リペアガールの”管がえる人”Vol.30【ピストン穴と笠フェルト】

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こんにちは!

赤ちゃんがお母さんから産まれてきて最初にあげる産声が「A」つまり「ラ」の音だという雑学を聞いて神秘を感じているリペアガールです('ω')ノ

色々調べてみたところ平均してラの産声の子が多いらしいよってことしか分からず真相が闇の中に。

「ラ」という言い方だとピンときませんが、英・独の「A」和の「イ」どちらもアルファベット・いろはにほへとの頭文字。楽器にとってのラの音は特別な音!チューニングの音もAですね。(吹奏楽はB♭だけど)

そんな特別な音を産声としてあげる赤ちゃんもまた特別な存在ですね・・・神秘・・・!

真偽が分からないので全国のお母さん!是非我が子の第一声がなんの音だったかお知らせください!

さて、楽器のピッチといえば

トランペットのピストン穴の位置大丈夫?

トランペットの心臓部、それはピストン!

そのピストンには穴があいてますよね。

その穴は抜差管と繋がり音を変える大事な機構です!

2番抜差管が非常に分かりやすいので2番抜差管を抜いてみましょう。

抜差管を抜く時は???????

そう!!!ピストンを押した状態で抜くんですよ!!ということでピストンを押した状態で抜いた写真です。

そこでストップ!!!!!

ピストンにあいている穴が抜差管の穴とぴったり重なっていますね('ω')

これが正しい状態です。(見づらかったので照明としてサックス修理でおなじみのライトを照らしています(笑))

では穴位置がずれているとどうなるのでしょうか。

ずれているのが分かりますでしょうか?

穴がずれてるとどうなるのか

音程がなんだか低い、、、音抜けがなんだか悪い、、、

よく分らんけどなんか鳴りにくい、、、

などの症状が現れます。

リコーダーでいうところのハーフホール(穴を半分押さえている状態)なのでそりゃ不具合がでますわな。

なんで穴の位置がずれるの?

答えはピストンの上に

この黒いフェルトが原因です!

このフェルトを我々は【笠フェルト】と呼んでいます。

色はメーカーやモデルによって黒だったり茶だったり緑だったり。バックなんかはフェルトじゃなくてゴムですね。

この笠フェルト、楽器を使用していくともちろん摩耗して縮んでいきます。

縮んだ結果に起こることが先ほどの穴位置ズレです。

長期間パーツの交換をせず使用しているトランペットには稀に見られる症状で、もちろんフェルトを交換してバッチリにします(/・ω・)/

今回は分かりやすい2番ピストンを押した状態での穴位置確認の方法をお伝えしましたが、

1番や3番、そして押してない時の穴位置も確認できますのでお気軽にリペア相談へお持ち込みください('◇')ゞ

ちなみに!

ピストンの向きを間違えて入れると・・・

全く穴位置がちがーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーう!(´;ω;`)

音を出すまでもなく、こういう違いでも分かるんですねぇ。

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