人気シグネチャーモデルを徹底検証!!
こんにちは!島村楽器長野店ドラム担当小林です!
大好評のスティック比較検証シリーズ!今回は私がシグネチャーモデルを検証させて頂きます。憧れのドラマーがどんなスティックを使っているか気になるものですよね?また一度は憧れのドラマーと同じスティックを使ってみたいものですよね?でも実際のスペックはどうなのか、、、自分のプレイスタイルに合うのか、、、という皆様のために徹底検証します!
ますは基準を設定します
検証する上での「基準スティック」が必要ですね。前回の検証に引き続き、基準にするのに相応しいコチラのモデルを採用します!!
VIC FIRTH AMERICAN CLASSIC VIC-5A
販売価格(税抜)¥1,600(税込¥1,728)
「世界定番」といわれる当社人気No.1スティック。「5A」と名の付いたモデルは多数あれど、VIC FIRTHの5Aは世界中の様々なプレイヤーが愛用し続ける最もオールラウンドなモデルです。ある意味、打楽器奏者でもあったVIC FIRTH氏のシグネチャーとも言えるのではないでしょうか!?
VIC FIRTH創設者 故 Vic Firth氏
このモデルの特徴を各項目の0(フラット)に位置づけし、これを基準に「+」「-」で各モデルの特徴を表現していきます。
さっそく検証スタート!!
TAMA H-KVK (シシドカフカ シグネチャーモデル)
メキシコ生まれの女性ドラマー、シシドカフカさんのシグネチャーモデル。弱冠19歳でプロドラマーとしての活動を始め、ドラムボーカルのスタイルで2012年「愛する覚悟」でCDデビュー。ドラマー、ボーカリスト、モデル、女優などマルチに活躍する人気女性ドラマーです。
ヘッドやシンバルとの接触面積を広くした大きめの俵型チップ採用し、グリップは15mmと太めでウェイトも重めなため非常に力強いサウンドです。テーパー(ショルダー)が短めで重心が先端よりなのでリバウンドを多用するスピードプレイよりも1打1打振りぬきフルショットをするようなパワフルなプレイに向いていると感じました。ロックやハードロックで使用される厚めのライドシンバルもしっかり鳴り切ってくれそうですね。ボリューム不足でお悩みのドラマーには男女問わず是非使ってみて欲しいスティックです。
LERNI S-139BO(BOBO シグネチャーモデル)
オルタナティヴロックバンド「54-71」で活動後、くるり、雅-miyavi-、フジファブリック、TK(凜として時雨)などのサポートドラマーして活動中の BOBOさんのシグネチャースティック。バスドラム、小口径スネアドラム、シンバル類のみというミニマムなセットから生み出す力強いビートで人気を博しています。
スタンダードなスティックのスペックである「太さ14mm 長さ406mm」から0.1mm細くし、2mm長くしたBOBOさんのこだわりを感じるスペックです。コントロール性とパワー感を両立させた扱いやすいスティックに仕上がっていますね。またスティック表面はテクスチャーフィニッシュを採用しておりグリップ性も抜群ですね。BOBOさんのあのドラムサウンドは太めのスティックから生み出されているものだと思っていたのですが実際は以外と細めのスティックで驚きました。昔、リガールチップの ジェフポーカロ モデルを使った時も同じことを思いました。
VIC FIRTH SAJ(神保彰 シグネチャーモデル)
フュージョンバンド「カシオペア」での活動や自身のソロ活動である「ワンマンオーケストラ」で知られる日本を代表するテクニカルドラマー、神保彰さんのシグネチャースティック。2007年には「ニューズウィーク」誌の日本版において「世界で尊敬される日本人100人」に選出されています。プロドラマーからも常に注目を集める唯一無二の存在です。
なんと言っても特殊な表面のフィニッシュが特徴的です。具体的な素材はわかりませんが細かい粒子状のものがコーティングされておりザラザラしています。テクスチャーフィニッシュが苦手だけどグリップ力の高いスティックが使いたい、という方におすすめです。太さや長さは基準に設定したVIC FIRTH 5Aとほぼ同等ですが、テーパー(ショルダー)がやや長め、重心がグリップよりでリバウンド力に優れています。このぐらいバウンドしてくれるとダブルストロークやシンバルレガートもプレイしやすいですね。
CANOPUS CPNK(河村”カースケ”智康 シグネチャーモデル)
桑田佳祐、松任谷由美、椎名林檎、Bank Bandなど数多くのアーティストのライヴやレコーディングに参加しているドラマー、 河村”カースケ”智康さんのシグネチャーモデル。日本人離れしたグルーヴ感と表現力で日本の音楽シーンに多大な影響を与え続けているドラマー界のカリスマ的存在です。実は彼の息子である河村吉宏さんもプロドラマーとして活動しています。
太さが15.2mm、今回検証したスティックの中では最も太く、ウェイトも最も重いです。そのため誰でも扱いやすいというスティックではありませんが、腕全体を使ったフルショット時には音量と音圧が豊かでドラムやシンバルがしっかり鳴りきってくれます。ロックやハードロックなどでの使用はもちろんオススメですが、POPSや歌モノのバンドでズッシリとした安定感のある8ビートを叩きたいという方にもオススメです。カースケさんのようにグルーヴィーで、説得力のあるビートを叩きたい方も是非使ってみてください。無論、スティックだけであんな素晴らしいビートが叩けるようになるわけではありませんが(笑)
シグネチャースティック検証後記
今回比較しましたスティックのスペック比較表はコチラです。
シグネチャーモデルは通常のラインナップより0.1mm細かったり、1mmだけ短かったりすることがありますね。その辺りはプロドラマーのプレイや楽器に対するこだわりが感じられて、とても面白いですね!そのドラマーのファンが使うスティックでしょ?とお考えの方も多いかもしれませんがシグネチャーモデルの中から自分にベストマッチするスティックが見つかることもあります(私はそうでした、、、)。なかなか自分にあったスティックが見つからない、という方は是非シグネチャーモデルもお試しください!
検証に使用した機材
今回の検証ではスティックのバウンドが伝わりやすい、「ラバー製の練習パッド」と、スティック形状により音質の変化が分かりやすい「ライドシンバル」を使いました。
練習パッド・・・EVANS RF6GM
硬すぎず柔らかすぎずのソフトラバーを打面に採用たスタンド付練習パッドです。6インチという小さめなパッドサイズはショットの正確性を集中して練習出来、コンパクト・軽量の為持ち運びも便利な人気アイテムです。
ライドシンバル・・・Zildjian A Medium Ride 20”
ライドシンバルにはAジルジャン、ミディアムライド20インチをセレクトしました。王道シンバルブランドの中で最もポピュラーなモデルです。今回の検証目的の1つ「スティックによるサウンドの違い」を判りやすくする為、このように上側のシンバルフェルトをはずして、シンバル自体を平行にしました。それによりシンバル自体の鳴りが引き出されるので、上記画像のようなセッティングになっています。
この記事を書いた人
長野店 ドラム担当 小林
ドラム歴約20年。吹奏楽、ロック、ジャズなど幅広いジャンルでドラムを叩いてきました!ドラムに関すること何でもご相談ください! ただ今、ZildjianのJohn Riley (ジョン・ライリー) モデルを愛用中!レガートの時のリバウンドが最高!