
カホン奏者の強い味方「カホンペダル」
当Blog人気の徹底検証シリーズ、ドラマーの気になる機材をチェックし、よりよい演奏に役立てていただくべく掲載しています。
これまでは「バスドラムペダル編」をお送りしてまいりましたが、ちょっと目先を変えて、最近にわかに注目されてきている「カホンペダル編」を二回にわたってお送りいたします。
カホンペダルとは

カホンは、南米発祥の打楽器で、上に座って演奏します。
伝統的にはフラメンコで使用されことが多かったようですが、近年では、ドラムセットに変わるリズム楽器として、アコースティックなアンサンブルで使用されることが増えてきました。
その際は両手だけでドラム的なパターンを演奏するのですが、ドラマーからしてみれば「脚」を使ってみたくなるのは当然の事です。
カカトを当てて鳴らしたり、バスドラムペダルを逆向きに置いて、カカトで踏んで鳴らす使い方をしていた方もいましたが、より快適な演奏感を実現したのがこれらカホンペダルです。
DW カホンペダル ( DW-5000CJ )

型名:DW-5000CJ
メーカー希望小売価格:¥36,000(税抜)¥38,880(税込)
販売価格:¥28,800(税抜)¥31,104(税込)
(発売時期、価格等、確定次第こちらの記事にて発表させていただきます。)
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「DW」とマーキングされたプレートが駆動部を覆っていることと、ワイヤーが短いこともあり、たいへんすっきりした印象です。

金属製のプレート上にカホンの脚ゴムを載せ、ズレをシャットアウトします。

フットボード(踏む板)は、従来のカホンペダルに採用されているチェーン式ではなく、フットボード下のローラーを押し下げるような駆動方法になっています。
踏み込んでいくと…

フットボードが、円盤状のローラーカムを押し下げます。ワイヤーが引っ張られているのが見えます。

踏み込みきったのがこの状態。ワイヤーが引っ張られています。

付属のナイロン製のバッグに収まります。

カホンペダルの革命児あらわる!?
踏み込みの軽さ ★★★★★
踏み込みの反応 ★★★★★
音量 ★★★
携帯性 ★★★★★
ケーブル長:約40cm
思わず「あれ?」と声が出てしまう程短いケーブルですが、セットしてみて納得でした。セッティング位置には制限がありますが、よほど脚の長い方か、左足で踏んだり、その他変則セッティングにしない限りは十分な長さで、むしろ足元や視界がすっきりして快適です。
本体にカホンの前脚部を載せてセットするので、ズレも皆無です。スポンジ状のビーターは柔らかめながら十分使えるサウンドと音量です。
そして驚いたのが踏みしろの浅さです。ドラムペダルというよりはフットスイッチの様な踏みしろの浅さで、少し踏み込んだだけですぐビーターがヒットする印象です。
強弱のニュアンスはつけにくいかもしれませんが、楽器の性質上それはそれほど重要視される部分ではなく、むしろ演奏しやすさにつながる印象を受けました。
ケーブルが短いことと、キャリングバッグが付属していることで持ち運びも容易です。従来のカホンペダルとは一線を画す、たいへん扱いやすいモデルでした。
ディクソン リモート・パーカッション・ペダル ( PP9290CP-SHI )
確かな作りのドラムハードウェア(スタンド、ペダル類)で一躍人気のディクソン。アイデアあふれるハードウェアづくりから目が離せません!
DIXON PP9290CP-SHI
メーカー希望小売価格:オープンプライス
販売価格:¥14,900(税抜)¥16,092(税込)
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カホンとセットしてみましょう。青いビーターがルックスのアクセントになりますね。

スポンジ状のビーター。指で押すとへこむ柔らかい感触です。

下写真のL字型の金属部を、カホン打面の下部に当てるように置き、付属のゴム板の量を調整することでカホンを固定します。

完全にしっかり固定しているわけではないので、ハードにプレーする方、そうでなくても心配な方はすべり防止として、以下の様なアイテムが便利でしょう。

ビーター基部が取り外しが出来、太さ10.5mm~38.1mmのパイプ等にアタッチメント的な感覚で取り付けることが出来ます。
下の写真はフロアタムレッグに取り付けた状態です。サイドバスドラム(?)や、カクテルドラム的な演奏にいかがでしょうか?

手軽に使えるベーシックなモデル
踏み込みの軽さ ★★★
踏み込みの反応 ★★★
音量 ★★★
携帯性 ★★
ケーブル長さ:約110cm(実際にセット出来る長さではありません)
発売以来すでにベストセラーになっているカホンペダル。まず何と言っても手軽に手に入れることが出来る価格がうれしいところです。ケーブルが長めのためセッティングの自由度も高いモデル。
踏み込んだときのに抵抗は感じるものの、戻りの反応の良さは十分あるため、速い2連打等にも十分対応します。
柔らかいスポンジ製ビーターのため、音量はそこそこながら、温かみのあるサウンドはアンサンブルのなかでも十分存在感はあるでしょう。
付属のゴム板や別売りの滑り止めシートでカホンとのズレ防止の対策をしっかり行えば、十分使える便利なペダルです。
周辺アイテム

このモデルに付属のカホン用ビーターは、通常のドラムペダルにも取り付けることができます。通常のドラムペダルをカホンに使用する場合や、音量を抑えたドラムセットのプレーが求められる時などにも便利です。(ビーターシャフトは一般的なバスドラムビーターより短めです)
万が一の為に交換用ワイヤーが販売されているのもうれしいところです。(ワイヤーは当モデル専用です)
音楽と楽器の進化は続く…
カホンの歴史を振り返ると、楽器を容易に手に入れる事が出来なかった人々が、身近にあった木箱を楽器として使ったという史実があります。今のこのカホンの人気ぶりを考えると、そこまでして音楽を楽しんだ先人たちに大いに敬意を表するものであります。
時代は変わって、カホンはドラムセットの代用として使われる事が増えてきました。その事も、スペースや音量の問題を解決するためにミュージシャンによって考え出された、アイデアあふれるチャレンジと言ってよいでしょう。
そのチャレンジをさらに進化させるために、製品化されたのがこれらのカホンペダルです。カホン演奏時に空いていた脚を使い、より自由を手に入れたカホン奏者から生み出される新しいリズムに、これからも注目していきましょう。
この記事を書いた人
札幌パルコ店 ドラム担当 鳥塚
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