金属でも簡単に曲がるんです

こんにちは。

今日はネック曲がりについて紹介します。
といっても人体のネック(首)ではなく、サックスのネック(吹込管)のお話です。

比べてみましょう

①正面から

ネック曲がり

同じ品番のネックが2本並んでいます。
なんだか形が違うと思いませんか?

テナーサックス 曲がり

背景のマットに沿って線を引いてみました。
左のネックが少し短いです。心なしか太って見えます。

②横から

サックスネック 曲がり比較

先程のネックを横に並べてみました。
右にいたネックが上、左のネックを下へ並べています。
カーブの仕方が変わっていますね・・・

サックスネック 曲がってる

背景のマットのマス目や赤い矢印の部分に注目してみると、分かりやすいかもしれません。
下のネックは曲がってしまったものです。

2本並べて比べると分かりやすいですが、1本だけぱっと見ただけでは判別しにくいのです。

曲がるとどうなるの?

①息の通りや音色が変化します。

「以前より息の通りが悪いな」「セッティングは変えてないのに音色に違和感がある」
「調子が悪いのかな?」と思ったら一度点検へ出す事をお勧めします。

②曲がり方によっては構えた時にマウスピースの位置や角度に違和感を感じることもあります。

「ストラップをいつもの長さで調節したのに、マウスピースの位置が低いな・・・」
なんて感じていたら実はネックが曲がっていた、といった事もありました。

どうして曲がってしまうのか

一番考えられる原因は組み立ての時に曲げてしまっている可能性です。

サックス 組立

チューニングや楽器組み立ての時、ネックを組んだ状態もしくはネック下の差込み部分を持ってマウスピースを入れていませんか?

マウスピースを入れるための力がネックを押し曲げる力として作用してしまうと、ネックは簡単に曲がってしまいます。


今日から出来る予防法をご紹介!

①マウスピース+ネック

コルクグリス 塗る

ネックコルクにコルクグリスを塗ります

テナーサックス チューニング

キイの支点となる青〇で囲まれた部分を持って、マウスピースを大体の定位置に差し込みます。
この時、キイを元の位置から動かさないように支点を持つことで、キイ曲がりを防ぐと同時にマウスピースを差し込む力をまっすぐ掛けやすくなります。

青〇より下の差し込み部分に近いキイ部分を持ってしまうと、キイが曲がってしまうので持たないように気を付けてください!

ネックの持ち方についてはこちら↓↓
サックスの低音が出ない

さらに、リガチャーを外してからマウスピースを差し込むとリガチャーの変形予防も出来ますよ!

②リガチャーを装着、リードはお尻からセッティング

サックス リード取付

マウスピースを差し込んだら、リガチャーを装着し、リードをセッティングします。
この時、リードをリガチャーで固定するお尻側から差し込むと、「リードの先端にリガチャーぶつけてお気に入りのリードがお亡くなりに・・・(泣)」
といった不慮の事故も防止できます。

③ネック+本体

サックス ネック

ネックと本体を組み立てるその前に!忘れちゃいけません、差し込み部分をクロスで拭います。

ネック側も本体内側(ソケット)の両方とも汚れやゴミを巻き込まないように拭きとります。

もし、ネックと本体の差し込み部分が固かったりガリガリとした手応えがある場合は、当店までご相談ください。

固いからといってネックと本体の差し込み部分にグリスを塗ってはいけません
グリスを塗ると、さらに汚れやほこりを吸着し、症状を悪化させてしまうおそれがあります。

テナーサックス ヤナギサワ

完成!

いざ!チューニング!

チューニングの際は手間が掛かっても、ネックと本体を取り外し、組み立て時と同じようにキイの動かない部分を持ってチューニングするように心掛けましょう!



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この記事を書いたスタッフ

川崎ルフロン店西村

福岡県出身の西村です!ヤマハのSAXを愛用しています。楽器修理を通じて、今よりもっと音を楽しんで頂けるように最善を尽くします。

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