【レビュー】Cubase7でボーカル・ピッチ補正機能を試す。

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こんにちはサカウエです。最近はDAWの「ピッチ補正プラグイン」を使用して、ボーカルの音程を修正するというのはもう当たり前になっているようですね。

今回はCubase7のボーカル補正機能「pitch correct」を使い、一風変わったボコーダー風のサウンドを作ってみました。

「ピッチ補正プラグイン」とは

そもそも「ピッチ補正プラグイン」というのは、音程の不安定な歌声や楽器のトーンをデジタル信号処理することによって、機械的に補正するものです。代表格は、やはりなんといっても「Auto-Tune(オートチューン)」ですね。

本来は「少し音程が外れた箇所を目立たないくらいに修正しましょう」・・・という目的だったのですが、古くは1998年のシェールの「Believe」、2000年あたりからはダフト・パンク、T-Painといったアーティストが、音程を極端に補正したいわゆる「ケロケロボイス」を多用し今に至っているわけですね。

現在ではAuto-Tune以外でも、Celemony社のMelodyne、ヤマハのPitch Fix、等々、様々なプラグインが存在しますが、SteinbergのVariAudioのように「ピッチ補正機能」は多くのDAWの機能の一部にもなっています。

ただし中田ヤスタカ氏いわく「オートでかけてるヤツには、AutoTuneをナメるなと言いたいですね(笑)」・・ということで、単純にケロケロやっても面白くありません。

ということでMIDIデータと組み合わせて「ボコーダー」風のボーカルトラック・メイキングにチャレンジしてみました。

「HALion 5」を使ってオケづくり

今回はビートルズの「Let it Be」をAOR(古)アレンジで打ち込んでみることにします。まずはカラオケ作成。

screenshot_140音源はSteinbergのソフトサンプラー「HALion 5」のみを使って制作。

「HALion 5」は、Steinberg が誇る最先端のサンプリングテクノロジーと強力なシンセシスエンジンが高度に融合したプラグイン・インストゥルメント。いい音してますねコレ。

【関連記事】

Steinberg ソフトサンプラー「HALion 5」を発表!

ドラム、ベース、エレピ(DX-7風)のリズム対でベーシックトラックを作成。なんだか平井堅さんの「Ring」風になってしまいましたが。

ボーカル録音

今回歌ってもらったのは友人ヴォーカリストの「おおたわこうじ」さん。

「ピッチ補正がテーマなのであまり上手に歌わないでください」・・というたいへん失礼かつ無茶なリクエストに応じてくださいました。どうもありがとうございました~

出来上がった仮オケをオーディオ・エクスポートし、メールでおおたわさんにメールで送信。

screenshot_147おおたわさんのご自宅でボーカル録音していただき、録音したボーカルのオーディオ・ファイルをまたもメールでお送りいただきました・・・・便利な世の中ですが、今後はファイス・トゥー・フェイスのコミュニケーションも大事にしたいと思います・・

頂いたボーカル・ファイルをオケデータに貼り付けます。

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これで素材は揃いましたので、ボーカル補正作業に入ります。

ピッチ補正

ボーカル・トラックのインサーションに「Pitch Correct」を挿入します(イコライザ、コンプ、ディレイもかけています)

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Correctionの" speed "を最大100まで上げると、これがいわゆる「オート状態」ですね。

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スケールソースを「インターナル」、「メジャー」「C」にすると、Cメジャー・スケール(ドレミファソラシド)に強制的に補正されます。

この状態ではブルーノートとか微妙な「しゃくりあげ」「こぶし」といった人間的な要素は、情け容赦なく矯正されてしまうのです・・・まあこれはこれで面白いかもしれませんが・・・楽すぎて芸がないですね。

MIDIデータで音程とタイミングを変える

今回はMIDIトラックに主旋メロディーを入力し、そのノートデータでボーカルの発音タイミング、音程をコントロールしてみました。screenshot_133Pich Correctのスケールソースを「Extarnal MIDI Note」,メロディーMIDIのトラックの出力を「Pitch Correct-MIDI In 」に設定。たったこれだけ。screenshot_136

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メロディーMIDIデータは随所に速弾きフレーズを入力しました。これで生身のボーカルでは「再現不可能」なボコーダー的フレーズが表現出来ます。

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最終ミックス

最終的にはストリングス・パート等を加えたアレンジにしてみましたが、「HALion 5」の全パートを一旦オーディオ・トラックに変換しミキシングを行いました。(素材は一旦すべてをオーディオ・データにしてからミキシングするほうがPCの付加も抑えられ快適です)

それでは制作の全過程ダイジェスト動画をご覧ください。

というわけで、今回はあえて「Pitch Correct」機能を使ってみましたが、Cubase7にはほかにも「VariAudio」機能というものがあります。

04_VariAudio2_01_VariAudio

コレを使用するとボーカル等のオーディオデータのタイミング、音程、音質を切り刻み、自由自在に編集することができますのでぜひ一度お試しいただきたいと思います。

最近のデジタル技術の進歩には驚かされますね。

それでは〜

おまけ:

個人的にはこれくらいの「ケロケロ度」がちょうどいい感じがします

Cher - Believe


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  • 南大沢2013/08/06 14:51:57 担当:横山

    南大沢店ではCubaseを実際に操作することが出来ますのでお気軽にご来店下さいませ。

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