ワンランク上のマイク選び~定番マイクを聴き比べ

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アコースティック・ギター

アコースティックギター録音で使用したマイク

C451B SM57、KSM44A/SL、VO4099、AT4040、C214、bluebird、4006A

これまた違いが非常によく分かる収録ですね。

収録を終えて

ここまで違いが顕著に現れたというのは想像以上でした。それではそれぞれのマイクの特徴を総括してみましょう。

SM57 / SHURE

SM57_2

張り出す様な抜けの良い中高域が特徴です。オールラウンドではないですが、特にスネア、アコギ、ギターアンプでは「ゴーナナ」サウンドはライブだけでなくレコーディングでも世界中のプロの現場で活躍しています。抜けの良さを活かしてライブでボーカル用として使うミュージシャンも多くいます。ダイナミックならではのミドルの音圧感に加え、高域のレゾナンスがかった独特の周波数ピークによる気持ちの良いタイトなアタックは、オンマイクでの弦鳴りの集音に最適ですね。指・ピック弾きで少々異なりますが、14フレットあたりから10cm程度にセッティングし、低音をモニターしながらサウンドホールとネック側とのマイクの角度を調節するのが良いようです。

KSM44A SL / SHURE

KSM44A_2

ワザとらしい味付けが無く、良い意味で無味乾燥な音ですが「つまらない音」ではありません。声を張った際・大音量を集音した際に潰れがちな中高域を歪みなくクリアに録れる為、非常に爽やかで透き通った音質で収録する事ができます。アンサンブルでメインボーカルやリード楽器の後ろに並ばせたい音の収録や、マイクプリの個性を活かしたい時にお勧めできる製品だと思います。

C214 / AKG

C214

C414XL2と同等のダイヤフラムを使用しており、同価格帯のマイクの中では群を抜いた解像度の高い高域が特徴です。ただ、声質・楽器の種類によっては、少々高域が強調される傾向にあるようで、その場合はEQで補正する必要があるように思います。倍音成分が少ない声質のボーカルや、アコギ・打楽器をパーカッシヴに収録したい場合に重宝しそうです。

C451B / AKG

C451B

もはや説明不要の超定番。アコギ、ドラムトップ、ハイハットはとりあえずこれを立てて置けば間違いないと言われています。小型のダイアフラムは非常に感度が高く、音の立ち上がりをしっかり捉えることができ、アコギ・シンバル等の鋭いアタック音を、歪み・潰れなく収録する事ができます。ギターをマルチマイクで収録する際、位相が干渉するケースでは、思い切ってC451を1本だけで、オンより少し離したくらいの位置から狙うと良いかもしれません。ロック・ピアノなどでアタック感が求められる際は、50cm程度の距離から全体を狙い、アタック遅めのコンプかけ録りがオススメのようです。

C414XL2 / AKG

C414

U87Ai同様、ワールドスタンダード・マイク。これを置いていないスタジオはまず無いと思います。きらびやかな高域と密度の高い中域は、楽器のソロパートや、リード・メインボーカルの存在感を際立たせたい時に重宝します。U87Aiより厚みがあり、存在感がある音のと表現する方もいらっしゃいますね。ロック系の楽曲でアタックを強調した音で録りたい場合は、オンマイクで収録するとクセのない感じに録音することができます。ギター録音では、高域の抜けるXL2はダイナミックマイクとの組み合わせに最適。モニターしつつ1m程度で位置を調節し、ボディ全体の鳴りを捉えると良いかもしれません。バイオリンにもフィットすると思います。

VO4099 / DPA

VO4099

非常に抜けが良い中域と、極小のダイアフラムがもたらす解像度高くきらびやかな高域が特徴です。レコーディングではあまり見る機会はありませんが、プロミュージシャンがライブで使用している場面を見たことがある方も多いのではないでしょうか。演奏時にマイクの位置を気にしなくて良いので、演奏に集中できる事と、高音質を両立していることがこのマイクの最大の強みですね。ライブも録音も、演奏者が動くことの多いSAXにはこのクリップ型が便利です。小型ながら低域もカバーし指向性も狭く、スタジオやPAの現場でとりあえず用意しておけば安心かもしれません。SAXの場合はトランペットなどと異なり、ベル以外からも音がでますので、全体を狙うようにセッティングする場合もあります。

4006A / DPA

4006A

極めてフラットな特性。実際に耳で聞いた音に一番近く、アコースティック楽器収録のリファレンスとなっているマイクです。場の空気感まで感じられるのは、限界まで張力を高めたダイアフラムがもたらす高い感度によるものといわれています。ピアノといえばまずコレと言われることも多いマイクですが、違い遠距離でも周波数特性が変わらずフラットな録音が可能です。マイキングはアップライトなら蓋を開けたところから、グランドピアノなら2m程度離れた距離からAB方式で2本で録音するケースが多いようです。

AT4040 / AUDIO TECHNICA

AT4040

通称「ヨレヨレ」。あらゆる収録で及第点を取れるマイクと言われていますので「入門に最適なマイク」ということができるでしょう。派手な高域が特徴ですので声がどうしても抜けない場合や、(レンジの狭い)入門用オーディオ・インターフェイスとの組み合わせでも最高のパフォーマンスを誇ります。宅録用に1本持っていれば間違いないと思います。

bluebird / Blue Microphones

2020年12月追記:Blue Microphones BLUEBIRDは取り扱いを終了いたしました

bluebird

音を聞いてから値段を知ると、そのコストパフォーマンスに驚くでしょう。ハイミッド(中域よりの高域)に特長があるカラッとした音のマイクです。歪ませたギターアンプなど高域が強い物を収録する場合は、高域が強調されすぎる傾向があるように思います。

U87Ai / NEUMANN

U87Ai

廉価帯のマイクにありがちな、高域がわざとらしく強調された感じや、耳に痛い部分がなく、低~中域が適度にふくよかである為、非常に滑らかで耳触りが良いサウンドです。どんなアンサンブルにも馴染む音質が、スタンダードになり得た理由かもしれません。ボーカル・レコーディングは声質や曲調との相性で選ばれることが多いと思いますが、とりあえずU87Aiを最初に試すというケースも多いようです。ナチュラルな音質とオケの中で前に出る音質はミックスの際にも際立つと言われています。

楽器との相性表

ではデジランド独断での相性度を表にまとめてみましたので参考にどうぞ。

★=超オススメ ◎=かなりオススメ ○=オススメ △=まあまあ ☓=あまり使わないかな?

バラード

ボーカル

ロック

ボーカル

サックス ピアノ アコギ バイオリン
 SHURE

SM57

 SHURE

KSM44ASL

 AKG

C214

 AKG

C414XLII

 AKG

C451B

 DPA

VO4099V

 DPA

VO4099S

 DPA

4006A

 AudioTechnica

AT4040

 BLUE

BLUEBIRD

 NEUMANN

U87Ai

いかがでしたか?それぞれのマイクが定番として愛用されているのには理由があるのですね。さて今回紹介したマイク達は決して安価ではありませんが決して買って損はないものばかりです。おそらくこれからずっと長い付き合いにもなると思うので、自分の目的にあったマイクをじっくり選んでいただくことが大事かと思います。

今回は単独で使用するケースでご紹介いたしましたが、複数のマイクを組み合わせる場合は相性があるのでぜひ店頭でお試しいただければと思います。店頭にないものもご用意出来る場合がありますのでお気軽にお問い合わせください。

お問い合せの際は「【デジランド】を見た」とお伝えいただければ幸いです。

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通常販売価格

SHURE(シュア):SM57-LCE:


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SHURE(シュア):KSM44A/SL:


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AKG(エーケージー):C214:


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AKG (エーケージー):C414XL II


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AUDIO TECHNICA(オーディオテクニカ):AT4040:


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NEUMANN(ノイマン):U 87Ai、U 87Ai studio set:

U 87Ai(本体のみ)
(税込) ¥539,000 (税抜 ¥490,000)
JANコード:4006087070239

U 87Ai studio set(専用木製ケースとサスペンション付属)
(税込) ¥572,000 (税抜 ¥520,000)
JANコード:4006087086612


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