みなさんこんにちは!みなさんは音楽コラボアプリ「nana」をご存知ですか?
nanaはスマートフォンで自分で歌った歌や、楽器の演奏を投稿して楽しむiOS・Android用のアプリです。すでに会員が400万人を超えているという凄いアプリなんです。最近では公式ガイドブックも発売されたので、島村楽器のお店でこの本の表紙はみたことある!なんて方もいるのではないでしょうか?
nana公式ガイドブック
島村楽器では数年前からnanaについてや、簡単な録音方法、nanaを楽しむためのサウンドを提供するサイトを運営しています。
https://info.shimamura.co.jp/nana/
そんなnanaですが、最近うれしいアップデートをしたんです。それは・・
DTMerに朗報~!nanaのWEBサイトから音源の直接アップロードが可能に!
nanaで歌を歌う人たちになくてはならないのが「伴奏曲」です。これまでは、ギターを弾く人やベースを弾く人、ドラムを叩く人など、楽器を演奏する人たちがコラボ(※1)していくのが主な伴奏曲(伴奏サウンド/オケ)の作り方でした。
※1:他の人が投稿したサウンドに自分の演奏を重ねて新しいサウンドを作ること nanaのメインの楽しみ方の1つ
他にもDTMで楽曲制作を行う人たちは制作したサウンドを以下のような手順で音源を投稿していました。
- 制作したサウンドをオーディオインターフェースから出力
- スマートフォン用のオーディオインターフェースを通じてnanaに録音
でもこのやり方って、結構大変なんですね。なぜなら(いい音で録りたかったら…)PC用・スマホ用にオーディオインターフェースがそれぞれ必要だし、再生と録音のタイミングもしっかり合わせる必要があります。
パソコンのオーディオ・インターフェイス出力をスマホのインターフェース入力に接続してnanaにアップ(イメージ)
しかしそれを解決してくれたのが、今回のアップデート!なんとWEBサイトから音源アップロードが可能になったのです!
nanaの公式ブログでも紹介されています。
http://nana-music.com/blogs/20170913-01/
これでDAWで作った伴奏サウンドをそのままパソコンからアップできるようになったわけです。
アップロードの手順
WEBサイトからの音源直接アップロードのための手順は以下の通りです
- 1)90秒以内の音源を作成する
- 2)対応する音源フォーマットで書き出しする
- WAV
- 90 秒以内
- モノラル
- 16bit/44.1kHz
- 3)音源アップロード用のWEBサイトにアクセスしてログイン
- https://upload.nana-music.com/login
- 4)アップロードしたいサウンドファイルを選択
- 5)曲名・アーティスト名など必要事項を入力
- 6)「投稿する」をクリック
どうですか?曲を作って書き出しさえしてしまえば後はカンタンですよね!
「じゃあ各DAWソフトでモノラル書き出しってどうやるの?」ってことですが、それが今回の記事を書いた理由なんです!
徹底解説!人気DAWでのnana対応サウンドの作り方
90秒以内の音源を作成するコツ
楽曲の作り方は、ギターやベースは自分で演奏したものを録音したり、ドラムやキーボードはプラグインイン・ストゥルメント(ソフトシンセ)を使ったりと、人それぞれです。中にはすべて打ち込みだけという方もいるでしょう。
DAWで曲を作る手順もやはり人それぞれだと思いますが、一般的なのは
- ドラム(リズム)
- ベース
- コード楽器
- 上モノ(ブラスやストリングスなど)
という順番でDAWに打ち込み(または録音)していきます。曲全体のサイズと構成(設計図)を決めてから、ガイドとなるドラムパート、ベース、コード・・という感じで入力していくわけですね。
なおドラムパートですが、最初に90秒をきっちり作り込む必要は無いと思います。パートを重ねていくうちにあとからイメージが変わって「音色やフレーズも変更したい」となった時のために、最初はあくまでガイド的なもので問題ないでしょう(コピー曲の場合はその限りではありませんが)。まずは曲のサイズを作ってしまって、全体像が見えてから細部を作り込んでいきましょう。こうした後から修正や差し替えがいくらでも簡単にできてしまうのがDAWの便利なところですね。
さてnanaの伴奏サウンドは90秒以内にしなくてはいけませんが、そこで重要になってくるのが「曲の構成」と「テンポ」です。
曲の構成・・曲のどの部分を使うか?
オリジナル・既成曲を問わず、下記のような構成の曲があるとします。
- イントロ
- Aメロ×2
- Bメロ
- Cメロ(サビ)
- 間奏
- Aメロ
- Bメロ
- Cメロ
- エンディング
上記はあくまで一例であって、実際にはいろいろな構成で曲はつくられています。いずれににせよnanaの伴奏サウンドとして、曲の頭から終わりまでを全部アップするのはまず無理。そこで90秒に収まるように構成を考えなくてはなりません。
では一体どこをピックアップしたら良いかということですが、「サビ」だったり、場合によっては「イントロのギターのリフ」だったり、曲によって千差万別。でも大切なのはコラボして楽しい「いちばんキャッチーな部分」ということになるでしょう。
テンポとの関係
仮に4/4拍子、BPM(1分あたりの4分音符の数)=120の曲で
- イントロ(8小節)
- Aメロ×2(16小節)
- Bメロ(8小節)
- Cメロ(8小節)
- エンディング(8小節)
という構成にしたいという場合は、
- イントロ(16秒)+Aメロ(16秒)+Aメロ(16秒)+Bメロ(16秒)+Cメロ(16秒)+エンディング(16秒)
=96秒になってしまいます(計算方法は後述※)
仮にイントロやエンディングを短くして8秒にするなどすれば、ギリギリ1コーラス分をnanaにアップできますね。DAWのカットやコピペ機能を使えば、曲の構成を変える作業も楽ですし、秒数も数字で表示されるのでわかりやすいと思います。
※4分音符1つの時間は、60÷BPM(秒)となります。BPM=120だと1拍は0.5秒なので、4/4拍子の1小節は2秒。
【関連記事】
【FAQ】BPMとはなんですか?
例)「イントロ – Aメロ – Aメロ – Bメロ – エンディング」の構成曲
バラードのようにテンポが比較的ゆっくりめの曲の場合は1コーラスを90秒に入れ込むのは難しいでしょうから、その場合は「Bメロ+サビ」などにする工夫が必要ですね。いずれにせよ忘れてはならないのは「コラボして楽しい構成」ということです。曲の構成はじっくり考えて決めましょう。
なおソフトシンセなどを使用している方は、いったん「すべてオーディオトラックにバウンス(フリーズとも)してしまう」ほうがエフェクトやミキシングの際に楽になると思います(パソコンの負荷も減ります)
各種DAWでの書き出し注意点
nanaの公式ブログではDAWで書き出したステレオファイルをAudacity(フリーの波形編集ソフト)でモノラルに変換するという方法を紹介しています。
この方法は非常に手軽で便利ですが、ステレオでバランスが取られていたものを、単純にモノラルにすることでバランスや鳴りが変わってしまう場合があります(例:左右にトレモロエフェクトをかけているエレピ音色など)。したがってDAWでモノラルを前提としたミックスを行い、モノラルファイルとして出力するほうが安全だと思います。
モノラルにして再度ミックスしなおそう
モノラルミックスの例(Cubase):各トラックのPAN(定位)をすべて中央にしてミックス
各トラックをモノラルトラックに設定(Logic Pro)
このようにすべてをモノラルにしてみると、ステレオ状態とは大きく異なるサウンドに聴こえると思います。この状態からEQやバランスを取り直していきましょう。
各トラックのEQ、エフェクト設定方法には今回は詳しく触れませんが、各トラックの出力先(マスタートラック)には音圧を調節するリミッター、コンプレッサー、マスタリングエフェクト等をかけるなどして最良の音量バランスになるように調節するのも良いでしょう。
例)Cubase Pro に収録されたLimiter(リミッター:音量を押さえて歪を防いでくれます)
フェードアウトなどの処理はDAW側でも設定可能ですが、とりあえず長めにエクスポート(書き出し)しておいて、最後にAudacity等の波形編集ソフトで処理したほうが意外と楽かもしれません。
Audacityでの最終処理補足
DAWで出力した伴奏ファイルの音量ですが、あまりに小さすぎたり逆に大きすぎたりするとコラボしにくかったり音が歪んだりすることがあります。適切な音量に調整してからnanaにアップしてやるとさらにクオリティーの高い伴奏データとなるでしょう。その場合は、Audacityの「エフェクトメニュー>正規化(ノーマライズ)」を使用します。
この値は一定の目安を決めておくことで、複数の作品をアップする際も、曲ごとに音量のバラつきがなくなります。
少し控えめの「-3dB」にした場合
「0dB」(歪まない限界値)に設定する場合
- 3dB(上)と0dB(下)処理後の波形
ここで注意点ですが、正規化はファイル全体で一番音の大きい場所(最大振幅)を最大値とみなした処理が行われます。したがって、たとえばほんの一瞬だけ大音量の部分(クリップノイズなども含む)がある楽曲は、0dBの正規化でも全体としては音量が小さくなってしまうといった結果になってしまいます。
例)こんな楽曲が合った場合(図は誇張しています)
0dBの正規化を行うと・・・ピーク部分以外は前よりも音量が小さくなってしまいます。
これを防ぐためには、飛び出している音の原因を特定して修正したり、前述のコンプレッサーやマスタリングエフェクト等で全体の音量変化をある程度均一化(正規化)するなどの処理が必要です。2000年以降の音楽マスタリングはやたら音圧を上げる傾向もありますが、「高音圧」は必ずしも「良音楽」というわけではなので、やり過ぎは禁物。節度をもった使い方をしてください。
例:2008年と1980年にリリースされた音楽作品を、それぞれ波形編集ソフトで開いてみると・・・
なお音楽のダイナミクスの変化幅やジャンル、楽器の構成等で差が出る場合もあるので、最終的には自分の耳で確認することが大切ですね。
【関連記事】コンプレッサー等について
DAWごとの書き出し手順
※以降は、演奏データがすべてオーディオトラックになっている状態の設定です。
完成したファイルは http://nana-music.com/blogs/20170913-01/ の「音源のアップロード方法」で書かれている方法でnanaにアップすることができます。
※対応したファイルを作ってもnanaにアップロードできない場合
WAV形式のファイルは様々な情報が埋め込まれている場合があり、アップロード時にエラーが出てしまう場合があります。そんな場合はAudacityでアップロードしたいファイルを開き、「 保存(上書き保存)」を行ってください。
Cubase(以下はCubase Pro 9)
※画面はMac版ですがWindows版も同様の操作でおこなえます。
1)バウンス(ファイルとして出力する)範囲を指定します。
2)オーディオミックスダウンでサンプリングレート44.1kHz、ビット深度16bit、モノラルダウンミックスを設定します。
3)「書き出し」で終了
4)必要に応じてAudacity等で最終処理。
Ableton live
※画面はMac版ですがWindows版も同様の操作でおこなえます。
1)出力範囲を設定
2)「オーディオ/ビデオをエクスポート」を選択
3)各種設定を行います。
ファイルタイプ「WAV」、サンプルレート「44100」、ビットデプス「16」、モノに変換「オン」。
3)エクスポートで出力先を設定し「保存」で終了
4)必要に応じてAudacity等で最終処理。
Logic Pro
1)ミキシングの際は黄枠の部分を「○」にするとステレオトラックもモノラルになります。
2)書き出したい範囲を指定します。
3)Outputのチャンネルモードを「○」(モノラルにします)
4)トラックが一つ増えますが、片方のOutputの「Bnce(バウンス)」をクリックします。
5)バウンスの設定を下図のように「Wave」「16ビット」「441000」に設定します。ノーマライズ(正規化)はオフでも構いません。
6)ファイルネームを付けバウンスを実行します。
7)以上で終了です。必要に応じてAudacity等で最終処理。
SONAR
1)書き出し(エクスポート)範囲を指定
2)エクスポートでオーディオを選択
3)エクスポート設定。ファイルの種類「WAV」、チャンネルフォーマット「モノ」、サンプルレート「44100」、ビット数「16」
4)エクスポートを押して終了
いかがでしたか?
DTMで作成した楽曲は今回ご紹介した手順でカンタンにnanaに投稿することが可能です。
nanaでは日々色々な楽曲の伴奏曲がnanaユーザーの演奏でアップされています。それでもまだまだnana上には存在しない伴奏曲がたくさんあります。そんな曲をDTMで制作してアップすれば、注目されること間違いないでしょう。
もちろんオリジナル楽曲をアップしてもいいと思います!その場合は歌入りのサウンドと伴奏曲バージョンのサウンドがあるといいですね!!
さらに伴奏曲はカラオケ音源ではできないアレンジも魅力です。
例えば
- パーカッションやアコースティックギターのサウンドを使ったアコースティックアレンジ
- ピアノやウッドベースのサウンドを使ったジャズアレンジ
アップテンポなボカロ曲をアコースティックアレンジしても面白そうです!みなさんの作曲スキルを磨くキッカケになるかもしれません!そうやって制作したサウンドはぜひアップロード機能でnanaに投稿してみてください!
あなたの伴奏曲でたくさんの人が歌ってくれるかもしれません。そしてあなたの伴奏曲を気に入ってくれた人から「この曲も聞いてみたい!」なんてコメントがもらえるかも?
DTMerのみなさんからの投稿、楽しみにしています!
音楽コラボアプリ「nana」のダウンロードは以下よりどうぞ!