皆さまこんにちは。

すっかり年の瀬ですが、いかがお過ごしでしょうか?


今回は工房でも依頼件数が常に上位にランキングされるナット、サドル交換のご紹介です。

普段は磨耗したり、割れてしまってご依頼頂くケースがほとんどですが、今回は象牙材への交換で音質向上を狙った「ポジティブリペア」になります!


私事ですが、振り返るとこの1年は象牙と共に歩んできた気がします。。。

専門業者と交渉の末取引を開始・・春には象牙を使ったリペアキャンペーンを開催・・・そしていつの間にか工房の象牙管理をやらされている・・・・(笑)

実際私が担当した分だけでも、今年ナットとサドル合わせて数十個は象牙材で製作させて頂きました。(なかなか伝わりづらいと思いますが、一般的なリペアマンの一生涯分と言っても過言ではないです。 )

たくさんのご依頼ありがとうございます!!


まずは、そんな大変お世話になった⁉︎象牙の基本情報から

象牙は硬さと柔軟性のバランスが良く、ナットやサドルに適した素材です。ちなみにTUSQは人工象牙と言われますが、加工してみるとかなり違いがある事がわかります。(TUSQの方が柔らかく粘りがある印象)

こういった素材の特性が音の違いにもあらわれてきます。もちろんそれぞれの個性なので、優劣は無いんですが、実際ナットとサドルを替えるだけでも結構変化があります。

私的に象牙は「まず響きがとても豊か。そして輪郭がハッキリし、煌びやかなんだけど、耳障りな痛さがない」という印象。高級感もあいまって、ギターのグレードが1ランクアップした感じがします。


ではここで今回の依頼品を見てみましょう。国産クラシックギターでの作業で、もとはオーソドックスな牛骨材でした。

ナット、サドルそれぞれ象牙の角材から削り出して作成していきます。

完成したものが、こちら

ナット

サドル

写真でどこまでお伝えできているか不安ですが、細い番手までやすりがけを行い、バフで光沢をだして美しく仕上げてます。象牙ユーザーの中にも最初はこの見た目に惹かれてという方も多いのではないでしょうか。


さて、はじめの方に申し上げた通り、現在ギターリペア工房ではいわゆるギターパーツメーカーでは無く、象牙の専門業者から材を仕入れております。それにはいくつか理由があるのですが、1番は安定した品質の良い素材をご提供したいから。

象牙と言うと独特の網目模様をイメージされる方も多いと思いますが、実は目が強く出ているものは素材としては粗く、グレードも低くなります。逆に目が細かくなればなるほど硬くしっかりとつまっているハイグレードな素材になります。(事実、極上に分類されるような材には目がほとんどないので、象牙だと気が付かないと思います。)

この辺りのお話は、世の中のハンコ屋さんが詳しく解説されていますので興味のある方はのぞいてみて下さい。(象牙、品質、目といったキーワードで検索するとたくさんでてきますよ)

ギタリスト感覚だと『目が良くでているもの=かっこいい=やっぱ象牙はこれでしょ』という先入観があったと思うのですが、品質で選ぶならそうじゃないってことなんです。


ただですね・・・


そうは言ってもギターにおいて目が全くわからない象牙材というのも寂しいので、島村楽器では『キメの細かい高品質ながら、ある程度目も楽しめる』そんな絶妙なバランスのこだわり材を取り揃えております。まあ、目のない最高級材を揃えるとなると、値段も大変な事になるんですが(笑)

ギター製作家がスプルースを選定するように自然界の素材にはグレードや個体差がつきもの。象牙も例外ではありません。特に象牙は高価なので、せっかく交換するなら良いものをご提供したい、その為には専門業者に数をまとめてオーダーする必要があったと言うことなんですね。(ここで先ほどご紹介した作業写真の象牙材をもう一度見て頂くと、目が粗いだ、細かいだと私が熱くお伝えしている事が分かって頂けるかと思います。皆様のイメージする象牙よりも目が細かくないですか?)


最後までお読み頂きありがとうございます。

今回、長々と語った象牙ですが、皆様ご承知の通り、既に取引には規制が掛かっており、今後もどんどん販売経路は縮小していくと思われます。(こればかりは世の中の流れなので、しょうがないんです。)

将来、恐らく楽器業界でも象牙を取り扱えなくなる日が来ると思いますので、その時後悔するなら、今の内に一度は体感してみては如何でしょうか?

尚、ご用意しているナット、サドル材は適正に入手した象牙から製造された事を証明する認定シールがついておりますので、ご安心下さい。

それでは皆様からのご依頼を心よりお待ちしております!!

今回の修理内容

  • ナット、サドル交換
  • 象牙ナット材
  • 象牙サドル材
合計金額 ¥29,900(税込)+送料

*修理費用は同じ症例でも楽器の種類や形状・仕様によって異なる場合があります。

ご不明な点はお近くの島村楽器にぜひともご相談ください。


お近くの島村楽器はこちらから、

リペアブース併設店と専門店はこちらをご参照ください。

記事中に表示価格・販売価格、在庫状況が掲載されている場合、その価格・在庫状況は記事更新時点のものとなります。
店頭での価格表記・税表記・在庫状況と異なる場合がございますので、ご注意下さい。

この記事を書いたスタッフ

ギターリペア工房本田

石川県金沢市出身 2013年中途入社。生粋のA型で、「大人なリペアマン」がモットーのギターリペア工房の真面目担当。

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