【レビュー】アナログ・ループ・シンセvolca keysを試す〜クラフトワークの「ロボット」を再現してみた

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こんにちはサカウエです。ついに発売されたKORG(コルグ)さんのアナログ・ガジェット「volca三兄弟」の末っ子(?)volca keys!(ヴォルカ・キーズ)

先月お伝えしたアナログリズムマシーン volca beats, アナログベースマシーン volca bass に引き続き、試してみることにしました。

シンセポップの元祖、あのKraftwerk(クラフトワーク)も打ち込んでみましたよ〜

【関連記事】デジランド

Korgのアナログガジェット「volca beats」「volca bass」を試してみた

ルックス

volca keysは三兄弟volca beats, volca bass同様のコンパクト・サイズ。

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アルカリ単三電池で約10時間の駆動が可能です。

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もちろん内蔵スピーカーも搭載。これで場所を選ばずどこでも演奏することができますね。

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ポリフォニック演奏可能なアナログシンセサイザー

volca keysはシンプルな3音ポリのアナログシンセです。おなじみのパラメータ群。

VCOF

誰でも簡単に音作りできるVOICING機能を搭載しています。

voicing

3つのオシレーターを、Poly、Unison、Octave、Fifth、Unison Ring、Poly Ringの6パターンからどのように組み合わせて発音させるかを設定することができます。これだけでも非常に多くのサウンド・バリエーションを演奏することができます。それぞれの機能の詳細がわからなくとも、感覚で好きなサウンドを選べばよいのですよ〜

シンセサウンドには必須とも言えるディレイ・エフェクトを搭載。

DLY

やはりこれがないとシンセはイカンですね。

簡単ループ・シーケンサーを搭載

フレーズをそのまま録音できるループ・シーケンサーを搭載しています。メトロノームに合わせてピコピコ入力、多重録音もできますので、思いの通りのフレーズ作成を行うことができます。作成したシーケンス・フレーズは本体に8パターン記憶可能です。

rec

鍵盤部

oV

入力したフレーズに対し、フィルターやエフェクト等のツマミの動きを記憶できる「MOTION SEQUENCE機能」を搭載。ループフレーズをとことんまで作り込むことができます。

またシーケンスの途中のステップを飛ばして再生することができる「アクティブ・ステップ機能」により、ショート・ループのような効果から、思いがけない変則的なリズムまで、まるでシーケンスそのものを演奏するようなダイナミックなパフォーマンスが可能となっています。

「フラックス機能」をオンにすると、フレーズをステップにクオンタイズせずそのまま再生することが可能です。これで自由なグルーヴ感のあるループを作ることができます。

さて以上、volca keysのベーシックな機能はコルグさんが動画で非常にわかりやすく紹介しております。コチラご覧ください(日本語字幕あり)。

その他の便利機能

volca keysには使い勝手を拡げる様々な便利機能が搭載されています。

まずはアナログ・シンセの欠点であるチューニングを克服する「自動チューニング機能」。アナログ・シンセは湿度や気温といった環境や、部品のコンディション等で回路の状態が変化します。したがって電源を入れた直後はチューニングが定まらなかったり、演奏中にチューニングがズレる・・・といった動作はもう当たりまえ。

しかしこのvolca keysはこの「自動チューニング機能」によってピッチを自動的に補正してくれます。これで演奏中にチューニングに気を使う必要がなくなります。これは便利。

またvolca keysはSYNC端子とMIDI IN端子も搭載しています。

sync

これによりvolca beatsやvolca bassをはじめ、他のアナログ機種との複数台プレイも可能となります。

3volca

Kraftwerk(クラフトワーク)のThe Robots (ロボット)を打ち込んでみる

MIDI端子を使用することにより、DAWとの同期プレイはもとより、MIDIキーボードと接続して音源として演奏することもできます。

screenshot_101

ちなみにカットオフやポルタメント、LFO等のパラメーターは、外部からもコントロールすることができます。

volca keysのMIDIインプリメンテンション・チャート

(色々なパラメーターがコントロール・チェンジで変更可能ですね)

screenshot_100

・・ さて、ということは、DAWを使った通常の音楽制作でもvolca keysを「アナログ・シンセ音源」としても使用することができるわけですね。

さっそくチャレンジ。

久々にMIDIケーブルを引っ張りだしてきて接続。

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曲はあのシンセポップの元祖、Kraftwerk(クラフトワーク)の The Robots(ロボット)を打ち込んでみることにしました。

せっかくなのでボコーダー(※)も使って歌ってみましたよ〜(※Togu Audio Line / TAL-Vocoder

※シンセ音色はすべてvolca keysです。キックとクラップはvolca beatsを使用しました。DAW(MOTU DP8)に録音後、各種プラグインエフェクターで加工を行っています。

いかがででしたでしょう?volca keysは他のvolcaシリーズと同期プレイを行ってパフォーマンスするだけでなく、今回のように通常の音楽制作においても使用することができます。つまり非常にリーズナブルな価格で「アナログ音源」を音楽制作に活用することができるんですね。いやーハマりました。

アナログへのこだわりを忘れないKORGさんの製品づくりにはいつも敬服いたします。皆さんもぜひ島村楽器の店舗でvolcaシリーズを体験してみてください。

お問い合わせはお近くの島村楽器店舗まで

volca keysの仕様

鍵盤部

  • マルチタッチ27key鍵盤

シンセサイザー

  • タイプ:アナログ音源
  • 発音数:3
  • 構成:3VCO、 1VCF、 1VCA、 1LFO、 1EG
  • VCO Waveform:ノコギリ波、矩形波
  • VCO Parameter:Ring Modulation、 Detune、 Portamento、 EG Int
  • VCO Unique Function:VOICING機能(Poly、 Unison、 Octave、 Fifth、 Unison Ring、 Poly Ring)
  • VCF Type:ローパスフィルター 12 db/oct
  • VCF Parameter:Cutoff、Peak、EG Int
  • LFO Waveform:ノコギリ波、三角波、矩形波
  • LFO Parameter:Rate、 Pitch Int、 Cutoff Int
  • EG Parameter:Attack、Decay / Release、Sustain

エフェクト

  • Type:Delay、
  • Parameter:Time、Feedback、Tempo Sync

シーケンサー

  • パート数:1
  • ステップ数:16
  • 記録パターン数:8
  • Unique Function Motion Sequnce、 Active Step、 Flux

入出力

  • オーディオ出力:ヘッドホン(3.5mm ミニ・ジャック)
  • シンク:シンク・イン(3.5mm ミニ・ジャック、最大入力レベル20V)、シンク・アウト(3.5mm ミニ・ジャック、出力レベル5V)
  • MIDI MIDI IN

電源

  • 電池寿命 約10時間(アルカリ乾電池使用時)
  • 電源 アルカリ/ニッケル水素 単3形乾電池 x 6本、またはACアダプターKA350(別売り)

その他

  • 付属品 動作確認用単3形アルカリ乾電池 x 6本、シンク用ステレオ・ミニ・ケーブル
  • 別売りオプション KA350(ACアダプター)
  • 外形寸法 193(W)x 115(D)x 46(H)mm(ツマミ高さ含む)
  • 質量 377g(電池含まず)

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おまけ動画:チューニングで思い出しました。

VAN HALENのライブでの悲劇?〜サンプリングレイトを間違えた結果、シンセパートの音程が約半音(!)高く、再生されてしまった様ですね(泣)

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