
思わずみんなに自慢したくなるスネア
こんにちは!熊本店の坂田です。
前回とても好評だった ダネットの紹介記事。今回はさらにダネット( Dunnett ) スネアに迫ってみたいと思います。孤高のドラム職人、ロン・ダネットが一人で作り上げる「ダネット・クラシック・ドラムズ」。そんなダネット氏の得意分野といえば、「金属加工」です。普段あまりドラムでは使用されない金属をシェルに採用しているラインナップが多いんです。今回はその中のステンレス・スチール、そしてチタンのスネアをご紹介します。
福岡のポストハードコア・バンド、PALEDUSK の Reina さんの演奏と合わせてレビューしていきたいと思います!
ダネット (Dunnett) 5514 2N Stainless Steel

販売価格:(税抜)¥109,000 ((税込み) ¥117,720)
JAN:4514812091430
最初はダネットスタンダードモデルのひとつ、ステンレススチールから。まず持ってびっくりするのはその重量感。シェルはさほど厚くないのですが、音量・音圧を出すために密度の高い素材を採用したことが分かります。8テンションでシェルの鳴りを生かした設計である点も見逃せません。
パーツ紹介

独特のスペーシーなロゴデザイン。このロゴのファンは結構います。
ロゴの下のふくらみはセンタービードと言います。ラディックの名器、LM400・LM402などに見られるスペックですが、ヒットした時の振動がここで吸収され、余分な共鳴音を抑える効果があります。

ロン・ダネット氏自らデザインしたストレーナー。スイッチの位置を180度回転させることができるため、スナッピーの向きにも柔軟に対応が可能に。

ヴェントホール(上)、バット(下)
同じくダネット氏が独自に考案/デザインした、フタ付きのヴェントホール。フタをするとややつまり気味に、穴をあけるとややオープンな響きになります。そしてバットのデザインセンスの良さも見逃せないですね。

スナッピーリボン同様、赤のアクセントが効いているナイロンワッシャー。

ここで裏ヘッドからの全体像をひとつ。

こだわりの42本のスナッピー。スネアワイヤーの存在感を出し、何よりも音量をアップさせます。

シェルがそれほど厚くないのが分かると思います。また音の反応の良さを決定づける「ベアリングエッジ」がとてもシャープなのも分かると思います。
サウンド
とにかく音量が大きいため、回りの楽器がどんなに激しいプレイをしても、埋もれにくいサウンドです。高音から低音までバランスよく出ているため、チューニングレンジが広く、ベロベロにチューニングを下げても胴鳴りしているのが分かるほど低音を聞き取ることが出来ます。
ではここで、前回も紹介したPALEDUSKのReinaさんのプレーをもう聴いてみましょう。
Dunnett 6514 2N Stainless Steel Demonstration by ReinaReina
Reinaさんがプレーしているのは深さが6.5インチです。より低音が出るスペックですが、チューニングもややローピッチで存在感があるサウンドでしたね。
ステンレス・スチールはハイピッチにすると、非常にドライで抜けの良いサウンドになります。硬さもありますが上品な高音で詰まった感じはありません。ベントホールを閉じると少しつまり気味になり、サスティーンは抑えられます。そして低音成分が増え、レスポンスもさらに速くなります。

「私が保証します」と言わんばかりの堂々としたダネット氏のサイン。この潔さがたまりません。
仕様
- シェル ステンレススチール
- サイズ 14×5.5
- テンション数 8
- フープ トリプルフランジフープ
- ストレーナー ダネット・オリジナル
- スナッピー 42本
- カラー クローム
こちらのスネアを展示しているお店
5514 2N SS (ステンレススチール) — 仙台イービーンズ店
5514 SS (ステンレススチール、センタービードなし) — 熊本パルコ店
6514 2N SS (ステンレススチール) — イオンモール札幌平岡店、梅田ロフト店
6514 SS (ステンレススチール、センタービードなし) — 札幌パルコ店、仙台イービーンズ店
ダネット ( Dunnett ) 6514TI Titanium R-Black

販売価格:(税抜)¥179,000 ((税込み) ¥193,320)
JAN:4514812092208
次はダネットの代名詞といえるチタンシェルのスネア。「強度・軽さ・耐食性・耐熱性」が高い素材のため、スペースシャトルからゴルフクラブまで幅広く使われている金属です。
そもそもなぜチタン?
実は、ダネット氏が昔乗っていた自転車が壊れ、地面に当たったチタンシャフトの音が異常によかったとか。。その音が忘れられず、何年かけてチタンスネアを設計したとか。ダネット氏にとっては運命的な出会いといえる材質です。
パーツ紹介

一筆で書きがまた潔い、ダネットの筆記体ロゴ。

同じく頑丈なストレーナー。

こちらもオリジナルのヴェントホールとバットが健在です。

シェルのカラーとマッチしたブラック・ナイロンワッシャー。

42本のスナッピー
サウンド
非常に薄いシェルから繰り出される圧巻の極太サウンドが非常に癖になるスネアドラムです。先ほどの 5514 2N Stainless Steel には音量は劣りますが、こちらの方が叩いているとスネア全体がしっかりと鳴ってくれているのを実感できます。
6.5インチと深さもありますが、全体的に音はすっきりとしていて、音がまとまりやすいです。レコーディングなどでも力を発揮できるスネアです!
ベントホールを閉じると、スティックが食い込むようなモチモチしたサウンドに変わります。全体的にはうまく中域に音がまとまったファットでオープンな音です!
ではReinaさんがプレイする6514TI-Rを聴いてみましょう。
Dunnett 6514TITAN-R Black Demonstration by ReinaReina
ステンレススチール同様、Reinaさんのチューニングはバンドサウンドに合わせて、やや低めです。こちらのスネアは少し高めにチューニングするとさらにまとまりやすくなります。

仕様
- シェル チタン
- サイズ 14×6.5
- フープ トリプルフランジフープ
- テンション数 8
- スナッピー 42本
- ストレーナー ダネット・オリジナル
- カラー マットブラック
こちらのスネアを展示しているお店
6514TI-R (ブラック) — 仙台イービーンズ店、神戸三宮店
最後に

今回は2台のスネアドラムでしたが、ダネットの本当に素晴らしいところは、ダネット独特のサウンドキャラクターを、どのラインナップのスネアも確かに残しつつ、シェルの金属に最適な厚さや加工によって、シェルマテリアルの良さを最大限に活かしている事です。ステンレスやブラスはやや厚め、チタンは薄めなど、各金属によって、厚みを変えることによってそれぞれのスネアのサウンドの方向性が明確にされていて、とても面白いです。
どのスネアにも個性が詰まっているダネット、是非一度体感してもらいたいと思います!
この記事を書いた人
熊本パルコ店 ドラム担当 坂田

吹奏楽、マーチング等のコンサートパーカッションからラテンパーカッション、ドラムセットのチューニングや奏法、ルーディメンツなど、打楽器に関する事はは全てお任せ下さい!ドラマーの皆様を全力でサポートします!
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