マイギターの健康診断!調整を依頼するべきかどうか、これで分かります。

湿度が上がるこの季節、楽器のコンディションは日々変化しています。

「最近なんとなく弾きにくい気がする」

「楽器店で調整を勧められたけど、本当に必要なの?」

そんな疑問を持ったことはありませんか?

よく「定期的なメンテナンスをしましょう」と言われますが、まず重要なのは、

自分のギターが本当に調整を必要としている状態なのか判断できることです。

今回は調整方法ではなく、

・自分のギター・ベースは調整が必要な状態なのか判断できる

・感覚ではなく数値で客観的に把握できる

ことを目標にお話しします。

そのために、私自身も愛用している便利なツールをご紹介します。


状態把握に便利なツール

今回使用するのは、HOSCO社のステップゲージです。

一見すると、穴が空いていたりギザギザしていたりする謎のカード。

これにギターやベースの状態を数値で確認するための機能が詰め込まれています。

(詳しくは先ほどのリンク先をご参照ください。)

私が特に重宝しているのはフレットの高さ測定ですが、まず手始めにこれを使って弦高を測ってみましょう。


まずは弦高を測ってみる

演奏性に大きく影響する要素は主に2つあります。

① ネックの反り

ネックの反りは、弦の両端を押さえて隙間を見る方法で確認できます。やり方は以下に詳しく書かれています。

図解でわかる!~ネック反り編~

ネックが反ると弦高が変わるため、まずはネックの状態を確認しましょう。

② 弦高

反り状態を確認出来たら、その後に弦高をチェックします。

ステップゲージを弦の下に当てると、このように測定できます。

このギターの場合、6弦12フレット位置で弦の下端が1.6mmのラインと重なっています。

つまり、

6弦12フレットの弦高は1.6mm

ということになります。


私の場合、弦高はスケールで見るのに慣れているので、スケールでも確認してみました。

1.5mmのラインほぼぴったりに弦の下端があるため、見かたによりますが1.5mm~1.6mmと判断できます。ここはあくまで誤差レベルでしょう。


この数値は高い?低い?

エレキギターの場合、

6弦12フレットで2.0mm以下

に設定されることが多いため、1.6mmは低めの数値です。

この状態でビビリや音詰まりが無いのであれば、このまま使って問題無いと判断できます。

今回測定したギターは

・ネックはほんの少し順反りの状態

・弦高1.6mmでもビビりなし

でしたので、大きな調整は不要と判断しました。

もちろん、

・ヴィンテージスタイル

・ブルース主体のセッティング

・スライドプレイ中心

などであれば、意図的に弦高を高くする場合もあります。

このように、

「もっと弾きやすくしたい」

「最近なんとなく弾きにくい」

と感じている方は、まずネックの反りと弦高を確認してみてください。

この2つは、楽器の状態を判断する上で最も重要なポイントです。


フレットも測定します

ここまではスケールでもある程度測定できます。

しかし、このツールには大きな強みがあります。

それが、

フレットの高さを数値で確認できること

です。



例えば、中古楽器の説明では、

・フレット残量7割

・フレット減りあり

・プレイヤーズコンディション

などの表現をよく見かけます。

しかし実際にはかなり主観的な表現で、触ってみないと分からないことも少なくありません。

そこで実際に測定してみます。

摩耗している部分を測定すると、

フレット高は0.9mmでした。(厳密には0.8~0.9mmの間)



一方で、ほとんど減っていない部分を測ると、

フレット高が1.0mmあります。

つまり、

使用によって約0.1mm摩耗している

ことが分かります。



数字だけ見ると小さく感じますが、見た目に分かるレベルの摩耗だと、写真を見て分かると思います。


すり合わせかリフレットかも判断できる

ここからが重要です。

フレットの高さが分かると、


すり合わせで対応できるのか

リフレットが必要なのか


をある程度判断できます。



私自身の目安では、

フレット高が0.8mmを下回るとリフレットを検討するレベル

です。



特に元々1.2~1.4mm前後ある背の高いフレットでは、その差が顕著に感じられます。

また、写真のようなヴィンテージスタイルのFenderによく見られる高さ1.0mm前後のフレットでも、0.8mmを下回ると演奏性への影響を感じることが多いです。

ちなみに70年代Gibsonで知られる「フレットレスワンダー」は、実測で約0.6〜0.7mm程度でした。

名前の通り、かなりフレットレスに近い独特の弾き心地です。

しかし、数値で表したとしても、一番大事なのは

「弾き手自身のフィーリング」

です。



フレットの高さはあくまで目安として、自身の演奏に支障があるかどうかを軸にして考え、

最終的にリペアスタッフの見解を聞くのも良いと思います。そのための私たちです!


まとめ

調整が必要かどうかは、感覚だけで判断する必要はありません。

ネックの反り

弦高

+αでフレット高さ

この3つを数値化するだけでも、楽器の状態はかなり具体的に分かります。

「なんとなく弾きにくい」

を、

「弦高が0.5mm高かった」

と具体的な表現に変えられるのが測定の強みです!


ぜひ一度、ご自身のギターやベースでも測定してみてください。

思わぬ発見があるかもしれません!

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この記事を書いたスタッフ

浅草橋ギター&リペア店平田

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