マイクを扱う際の注意事項
理由はともかくとにかく、まずこれだけは覚えておきましょう!まずマイク全般。
- ケーブルを抜き差しする際はミキサーなどのマイク・チャンネルはオフかボリュームゼロ
- マイクは「吹いたり」「叩いたり」も厳禁!必ず「声でチェックする」・・チェック、ワンツー、ハーハーヘイヘイ・・・
- マイクのグリル部分を手で覆わない⇒ハウリング(スピーカーがキーンというあれ)が起きたり音抜けが悪くなる
- ダイナミックマイクにはファンタム電源を送らない(OKと書いてあるサイトもありますが、ダメ!ゼッタイ)
- 湿気は避ける
次にファンタム電源を使用するコンデンサーマイクを使うときは、
- コンデンサーマイクのケーブルを抜き差しする際は必ず「ファンタム電源をOFF」にしてから!その際ミキサーのマイク入力のゲイン、ボリュームはゼロ
- ファンタム電源をOFFにしてもすぐにはマイクからケーブルを抜かない(電圧がコンデンサーに残っているので)20秒以上待てば確実
- ファンタム電源をONにするときはミキサーのマイク入力のゲイン、ボリュームはゼロにする
コレを守らないと
- 機材が壊れた!(マイク、ミキサー、スピーカー)
- 感電した!
などの事故が起きる可能性があります。気をつけましょう。
ついでに基本事項、
- ミキサーやアンプを使いスピーカーから音出ししている際は、スピーカーの電源は最初に切って、最後に入れる
- とにかく何かしら抜き差し時は「ボリューム下げる」が鉄則です。
以上を守りましょう・・・・なんだか「スタジオご使用上のお願い」みたいになってまいりましたが、でもこれホント大事なことなのですよ~
指向性
マイクの違いで次に重要なのはこの指向性。要はどの方向の音を集音できるかという特性を表します。目的によってさまざまな指向性のマイクが発売されていますので、自分の目的にあった指向性のマイクを選ばなくてはなりませんね。(図:Wikipedia)図はマイクの集音部を中心としてどの方向の音が集音しやすいかを表しています。
単一指向性(カーディオイド)
正面に対して感度が良いタイプで、ボーカリストがライブで使う、ギターアンプを狙うなど一般的なマイクの指向性です。指向性のグラフが心臓(カーディオイド:ギリシャ語が語源)の形に似ているのでこの名がついています。コンデンサーマイクの中にはどの方向に指向性があるかわかりづらいものもあるので注意しましょう。
指向性がさらに鋭いものはその程度によって「スーパー<ハイパー<ウルトラ<ショットガン」(各カーディオイド)と呼ぶ場合があります。TVのロケやバラエティー番組の客席前方で使われている「ショットガンマイク」は最も指向性がスルドイというわけですね。
ショットガン↓
単一指向性は正面の音はよく拾って後ろはあまり拾わないという指向性ですが、ワザとマイクの後ろに回ってセリフを録音すると、人物があたかも後ろに回ってしゃべっている雰囲気を出すことができます。ドラマなどで人が遠ざかっていく演出等でも使用されます。
無指向性(ノンディレクション/オムニダイレクション)
マイクの360度方向に指向性があります。ある部分を狙うのではなく会場全体などの音を収録する際に使用されるタイプです。スタジオでの部屋鳴り(アンビエント)、会議の録音、襟元に付けるピンマイク(ラベリアマイク)といった用途で使用されるケースが多いようです。
双指向性(ツインディレクション)
マイクの表裏面にそれぞれ単一指向性があるタイプです。ラジオ番組などで向き合った二人の会話を1本のマイクで収録する際に使用されるケースが多いです。
以上の特性を大体理解できれば、少なくとも間違って自分に不向きのマイクを買ってしまうということは無いと思います。
指向性を可視化するiPadアプリ!「Arapolarmic」
用途別マイク選び
さてダイナミックマイクとコンデンサーマイクの性質の違い、
- ダイナミックマイク:電源不必要、丈夫で比較的湿度に強い、感度が低い、
- コンデンサーマイク:電源必要、振動や湿気に特に弱い、感度が高い、
そして、指向性を考慮しながら「何に使うか?」でマイクを選ぶことになりますが、ライブなどで機材移動やセッティング、本番のアクション等を考慮すると、どうしても高価なコンデンサーマイクは使いづらい・・・どうしてもここはコレというところ以外はダイナミックが選ばれる傾向があるようです。
逆にスタジオ等で繊細なサウンドを録音したいということであればコンデンサーマイクは必須となるでしょう。
対象別の定番・オススメ機種を紹介します。ヴォーカルの場合は声質によって相性があると思いますので、実際には使って試してみたいところですね。
ライブで使う
ボーカル用マイクとしてはなにはなくともまずはコレ! SHUREのSM58(ゴッパーという呼称が有名)一家に一本 30年以上の超ロングセラー!
シュア SM58
他にもBeta58といったラインナップがありますが、周波数特性、カーディオイドとハイパー・カーディオイドといった違いがあります。
シュア Beta58A
指向性のあるマイクで比較的小さい音を拾う場合、低域(ロー)が強調される「近接効果」という現象が起こるのですが、この58は予めローカットが施されているモデルです。もしコレをボーカル以外の音源から遠ざけて(オフマイクで)使用する場合は、逆に低域のないサウンドになってしまうので注意が必要です。
ギター(アンプの出音を録る)やドラムなどで使用される定番といえば同じくSHURE SM57(通称ゴーナナ)。これまた58同様の超ロングセラー
SHURE SM57
ライブでもよく使用されるコンデンサーマイクには耐久性に優れたSHUREのBeta87があります。コレも良く目しますね
シュア BETA 87A
音抜けが良くハウリングに強いボーカル専用ダイナミックマイクロホンは
オーディオテクニカ AE6100
ジャズなどのサックスやトランペットのベルを狙う場合、クリップタイプのコンデンサーマイクも多くのミュージシャンに愛用されています。
SHURE Beta98H/C
次ページはレコーディングで使うコンデンサーマイクについて
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