【2月22日更新】管楽器リペアブログ 2月号

管リペアマンによる管楽器リペアの話だったりそうでなかったり・・・

2月2日

こんにちは!管楽器リペアマンの平井です。
以前管楽器リペアTweetというものをやっていましたが、Tweetと言いながらまったく呟きの範囲で終われていなかったので、今回改めて管楽器リペアブログとさせて頂きました。
日々のリペアの話や変わった修理依頼の話、季節ごとの注意点などもご紹介致します。また、修理の混雑具合なども載せていきますので、ご予約の際は参考にして頂ければと思います。
 

ヴィンテージサックス修理の話

去年はヴィンテージサックスの修理がとても多い年でした。お客様の楽器だけでなく、島村楽器が海外より買い付けてきたヴィンテージサックスの修理も毎年2本は担当しています。
ヴィンテージサックスは現在製造されている楽器とはキイの形状や機構や構造が違うので、ただ単純に調整をするだけでも勉強になることが多いのですが、持ち込まれるヴィンテージはそのほとんどがオーバーホール(全部のタンポ交換する修理)です。古い楽器が多いので金属の摩耗や腐食などもあったりします。
今回写真を載せた楽器はアメリカより買い付けたCONN社のM modelというアルトサックス修理調整完了後の写真です。
CONN/M modelCONN/M modelCONN/M modelCONN/M model

ご覧の通りキイガードが棒状になっていると思います。このタイプはヴィンテージサックスには珍しくありませんが、実はこの楽器が送られてきた際、E♭キイのキイガードはこんな状態でした…
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まさにバラバラです。
キイガードはその名の通りキイを守るための物ですので立派にその仕事を全うしたんでしょうね・・・とは言えこの状態では販売できませんので3本の中心を銀ロウでしっかり付け、管体に半田付けすればこんな感じに!
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これでしっかりキイを守れるようになりましたね。

今回はヴィンテージのキイガードでしたが、現行の楽器でもキイガードが曲がってしまってるお客様の楽器をよく目にします。キイガードはキイを守る為に付いているというのもありますが、キイの開きの大きさを決める為にも重要なパーツです。開きによって音程も変わります。
今回のようなバラバラの状態というのは本当に稀ですが、ご自身の楽器を見てキイガードが曲がってるなと思う事がありましたら、早めに修理に出してくださいね。

2月10日

こんにちは。暖かくなってきたかと思ったらまた寒くなって・・・この時期は気温も安定せず体調を崩しやすくて大変ですよね。ウチの4ヶ月になる娘も鼻風邪をひきまして、鼻吸いされるのが嫌で毎日ギャン泣きしてます。もうすぐ初節句なのでそれまでによくなってくれれば良いのですが、乳児はまともな薬が飲めないので長引くみたいですね。ガンバレ我が娘!

金属パッチ

今回も過去に行ったヴィンテージの修理のお話です。(写真を撮るという習慣がないので過去にやった珍しい修理の写真をあさってます・・・)
以前お客様の修理で預かったセルマーの名器Mark 6のアルトサックスですが、右手小指で操作するE♭キイとLowCキイのローラー横の金属部分が腐食して亀裂が入ってしまっていました。指が常に触れているところなので金属も少しずつ薄くなってしまいます。この部分はもともと金属が薄い場所なので亀裂が入ってしまったようですね。
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このような場合はハンダを流して終わりにすることもありますが、先にも触れたとおり指が常に当たる場所なので今回は真鍮の薄い板を用意しました。
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真鍮板とキイが密着しやすいように軽くキイ表面を削ります。
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真鍮板を乗せて半田付け。
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角を落とし、板分の厚みが出てしまうので薄く削っていきます。
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磨きをして完成です。
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多少のふくらみは出ますが指で触って気にならない程度まで仕上げることが出来、お客様からも大変ご満足頂きました。

このような修理は見た目や感触が変わってしまうので、事前にお客様と一緒に最善の方法をご相談させて頂いております。壊れちゃってどうにもできないだろうな・・・とは思わずまず一度ご相談ください。

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この記事を書いたスタッフ

川崎ルフロン店平井

なおった!吹きやすくなった!お客様のその笑顔を見るために日々作業しています。管楽器のことなら何でもお任せください。ヤマハシニアグレード取得

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