP3プレイヤー「CDMIX USB」が発表。
3バンドEQ付きの2chミキサーを搭載。スクラッチも上部のジョグホイールでできますが基本はミックスや2chのCDプレイヤーとして便利ですね。
名前からしてユニークな製品だと分かります。
DJコントローラー「PARTY MIX」。
エフェクトやループ、サンプラーをコントロールするパッド、簡単にミックスできるシンクボタン‥といたってシンプルな構成。どこが”パーティー”かと言うと、このDJコントローラー、実は光ります。
写真だと見えにくいのですが、リア部分にライトドームを搭載しイルミネーションが点灯。パーティーに持って来いの製品であり、いつもの部屋をライトショーのように明るく照らします。
DJ-Tech
DJ-Techからは、クロスフェーダーにmini innoFADERを搭載したスクラッチ用2チャンネルDJミキサー「DIF-M2」が発表されてました。
DVSモードがあり切り替えることが可能で、MIDIマッピング用のボタン&ツマミでさまざまな機能をアサインしてコントロールできる優れもの。この機能があるのは高いミキサーが多いので価格が気になるところ。。分かり次第お伝えします。
もう一つ便利な製品がDJ-Techから登場。MIDIコントローラー「DJD-1X」。
ターンテーブルのEP用のアダプターに設置してホットキューなどを操作可能。この手の製品はNovationのDicerしかありませんでしたが、もうちょっとコントロールしたい機能がある時、こちらは便利そうです。
その他、エフェクト内蔵のスクラッチ用4チャンネルDJミキサー「DIF-4S」や、ミックスCD制作するときに便利なポータブルMP3レコーダー「DJ REC」、アナログ・ターンテーブル「LF-12」などが展示されております。
gemini (ジェミナイ)
geminiからはさきほどのDENON DJ MCX8000同様、スタンドアロンDJコントローラー「SDJ-2000」が発表。
こちらも付属のライブラリ管理ソフト「VCase」からUSBデバイスに保存した楽曲を本体のみで再生できるほか、MIDIコントローラーとしても機能します。‥それにしても、Pioneer DJ XDJ-RXに似てますね。
その他、CD/USBデバイスDJプレイヤー「MDJ-1000」や、4chDJコントローラー「G4V」などが展示。
Mixars (ミキサーズ)
今年に設立したイタリアの新しいDJギアのブランド Mixars からは、DJミキサーを中心にいくつか発表されました。
その中でも話題だったのがSerato DJ + DVS対応DJミキサー「DUO」。
2チャンネルのバトル系ミキサーで、クロスフェーダーにはスクラッチに最適なMini-Innofader採用。カーブとカットインの調整が可能で、縦フェーダーもカーブ調整をすることができます。
4×4のRGBバックライト付きパッドはCUEポイントとSP-6サンプラー用で、そのCUEとサンプラー切替も瞬時にすることができます。また、背面にはUSBポートを2つ装備しているので他のMIDIコントローラーを接続するのに便利です。
スクラッチ用のアナログ・ターンテーブル「LTA」も登場。
4.5KGモーターの高トルク仕様で、ピッチコントロールは±6%/±16%/±50%で可変可能です。
こちらはバトルミキサー「CUT」。
「DUO」と同じくInnofaderを採用しています。
Rane (レイン)
Rane からは高性能なロータリDJミキサー「MP2014」が発表されておりました。
「MP2015」の弟機にあたる製品で2チャンネルのポータブル設計にしたモデル。オーディオ性能的には同じとのこと。
その他、人気の「Sixty-Two」や「Sixty-Four」、「TTM56S」などが展示。
Reloop (リループ)
Reloop からはiPadやAndroidなどのタブレットでDJするのに便利なDJミックス・コントローラー「MIXTOUR」が展示されております。
パネルのレイアウトからタブレットに最適化しているのがわかります。iPadで使えるモバイルタイプの(プラッターなしタイプ)コントローラーは「TRAKTOR KONTROL Z1」や「iRig MIX」などがありますが、これらはシンプルなミキサーでしたが、「MIXTOUR」はCUEやシンク、オートループなどが本体で操作できるようになっています。
エンコーダーで曲の選択が行えたり、トラックをロードする前に曲を確認できるプレビュー機能なども便利。また、面白い機能としてフィルターとエフェクトを組み合わせてコントロールする「Macro-FX」モードというのがあります。価格は$199とのこと。
というわけで、NAMMショウ2016のDJ&ターンテーブル編でしたが、アナログの話題の高さからか例年以上に人の集まりも多かったのが印象的でした。製品の詳しい内容や発売などの情報は国内の情報が入り次第、お伝えしたいと思います。