ピックアップカバー エイジド加工

今回はピックアップのエイジド加工をご紹介します。

まずはいきなり完成形をドン!!!!

ピカピカのピックアップカバーをこの様に意図的に汚したり、傷をつけたりして経年劣化を再現しています。

今回は具体的なやり方ではなく、どちらかというと考え方について語る部分が多いです。

「へぇ〜、そんなこと考えながら作ってるんだな〜」

ぐらいの感覚で、読み物として見ていただければと思います。

エイジド加工を始める前に・・・

「エイジド」という言葉自体は

・年をとった

・熟成した

など様々な意味がありますが、楽器においては

・経年劣化した

といった意味合いで使われることが多い印象です。「レリック」もほぼ同じ意味合いで使われていますね。



その経年劣化を意図的に再現するのがエイジド加工になりますが、仮に100本ギターがあれば100通りの経年劣化があるのが現実。



意図的に加工するにしても、

「ほとんど弾かれずに自然にメッキが風化した状態」

「汗迸る激しいライブを繰り返して、漢気溢れる傷だらけの状態」

のように、イメージを設定した上でエイジド加工を施すことが大事と考えています。




特に考えずに汚したり、傷つけるだけだとかっこいいエイジドにはなりません!(自戒)




ということで、まずはどんなエイジド加工にするか考えましょう。

エイジドの方向性決め

実は、カバーだけ市販されていたりします。

https://www.hosco.co.jp/parts/mrc-hbpcn-set.html


しかし、お客様の希望はより深めのエイジドを希望されており、さらにはポールピース間の距離(ピッチ)が市販品とは合わない為、一から作る事に!

さらにはベアナックルピックアップのようなデザイン性のあるカバーが好みであることも事前に把握済み。

(こちらはBurnt Chromeカラーのピックアップカバーが取り付けられています。)

余談ですが、弊社島村楽器がベアナックルピックアップの正規輸入販売店を務めています。皆さん知ってました??

https://guitarsele.com/article/news/start-to-sell-bareknuckle-pickup-as-an-official-dealer/

※記事内の価格は2018年当時の価格の為、現在は異なります。


そして!ベアナックルと言えばこの人!


見て下さい。このたくましい筋肉。


漢を感じますね。


そのため、漢を感じられるようなハードエイジドを行うことに決め、使い込みによる風化をイメージして作成することにしました。


筋肉は結果を裏切らない。教科書に出ます。憶えておきましょう。



やっと加工していきます!

実際の工程は企業秘密…というほどではありませんが笑、金属腐蝕液などのケミカルも使用して少しずつ加工を進めていきます。筋肉に任せっきりではダメです。

とにかく少しずつ…やりすぎるとすぐにメッキを通り越して地金が出てくるので、意図せず地金が露出した瞬間ダサくなります。


こちらは加工中の一枚。上の状態からものの数分で下の状態にまで出来ます。


意図した形を100%再現するのは難しいですが、ピックアップカバーの反応具合や質感を観察しつつアドリブも交えながら加工していきます。


そして出来上がりがこちら

普通にピッキングしていたらここまでの傷がつくことはないですが、ここは演出ポイント。

ギターもハードエイジドとなると「どう弾いたらそんな傷だらけになるの!?」とツッコミたくなるものも多々ありますが笑、それはある意味、意図的に作り上げるからこそ生まれるカッコよさだと思います。

市販品と違って、好きにデザインできるところが楽しいですね!




なんとなくピックアップカバーからハードなサウンドが聴こえてきませんか???

聴こえますよ・・・ね・・・??

取り付けましょう!

まずはBEFORE画像から。この通りピッカピカの状態です。

それがこの通り!

光の当たり具合で表情が変わるのも我ながら好みです。



なかなか珍しい依頼ではありますが、ピックアップ以外にもボディのエイジドも行えますのでご検討の方は是非ご相談ください!

https://info.shimamura.co.jp/repair/guitar/g-casestudy/10402/


今回の修理内容

  • ピックアップカバーのエイジド加工(取り付け込み)
合計金額 ¥11,000(税込)+送料

※ピックアップカバーのパーツ代・弦代は別

※修理費用は同じ症例でも楽器の種類や形状・仕様によって異なる場合があります。

ご不明な点はお近くの島村楽器にぜひともご相談ください。


お近くの島村楽器はこちらから、

リペアブース併設店と専門店はこちらをご参照ください。



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この記事を書いたスタッフ

浅草橋ギター&リペア店平田

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