
「ユーロラック/モジュラーシンセ」ってなんでしょう?
シンセサイザーの主流がアナログ→デジタル→アナログモデリング→ソフト化へと移り変わる中、「やはり実機が良い」「イジッテル感覚が欲しい」と言う人間の根本的な欲望でしょうか?アナログ・シンセサイザーが今盛り上がっています。
そしてその影の原動力のひとつがユーロラックと言う「規格」に則ったモジュラーシンセです!
Doepfer A-100 BS-2-P9

そもそもモジュラーシンセとは、シンセを構成するVCO(発振器)、VCF(フィルター)、VCA(アンプ)といったさまざまなセクションが独立したパーツ(モジュール)をケーブルでパッチングして音作りが可能なシンセサイザーのことです。代表的なものはなんといっても MOOG Modularでしょうか。
写真は最近発表された復刻版↓

KORGのMS-20MはVCO、VCF、VCA、EG等が一体となっていますが、パッチングを使った音作りも可能な「セミモジュラータイプ」のシンセです。(写真はシーケンサーがセットなった「MS-20M Kit + SQ-1」)

このモジュラーシンセをコンパクトにしたのがドイツの老舗メーカー「DOEPFER(ドイプファー)」社ですが、これが標準となったのがいわゆる「ユーロラック」というモジュールなわけです。
楽器フェア2014における福産起業さんのブースで展示されていたユーロラック・モジュール群!!

「ユーロラック」では主に以下が定義されています
- モジュール・サイズ:高さ 128.5mm(ラックマウント3Uサイズ)、幅 5.08mm(1/5インチ)の倍数
- 入出力ジャック:3.5mmのミニプラグ/ジャック
- 電源:±12Vおよび+5V(大型のモジュラーシステムは±15V)
ユーロラックがメジャーになった事により、様々なガレージメーカーが出現しました。昨年開催された世界最大の楽器展示会「The NAMM Show 2015」会場では数多くのガレージメーカーが出展し、大変な盛り上がりをみせておりました。
ユーロラック・モジュールにはさまざまな種類がありますが、主に下記のようなモジュールが発売されています。
- 各種オシレーター
- 各種フィルター
- エンベロープ・ジェネレーター
- シーケンサー
- アンプ
- サンプル&ホールド
- ミキサー
- ゲート
- 各種エフェクター
- シグナルプロセッサー
- リングモジュレーター
- CV/コンバーター
- ..etc…
ユーロラックに準じていれば各メーカーのモジュールを自由自在に組み合わせる事が可能となります。近年、Dave Smith Instruments やWaldorf といった老舗シンセメーカーがユーロラックモデルに参入したり、個人でもモジュールを作る愛好家がそのままメーカーになってしまったりと、面白い現象が続いています。
音作りの基本はコチラの記事で
【脱プリセット~初心者のためのシンセ音作り】 その1 音の出だしとADSR
ごくごく一部をご紹介します!
Jomox ModBase 09

Tiptop Audio Z-4000 VC-Envelope Generator

Tiptop Audio BD-808

Analogue Systems RS-95e VCO
Mutable Instruments Elements
このように、さまざまなパーツをくみあわせることによって音作りを楽しむことができるユーロラック・シンセは確実にファンを増やし続けているようです。今後も目が離せませんね。