【管楽器メンテナンス塾】#2ワインとフルートの共通点?!

皆さん、こんにちは。
おにぎり大好き管楽器技術スタッフ・神戸(ごうど)です。
管楽器メンテナンス塾は、管楽器のちょっとしたお手入れや豆知識などの紹介を通じて、
知らず知らずのうちに知識を増やせる、そんなブログです。
第2回はワインとフルートの意外な共通点について。
なんとなく、どちらも素敵な奥様やおじ様が嗜むイメージ。
フルートとワインの似合う大人、憧れちゃいますね!
フルートの頭部管のなかには…
さて、まずはこちらの写真をご覧ください。

フルートの頭部管ですね。頭部管と一緒に並んでいる茶色の物、これはコルクです。
このコルクが頭部管の中に入っていることはご存知でしょうか?
(初耳でも大丈夫です!)

このコルクはワインの栓をしているコルクと同じ天然の木です。
ワインと同じようにギュッと頭部管に押し込め、ネジで固定しています。
(やっとワインが出てきましたね!)
このコルクには重要な役目があります。
頭部管から入り込んだ息は、まず最初に「反射盤」に当たって楽器本体に流れていきます。
↓のような感じで頭部管の中に入っています。

この反射盤の位置を決めているのがコルクで、正しい音程や吹き心地を安定させる役目があります。
コルクが緩むと…
押し込められたコルク、そしてネジはそのまま時間が経つ緩むことがあります。
コルクが痩せたり、ネジが振動で緩んだりすることで、
コルクの位置が変わってしまったり今までは無かった隙間が生まれます。
そうなると、コルクと一緒に反射盤の位置も変わり、楽器そのものの音程にずれが生じます。
また、無駄な隙間から振動が逃げて、音の安定感や芯がなくなってしまうことも。

ワインも栓がしっかり入っていないと、劣化していき風味が落ちてしまいます。
そうなってしまったら、せっかくの美味しいワインも魅力が半減ですね。
フルートも同じで、音程の不安定な状態で練習すると余計な労力を要します。
まとめ
フルートのコルクはワインと同じ!
緩むこと音質・音程が悪くなるので、緩んでしまったら交換しましょう!
頭部管のコルクの位置を確認しよう
最後に、そんな重要なコルクの位置確認の方法をお教えします。
準備する物

- お使いの楽器の頭部管
- お掃除棒(頭部管と同じメーカーのもの)
余談ですが、ナゼわざわざ頭部管と同じメーカーと書いたのか…。
それは、実は少~しメーカーごとに反射盤の位置(コルクの大きさ)が異なる為。
共通のメーカーもありますので、不安な時は私までご相談ください。
確認方法
1. お掃除棒のガーゼを入れる穴がある側の、反対側を頭部管の中に入れます

2.お掃除棒に刻まれた溝が、頭部管の息を入れる穴の中心にあるか見ます
お掃除棒の赤い矢印の部分が溝です

位置があっている場合
穴の中心に溝が見えますね

位置がずれている場合
中心から溝の位置がずれてしまっています

以上です!
位置がずれてしまっていたら、店頭・またはお電話でスタッフまでご連絡ください。
頭部管のコルク(ヘッドコルク)の交換は通常10分程で完了します。
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「神戸」と書いて「ゴウド」と読みます。バスクラ吹きです!中低音楽器の修理が集まりやすい特殊体質(?)。今日も笑顔で修理しています!