リペアマン遠藤の仙台リペアブログ~その25~ノイズ対策の巻!
みなさまこんにちは!
リペアマン遠藤です!
9月も末です!なんと来月、島村楽器仙台イービーンズ店は移転します!
今度は仙台ロフト店になります。すごい…
まだ実感ありませんがもうすぐなんです。
仙台ロフト店として開店するのは10/26(土)からとなる予定です。
もちろんリペアブースもそのまま仙台ロフトにお引越しします。
移転期間中は店が営業していないのでリペア受付は出来ません。
それでは本題です。
エレキギターやベースを弾いていてノイズ気になるな~ということないですか?
シングルコイルピックアップのストラトなんかを歪ませるとジーとかブーンみたいなあのノイズです。
いわゆるハムノイズを拾っているわけですが、シングルコイルPUの構造上の宿命的なとこもあるのでこの状態は普通です。特に異常ではありません。
それでももうちょっと減らしたいな~という方もいるでしょう。
一番良い方法はPUをノイズが乗りにくいものに交換するのが手っ取り早いです。
それでは味気ないので今載ってるPUのままでノイズを軽減する方法を考えていきましょう。
ノイズ対策ですがまず前提としてアースが取れてない、断線してる、半田不良、パーツ故障…
といった配線系のトラブルが何も無い前提で話を進めていきます。
何かノイズ激しく乗るな~という場合はノイズ対策する前にまず根本的な解決を先にしましょう…
弦やブリッジに手で触ってノイズが減るのであれば正常にアースは取れてると思ってよいです(他に壊れてる箇所が無ければ)
ノイズ対策、方法は割とあります。
・ポット・スイッチ、ジャック等各パーツを確実にアース線で繋いでアースに落とす
・PUを導電化してアースに落とす
・コントロールキャビティを導電化してアースに落とす
・ピックガード、裏パネル等コントロールザグリの蓋の部分を導電化してアースに落とす…
この導電化という作業、作業する場所によって銅箔テープ・アルミテープを用いたり導電塗料を用いたりします。
アースの箱を作ってノイズの侵入を防いでやればよいのです。
そして今回は導電塗料のパターンでいってみたいと思います。
私がよく使ってるものがコチラ、Noise Hellです。
その中のSP-D-01は導電性カーボングラファイトという物質を主成分とした導電塗料ですね。
この塗料自体がちょっとした電気抵抗となるので音の高域の部分が若干落ちる傾向があります。
これも塗る回数・厚みによって高域の落ち具合も変わってくるのでリペアマンとしてこだわりたいところです。
ちなみにラッカー塗装とポリウレタン塗装のギターでは使う導電塗料の種類が違うので気をつけましょう。
ちなみにNoise HellのSP-D-03は銅が主成分なのでカーボンよりがっつりシールド化してくれます。その分高域は落ちますが…ノイズか高域かどちらを取るかですね。
では実際に作業してみましょう。
今回はジャズベースです。こちらもシングルコイルPUです。
ノイズが気になる、けど配線上の問題は無し、しかしコントロールキャビティ内は何も塗られていませんね。
そこで今回は導電塗料を塗っていきます。
塗る時に邪魔になる配線系のパーツを外していきましょう。
外しました。
弦アースのみブリッジ外さないと取れないので今回は避けて塗ります。
真っ黒です。そしてなかなか臭いです…
自分の場合は筆で塗ることが多いです。
あとキャビティの周りははみ出さないようにマスキングテープで囲うのが一般的ですが、
前職ギター工場で毎日のように作業してたマスキングしなくても綺麗に出来るようになりました…
1回目終了です。
キャビティはコントール部だけでなくPU部も塗ります。
このベースの場合、各PUからコントロールキャビティに向かう配線穴が大きかったのでその内部にもしっかり塗ってます。これにより全てが電気的に繋がるのです。
配線穴が小さくて塗れない、キャビティが離れてる場合はアースラグというパーツを使ってそれぞれアースをしっかり取って繋げてやる必要があります。今回は全て繋がっているので割愛します。
ドライヤーで乾かしてます。時短です(笑)
2回塗りが終わりました。
このベースはここで重ね塗りを終了します。
ここがポイント、ちょっとだけ導電塗料をはみ出させてコントロールプレートと接するようにしてます。
ジャズベースのコントロールプレートは金属製ですよね?ここで電気的に繋げてやることでキャビティがアースの箱と化すわけです。
そしてこのベース、PUの高さ調整が出来ないということで見たところ調整用スポンジがへたって潰れていました…
この場合は新品に交換です!
PUを戻していきます。
配線し直していきます。
付きました~
弦を張ってセットアップ、PUの高さ、バランス調整をアンプで鳴らしながらサウンドチェック。
ばっちりノイズが軽減されています!
いかがでしたでしょうか?
ノイズ気になるけど自分ではどうすればいいのか分からないよ~
という方はぜひお気軽に相談下さい!
以上、リペアマン遠藤でした!
またお会いしましょう~
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宮城県出身。長野県でギター製造に携わった後2017年から島村楽器仙台イービーンズ店の店頭リペアマンとなり、現在の仙台ロフト店に至ります。仙台のリペアは遠藤にお任せ下さい!