ルシアー駒木のギターよもやま話 その33「タッチアップ!!」
みなさまこんにちは!
出張先に体重計を持って行く様、
指導を受けてしまった、
ルシアー駒木です
このルシ駒ブログ、おかげさまで今回で33回目となりました。実はルシ駒、このブログ執筆初回について、最近何人かの方にツッコミを入れられてしまいました。
そのツッコミは「せっかく凄い内容の回なんだから、もう少し細かく書いて欲しい!」という内容。
というのも、実は初回記事、超難度の「タッチアップ」を紹介していたんです。まあ初回だしなあと考えたルシ駒、サラッと書いてしまったんです(笑)
皆さんその技術力に気が付いていましたか??
という事で、初回サラッと通り過ぎてしまったタッチアップについて、今回改めて御覧頂きたいと思います。
まずは懐かしの初回記事を御覧下さい。
我ながら綺麗に出来てますねえ
さて、このタッチアップ、簡単に言えば「木目を手で書いて再現する」という事になります。
ネック折れの様な木工修理を行った際に、その修理痕を隠す目的で行われることが多い技術です。
修理したという事実を「勲章」として見せたい方もいれば、その楽器の歩んだ「歴史」として自然な形で見えてよいという方もいらっしゃいます。また、どこを修理したのか全く分からないようにしたい、という方もいらっしゃる訳です。
私のタッチアップは初回ですでにお見せしていますので、折角です、わが工房の誇る自慢の技術者が仕上げたタッチアップを御覧に入れましょう。
まずは工房イチ真面目に技術と向き合う、グンジイの作業です。
木工修理の後、まずはその木材を観察します。そしてその木材中の最も薄い色で全体を塗り潰します。
これがベースの下地という事になります。
少し寄って見ましょう。
この段階では薄く見えますね。
ネック側はこんな感じ。
ここから、徐々に濃い色を入れていきます。
木材の色は、遠くから見た時には細かな色が全て混ざって単色のイメージが出来ています。しかし厳密にはかなり薄い部分とかなり濃い部分が細かく混在しています。それを再現しながら下地を仕上げていきます。
それが終わった後に、木目を入れて行きますが、目を合わせやすいところから進めていきます。まずはサイド。
境い目から攻めて行きます。この画像は、左側から10ミリ程度書き進めた状態です。
そして手書き木目を徐々に広げていき、、、
ほぼ仕上がると、こんな感じ。
木の導管も様々な太さがありますので、面相筆を中心に、竹串など、様々な道具を駆使して書き上げます。
保護のTOPコートを吹きつけながら、微妙な全体のカラーも合わせてやれば、、、
こんな感じ
どうです???
タッチアップの技術は何もこのような大きな修理にだけ使う技術ではありません。
楽器を何かの拍子にぶつけてしまい、少しだけ欠けてしまってショック!といった経験ありませんか?
タッチアップ技術を使えば、こういった問題も簡単に解決。
工房の誇るスーパーテクニシャン、シーマダの作業で御覧頂きましょう。
こんな欠けが、、、
タッチアップで ↓
ほーら
全然分かりません。
うっかり付けてしまった小さな傷が、喉に引っ掛かった魚の骨のように、ずーっと気になってしまう、そんな事ありますよね。
そんな時、タッチアップを駆使すれば、傷なんて無かったかの様にしてしまえます。
いかがでしたか??
因みに私が初回記事でお見せしたのは、アコースティックギターのTOP割れ修理をし、タッチアップで隠した時の物。
修正面積の大小・修理内容の如何を問わず、様々な場面で活躍出来る技術です。
塗装の種類やタッチアップ面積、木材種等で納期や工賃は様々ですが、
付けてしまった傷や修理痕がずっと気になっているそこのあなた!!
是非お近くの島村楽器でご相談ください。
ルシアー駒木でした
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