CASIO ( カシオ )が” 歌うキーボード “「CT-S1000V」を発売します。カシオ独自の新技術、Vocal Synthesisを搭載し、従来の楽器演奏の概念から飛び出して、自由でクリエイティブな音楽・演奏の可能性が広がります。
CT-S1000Vはカシオトーン、いわゆるファミリーキーボード系のカテゴリー製品になりますが、内蔵のサウンドエンジンにカシオ独自の新技術、Vocal Synthesis(※)を搭載した、まさに新次元のシンセサイザーとも言えるでしょう。従来の楽器演奏の概念から飛び出して、自由でクリエイティブな音楽・演奏の可能性が広がります。※テクノスピーチの音声合成技術をベースにした音源技術
カシオトーンシリーズですが、これはもう完全に新次元のシンセサイザーです!
まずは動画を御覧ください。
いかがでしょう。もう完全に「シンセサイザー」ですね。カシオ独自の新音源技術Vocal Synthesisにより、スマートフォンやタブレットから入力した歌詞データと楽器に内蔵している多彩なボーカル音色との組み合わせで、鍵盤を思うがままに弾けばそれに合わせて歌が生み出されます。従来のシンセサイザーやキーボードとも違う、かといって単純な制作機器でもない、今までになく自由でクリエイティブな歌声演奏の可能性が広がります。
CT-S1000VのVocal Synthesisは、楽器で歌声を演奏できる技術。歌詞を入力するだけで特別な調整を必要とせず、滑らかな歌声で演奏することができ、コーラスグループのようなハーモニーを奏でられることも大きな特長。
従来の音源では不可能だった全く新しい楽器演奏を体験できます。「とりあえず、即興演奏で歌声を楽しみたい」「歌わせながら、曲のイメージを膨らませたい」ときには「フレーズモード」がおすすめ。鍵盤を押している間は歌詞が自動的に進むので、すぐにVocal Synthesisの醍醐味に触れることができ、感性を刺激されるはず。鍵盤を押すごとに歌詞の音節を進めたいときは「ノートモード」を選択することもできます。
リアルタイムで楽器が“歌う”Vocal Synthesis
Vocal Synthesisは名古屋工業大学を中心とした研究をベースにカシオが独自開発した、楽器で歌声を作り出す、今までにない技術です。あらかじめ機械学習によって作り上げた音響モデルと、専用の歌声音色(ボーカリスト)により、歌詞付きの歌声を生み出します。プリセットされた歌詞や、専用アプリ「Lyric Creator」を使ってユーザーが入力した歌詞が、鍵盤演奏によって歌声として生成されます。また、歌声の性別や年齢などのキャラクターを、ノブの調整で瞬時に変化させることができます。人間の声帯にあたる励振源(キャリア)をPCM音源によるボーカリストが担い、人間の声道にあたるフィルタを歌詞フレーズのデータから自動で生成、この2つを掛け合わせることで歌声が出力されます。
この、歌声を演奏できる仕組みは、従来のあらかじめ録音した歌声を鍵盤演奏で発音させる音源技術や、リアルタイムに入力した人間の声でシンセ音を変調させたりするボコーダーとは全く異なります。歌声で演奏するための特殊なスキルが必要ないのはもちろん、歌詞フレーズに演奏が縛られることもありません。つまり、Vocal Synthesisは、従来の鍵盤演奏の考え方にとらわれることなく、新しい歌声演奏の可能性を切り開く技術なのです。
「フレーズモード」「ノートモード」で歌詞の進み方をコントロール
歌詞の進み方は、鍵盤を押している間、自動的に歌詞が進む「フレーズモード」と、鍵盤を押すたびに歌詞が進む「ノートモード」の2種類から選べます。
「ノートモード」では鍵盤を押すたびに音節ごとに歌詞を進めることができます。各音節の最後の子音は鍵盤を離したときに発音させることにより、音節が自然で滑らかにつながります。また、ミスタッチにより歌詞がズレてしまう問題を解決するために、歌詞フレーズの進行をコントロールできる多彩な機能を備えています。例えば、別売品(SP-3、SP-20)のペダルや市販のフットスイッチを使って歌詞の送りや戻し、音節位置のリセットができるほか、低音域の鍵盤を使って発音させる音節を指定したり、同時に発音する和音の数によって音節の進行を制御したりすることも可能です。
「フレーズモード」では、鍵盤を押している間、自動的に歌詞を進めることができます。つまり、入力した歌詞を即興演奏でCT-S1000Vに歌わせることができるのです。「ノートモード」やボーカル合成ソフト音源では、歌詞に対してメロディをある程度事前に固めてから演奏することが必要です。しかし、「フレーズモード」では歌詞と譜割り、BPMを事前に設定しておけば、自由に鍵盤を弾くだけで歌を乗せることができるのです。
これにより、メロディという概念にとらわれず、鍵盤楽器ならではの高度な演奏技法に歌を乗せることも可能になりました。同時に、鍵盤演奏のスキルがさほど高くなくても、歌が破綻することはありません。「フレーズモード」では各音節のつながりがよりスムーズになり、滑舌のよい歌声になる点もメリットです。曲のアイデアを練るときも、鍵盤を触りながら曲フレーズの構想やイメージを膨らませることができるので、楽器ならではの直感性を活かした音楽制作も可能です。
特別な機材やスキル要らずですぐに始められる
Vocal Synthesisは、歌詞と声色の情報を組み合わせて歌声を生み出します。歌詞はCT-S1000Vにあらかじめ内蔵されている100種類に加えて、専用アプリを使うとオリジナルのものを作成・保存することも可能です。ボーカルの音色(ボーカリスト)はさまざまなキャラクターの22種類をプリセット。各ボーカリストは年齢や性別、ビブラートのかけ方などを、操作パネルのノブで演奏をしながら変化させることができます。さらに、より自分らしい歌声演奏をするための機能も充実。アタックタイム、モジュレーションなどのパラメーター調整や多彩なエフェクト、アルペジエーター、鍵盤を押したままで自動的に鍵盤連打の効果が得られるリトリガー機能などを駆使し、自分だけの歌声演奏を楽しむことができます。
特長
- 鍵盤に触れた瞬間に歌いはじめる、演奏の概念を変える楽器。
- 自由に歌う楽器を叶えた技術、Vocal Synthesis。
- 口ずさむような感覚で「歌う」鍵盤楽器で新しい音楽を生み出す。
- 楽器の歌声がアイデアとイメージを膨らませてくれる。
- 特別な機材やスキル要らずですぐに始められる。
- リアリティを追求してこだわり抜いた楽器としての音の表現力。
- 表現の自由度が格段に上がる多彩なエフェクト。カシオ独自の100種類4系統のDSPエフェクトを内蔵
- コンパクトなのに見た目以上のパワフルなサウンド。
- 自分らしい音楽を探求できるサンプリング機能。スマホやタブレットなどから好きな音を取り込むことができます。
仕様
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鍵盤
- 鍵盤数:61(ピアノ形状鍵盤)(※1)
- タッチレスポンス:3種類、オフ
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音源
- AiX音源
- 最大同時撥音数:64
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音色
- 900(内蔵歌詞音色100種類を含む)
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レイヤー
- 3 (アッパー1/2, ロワー1)
- スプリット
- サステイン
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Vocal Synthesis
- 歌詞音色:内蔵100種類/ユーザー最大150種類
- 歌詞音色演奏モード:フレーズモード、ノートモード
- ボーカリスト:内蔵22種類/ユーザー1種類
- ボーカリストフォーマット:44.1 kHz, 16 bit, モノラル
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エフェクト
- リバーブ:24種類+各音色固有設定
- コーラス:12種類+各音色固有設定
- ディレイ:15種類+各音色固有設定
- DSPエフェクト:100種類+各音色固有設定
- マスターイコライザー:10種類+ユーザー1種類
- ボリュームシンクイコライザー
- サラウンド
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リズム&自動伴奏
- 内蔵リズム:243
- ユーザーリズム:50
- ワンタッチプリセット:243
- コード:カシオコード、フィンガード1、フィンガード2、フィンガード オン ベース、フィンガードアシスト、フルレンジコード
- リズムバリエーション:イントロ、ノーマル、ノーマルフィルイン、バリエーション、バリエーションフィルイン、エンディング、シンクロスタート、シンクロストップ
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メトロノーム
- 拍子:拍子ベル音オフ、1~16拍子
- テンポ:20 ~ 255 タップテンポ
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アルペジエーター
- 150種類
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オートハーモナイズ
- 12種類
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曲
- ユーザーソング:10
- パートオフ:右手、左手、両手
- デモ曲:2
- USBメモリー曲再生(981曲まで)
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レジストレーション
- 最大64セット(4セット×16バンク)
- レジストレーションシーケンス
- フリーズ機能
- マイセットアップ
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トランスポーズ
- _-12 ~ 0 ~ +12半音
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オクターブシフト
- _-3 ~ 0 ~ +3 オクターブ
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チューニング
- A4 = 415.5 Hz ~ 440.0 Hz ~ 465.9 Hz
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スケール
- 平均律+16種類
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MIDIレコーダー
- 曲数:5
- トラック数:6
- 容量:40,000音符(1曲ごと)
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サンプリング
- 入力方法:オーディオイン/メディア (wav)
- 種類/サンプリング時間:サンプリングメロディ×1/約10秒、サンプリングドラムセット×1/約3秒
- フォーマット:44.1kHz、16ビット、ステレオ
- ループ機能
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ピッチベンドホイール
- 0~24半音
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コントロールノブ
- 3(パラメータコントロール用)
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液晶画面
- タイプ:フルドット
- バックライト付き
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MIDI
- GMレベル1準拠(※2)
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ワイヤレス機能
- Bluetooth®バージョン5.0
- AUDIO対応プロファイル:A2DP、対応コーデック:SBC
- MIDI対応プロファイル:GATT(MIDI over Bluetooth® Low Energy)
- (付属ワイヤレスMIDI & AUDIOアダプター WU-BT10使用時)
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APP機能
- Lyric Creator
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入出力端子
- ヘッドホン:ステレオミニジャック
- ラインアウト(L/MONO、R):標準ジャック
- ペダル1:標準ジャック
- ペダル2/エクスプレッション:標準ジャック
- AUDIO IN:ステレオミニジャック
- USB Type A (TO DEVICE)
- micro USB Type B (TO HOST)(※3)
- ストラップピン
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スピーカー
- (13cm x 6cm) x 2
- 水平型バスレフスピーカーシステム
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アンプ出力
- 2.5W + 2.5W
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電源
- 家庭用AC100V電源:付属ACアダプター AD-A12150LW使用 (DC 12V)
- 電池:単3形アルカリ乾電池/単3形充電式ニッケル水素電池×6本
- 電池寿命:連続動作時間 約3時間 ※条件による
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消費電力
- 7.5 W
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サイズ(幅×奥行×高さ)
- 930x258x91mm
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質量(電池含まず)
- 4.7kg
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付属品
- ワイヤレスMIDI & Audioアダプター(WU-BT10)、譜面立て、ストラップロック、ACアダプター(AD-A12150LW)
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別売品
- ペダル SP-20・SP-3、ヘッドホン CP-16、スタンド CS-2X、イス CB-30BK/BN/WE・CB-7BK/BN/WE・ CB-5、ソフトケース SC-650B、ACアダプター AD-A12150LW(付属品と同型)、ワイヤレスMIDI & Audioアダプター WU-BT10(付属品と同型)
JANコード
- (※1)箱型の形状をした鍵盤です。(白鍵のサイズ:長さ約136mm × 幅約22mm)
- (※2)MIDI端子は付いていません。USB端子またはBluetooth® を使用したMIDI通信が可能です。
- (※3)USBケーブルは付属していません。パソコンとの接続には、市販の適合USBケーブルをご使用ください。
発売日
2022年3月1日
販売価格
¥55,000(税込)
JANコード:4971850315148
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Vocal Synthesisの歌詞作成などを行うための専用アプリ「Lyric Creator」
専用アプリ「Lyric Creator」を使うと、歌詞の入力や日本語・英語をベースにした詳細な発音編集、いくつかの歌詞フレーズを組み合わせて曲として演奏できるシーケンスデータの作成、好きなオーディオデータからのオリジナルボーカリスト作成なども可能です。
歌詞を入力
既存またはオリジナルの歌詞をiOS/Android専用アプリ「Lyric Creator」に入力して、CT-S1000Vに転送して歌声を演奏できます。歌詞は日本語・英語のいずれかのテキスト入力で作成。入力した歌詞は自動で音節単位に分割できます。もちろん手動で分割位置の調整や複数音節を結合することも可能です。
譜割りを設定
それぞれの歌詞(音節)の音の長さを指定したり、休符を入力したりすることで、「フレーズモード」で発音される譜割りを設定できます。各歌詞音色はテンポ情報を持っており、CT-S1000V本体でテンポを変更することが可能です。またDAWやMIDI機器からのMIDI Clockを受けてテンポを同期させると、自由に鍵盤を弾いても歌詞フレーズは常にバックトラックとシンクロするため音楽が破綻することがなく、新たな演奏表現の可能性が広がります。
発音を微調整
各音節の発音はその構成要素(音素)単位での編集が可能です。微調整することで、より明瞭な発声はもちろん、地域によるアクセントの違いの表現や、日本語・英語以外の言語の発音に近づけることもできます。(※選択できる音素は日本語・英語に存在するものに限ります)
歌詞をつなげて長いフレーズを作る
歌詞(音節)の音の長さが全て8分音符の場合、1つの歌詞音色は100音節まで入力できます。さらに、楽器に転送した複数の歌詞音色を連結させて、長いフレーズを作成することが可能です。この機能を使うと例えば音節の細かいコントロールは一つ一つの歌詞(音節)単位で行いながら、1曲分の歌詞を歌わせることもできます。
ボーカリスト(歌声音色)を作る
「Lyric Creator」を使って、スマートフォン/タブレットに保存されているオーディオファイル(wavフォーマット、16bit/44.1kHz、mono/stereo、10秒以内)からオリジナルのボーカリストを作成して、CT-S1000Vに読み込ませることができます。性別や年齢のほか、デフォルトのオクターブ音域、ビブラートのかかり方などの設定が可能です。
ユーザーボーカリストに読み込ませられるサンプル波形(SawC4+WhiteNoise.wav)は以下のリンクからダウンロードできます。
https://support.casio.jp/download.php?cid=008&pid=318
スマートフォン/タブレットとCT-S1000Vの接続
アプリをダウンロードしたスマートフォン/タブレットをUSBケーブルでCT-S1000Vと接続すれば、歌詞音色やシーケンス、ボーカリストのデータを転送できます。作成した歌詞音色データやボーカリストデータは専用フォーマットで書き出すことが可能。これにより、他のスマートデバイスで作成したデータや、自分以外のユーザーが作成したデータを活用できます。さらに、DAWソフトなどで編集したMusicXMLファイルの歌詞や音価情報を読み込むことも可能です。また、CT-S1000Vの空き容量の確認やデータの削除、データタイトルの変更などもアプリの操作で行えます。