第6回「金管マウスピースの変色 輝きを取り戻すには?」

過去に島村楽器の店舗ホームページ、ブログなどに掲載されたリペアやメンテナンスに関する記事をご紹介します。記事中の情報はすべて掲載当時のものとなりますのでご了承ください。

こんにちは。だんだん秋らしい気候になり、涼しくなってきましたね。しかし、たまに気温が上がって季節が戻ったのかと錯覚している管楽器リペア担当です。練習に集中しすぎて水分補給を忘れていませんか?体調に気を付けて楽しく楽器を演奏しましょう♪


島村楽器 コクーンシティさいたま新都心店では管楽器全般の修理を行っています。

調整を行った後は必ず、吹奏チェックをしてからお客様に楽器をお渡ししています。(マウスピースは私物を使用し、消毒・拭き上げもしっかり行っていますのでご安心ください!)

私自身はフルート吹きですが、他の管楽器も音出しや半音階が吹けるようになりました。

それぞれの楽器のマウスピースも所持しているのですが、久しぶりに取り出したトロンボーンのマウスピースを見たら大変なことが起きていたので、ブログのネタにします。


今回の情報発信!は金管楽器のマウスピースの変色についてです。

新品の頃は銀色でピッカピカだったマウスピース。

新しいマウスピースを買うと、嬉しくて顔を映してみた方もいらっしゃるのではないでしょうか!(素直に手を挙げて(^o^)丿ハイ!)

しかし、練習をたくさんしているとだんだん茶色っぽく変色してきていませんか?

久しぶりに発掘されたマウスピースは、茶色を通り越して、黒や青光りしていることもあります・・・

練習を頑張ってきた成果と取るか、お手入れ不足と取るか・・・

こちらは某リペアマンのマウスピースです↓

もともとは銀のマウスピースでした。黒いマウスピースというわけではございません。


なぜ新品の頃の輝きが失われてしまうのか!

マウスピースだけでなく、フルートやクラリネットのキイ、銀メッキのトランペット等、銀色の楽器はなぜ変色してしまうのでしょう。

理由は、【硫黄分(いおうぶん)】に銀が反応して【硫化(りゅうか)】が起こるからです。状態にもよりますが、銀の変色は錆ではないので酸化とはまたちょっと違います。

急に理系的な単語が出て参りました。管楽器リペアマンの口から出てくる言葉とは思えません。

分かりやすいように頑張って解説していきます!


まず、硫黄は聞いたことありますでしょうか?そう!温泉に入っている成分ですね。

シルバーの指輪やネックレスをつけたまま温泉に浸かって、出てみたらアクセサリーが真っ黒になってしまった!という方もいらっしゃると思います。(楽器は温泉につけないと思いますが・・・)

空気中にもわずかですが硫黄分が存在しており、人の皮脂に含まれるたんぱく質の成分中にも硫黄分があります。

ですので、楽器を使っているうちにだんだんと変色が進み、茶色く変色してしまうというわけです。

変色してしまった楽器の輝きを取り戻すのは諦めるしかないのでしょうか・・・いえいえ!磨きの作業を行えば、綺麗に蘇ります!諦めないで!


では綺麗にしていきましょう!

マウスピースの変色を落とすために磨いていきます。

使うのはこちら!

buzzのシルバークリーナーです。中に薬品が染み込んだ綿が入っており、そちらでマウスピースを擦ります。表面を削る研磨剤は入っていないので楽器にも優しいですね。(楽器の変色具合により、ポリッシュ等の研磨剤が入った薬品で磨く事もございます。)

変色がだんだん落ちてきていますね!最後に薬品を拭き取るように柔らかいクロスで乾拭きします。

ピッカピカになりました!やった~!


同じマウスピースと思えないほど綺麗になりました。楽器が綺麗になると練習もよりやる気がアップする気がしませんか?!

buzzのシルバークリーナーとクロスをご用意いただければ、皆さんのご自宅でも楽器を磨くことができます。

変色は徐々に進んでいきますので、日々のお手入れと予防が大切です!

<予防方法>

①ケースにしまう際は綺麗なクロスで乾拭きし、指紋等の汚れを落とす。マウスピースはマウスピースクリーナーを使ったり、水洗いをするとより清潔に保つことができます。

②変色防止のアイテムを使う。

Cガード

(画像はフルート用ですが、マウスピース用のポーチもございます。)

インターセプトテクノロジー


気になる方はマウスピースを持って島村楽器 コクーンシティさいたま新都心店にお越しください!

マウスピース磨き 500円(税込)~(変色の状態により変動します)
お預かり期間 リペアマン勤務日にご予約いただければ即日で作業可能です(15~30分程度、状態によりお預かり数日程)
buzzシルバークリーナー 1,210円(税込)

※表面のメッキが弱くなっている場合、磨きの作業を行うとメッキが剥がれる可能性がございます。マウスピースの状態を見て、磨き作業をしない方が良いと判断する時もありますのでご了承下さい。

※磨きをすることで、変色時に見えなかった細かなキズやへこみが目立つようになる場合がございます。

※リペアマン不在日にお預かりの場合、お渡しは後日となります。また、混雑状況によってお預かりのお時間を長めにいただく場合もございます。ご了承下さい。


最後まで読んでいただきありがとうございます!

マウスピースは音を出す為にとても大切なアイテムです。

特に口をつけるところなので、常に綺麗に保ちたいですよね。

楽器本体の調整も大切ですが、他のアイテムも気にかけてみて下さい。

次回の管楽器リペアブログもお楽しみに!

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