AlphaTheta SLAB 実機レビュー!Serato Studio初の専用MIDIコントローラーをチェック!

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AlphaTheta SLAB 実機レビュー!Serato Studio初の専用MIDIコントローラーをチェック!

記事中に掲載されている価格・税表記および仕様等は予告なく変更することがあります。

こんにちは、島村楽器名古屋パルコ店の立浦です。
本日はAlphaThetaより発売されたMIDIコントローラー「SLAB」をご紹介!

SLABは、Serato社のビートメイク向け音楽制作ソフト「Serato Studio」専用として、両社がタッグを組んで開発した初の公式パッドコントローラー。制作からライブパフォーマンスまでを1台で完結できる、今注目のビートメイクツールです。
当店でも実機展示を開始しましたので、早速実機を使ってチェックしていきましょう!

見た目やサイズ感

こちらがSLABのトップパネル。
落ち着いたグレーのカラーリングで、非常に洗練された印象です。

視認性の高いOLEDディスプレイ、LED付きの4×4パッド、パラメーター操作用ノブ、タッチストリップなどがバランス良く配置されています。 パッドの感度も良好で、ベロシティ・アフタータッチにもしっかり対応。

特に印象的なのはメインのコントロールを行うダイヤルノブの大きさ。
クラブやステージなど暗所での操作性をしっかり考慮した設計で、AlphaThetaらしいDJ機器的アプローチを感じます。

再生・録音ボタンの配置やサイズ感も、DDJシリーズやCDJ-3000などの同社DJ製品を使い慣れた方ならすぐに馴染めるはず。

各ボタンには役割が明確に表記されており、 そのまま押すと上段、SHIFTを押しながらだと下段、さらに長押しでボタン下に記載された別機能へアクセスできるようになっており、操作を覚えやすい設計になっています。

サイズは 幅284.3mm × 奥行209.0mm × 高さ44.6mm/重量1.0kg
同価格帯・同ジャンルの
・Native Instruments MASCHINE MIKRO 3
・AKAI MPC Studio 2
と並べてみると、上記の通り、SLABは奥行きこそややありますが横幅は最もコンパクト。
デスク環境でも扱いやすいサイズ感です。

タッチストリップ(感圧式のスライダー状のコントロール)では、Serato Studio 内のフィルターやエフェクトなどのパラメーターを直感的に操作できるようになっています。通常の打ち込みと合わせて使うことでパフォーマンス性がさらに向上しますね!

付属のUSBケーブルも本体カラーと統一されており、片側L字仕様なのは地味ながら嬉しいポイント。狭いスペースでも取り回しが良いですね!
背面端子はUSB-Cとケンジントンロックのみ。MIDI端子やペダル入力はありませんが、Serato Studio特化型と割り切った構成と考えれば納得です。

Serato Studioとの親和性

SLABはSerato Studio用に開発されているため、 ソフトを起動してUSB接続するだけですぐ制作に入れるのが最大の魅力かと思います。
Serato Studioには、基本的な機能のみが利用できる無償版と、すべての機能を制限なく使用できる有償版があり従来であれば追加費用が必要となりますが、SLABをパソコンに接続すると「ハードウェアアンロック」が行われます。別途ライセンスを購入しなくても、Serato Studioの有償版と同等のフル機能を追加費用なしで利用可能です。

起動後は、New BeatもしくはNew Remixのプロジェクトを選択可能で、New RemixはDJのリミックスに関するものになりますので、ビートメイクを行うのであれば基本はNew Beatからスタートする形になるかと思います。
ジャンル別テンプレートも用意されており、立ち上げるとジャンルに応じたドラムキットが即座に読み込まれるため、「まず音を出す」までがとにかく早いです。

画面構成も非常に分かりやすく、
左上:ドラムキットやサンプルの編集  右上:シーケンス構築  下部:音源・FX・プラグイン選択
とセクションごとに役割がしっかり分かれた直感的な配置。

上部のFXボタンをONにするとエフェクトのセクションが表示される部分など、Serato DJと共通する項目も多く、またSerato DJのライブラリをそのまま参照できるのも本ソフトの大きな強みです。
BPMやKEYの自動解析・一覧表示も優秀で、 「DJだけどトラックメイクにも挑戦したい」という方には特に相性が良い製品だと思います!

ビートメイクの快適さ


先ほどのNew Remixからジャンルを指定してプロジェクトを立ち上げれば、既に何らかのドラムキットが読み込まれているので、SLAB本体のパッドを叩けばソフトウェア上ですぐにビートを鳴らせます。
また、そのまま本体左下の録音ボタンを押せばカウントが始まり、ビートを録音することが出来ます。


また、本体左のDIAL MODEをLIBRARYにしてダイヤルノブを回すとDRUMフォルダ内のキットを参照・選択できます。(ノブをプッシュすると選択したドラムキットが読み込まれます)そのままダイヤルノブをプッシュすると選択したキットや音色が新たなトラックとして追加されますが、SHIFTを押しながらプッシュすることで今のトラックに上書きすることもできます。

リアルタイム録音、ステップシーケンス、AUTO SETによるジャンル別ビート生成など、 アイデアを止めないための機能が非常に充実しています。 シーン拡張(最大24シーン)も直感的に操作でき、 ライブパフォーマンスを意識した作りになっている点も良いですね!



立ち上げた段階では16ステップとなっていますが、SLAB中央のSCENE SIZEというボタンでステップ数を1~8の間で増減でき、またSerato Studio内のシーンバンクで新たなシーンを最大24まで追加し、展開をつけていくことが可能です。シーンのエディットについてはこちらのDirigent様の記事が参考になると思います。

またHIPHOPやTRAPのトラックメイクに欠かせない高速ハイハットを入力するNOTE REPEAT機能もしっかり実装。
NOTE REPEATボタンを押しながら、もしくはSHIFT+NOTE REPEATボタンを押してからパッドを押すとそのパッドがリピートされ、上部つまみの一番右を回すと1/4 ~ 1/32の間でリピートの間隔を設定できます。
また、冒頭のタッチストリップでもNOTE REPEATの値をリアルタイムにコントロール可能です。

自身で叩いてリアルタイム録音してもOKですし、STEP SEQUENCE(SHIFTを押しながら本体上部の左から3番目のボタン)に移行すれば、各サンプルをステップに一つずつ打ち込んでいくことも可能です。

また、ドラムキットを立ち上げた状態でAUTO SETボタンを押すと、Serato Studio内に収録された各ジャンルのリズムパターンの呼び出し・切り替えが可能。自分で打ち込まなくても、パターンを活用してビートメイクもできちゃいます!

ちなみにSLABのパッドでドラムを叩いたり打ち込みを行う際、AKAI MPCやその他のサンプラーなどを叩いている方にはキックやスネアの位置に違和感があるかもしれません。
キックが16パッドの最左下、スネアはその横、といった配置が一般的ですが、SLABやSerato Studioではなぜか反転しているんです。そのため、慣れている方は違和感があるかもしれません。

そんな際は、画面の右上の歯車アイコン ⇒Setup画面の左側General、もしくはサンプルを右クリックするとReverse Pad orderという項目が出てくるので、そちらをONにすることでサンプルの位置を逆にすることができます。
個人的にはこっちの方がやはりしっくりきますね!

また、作成したビートにFX(エフェクト)を載せることももちろん可能です。
Serato StudioのFXの概要についてはこちらのDirigent様のページで解説されているので割愛しますが、SLAB上のコントローラーつまみやタッチストリップを使ってエフェクトのかかり具合を調節したりPADを使ってかかるエフェクトをリアルタイムに切り替えていくことが可能!
トラックメイクやエフェクト操作をより感覚的に行うことが出来ますね!

サンプル操作・メロディ制作

ドラムトラックとは別に、サンプリング素材を使用するサンプルトラックやプラグインを使用するインストゥルメントトラックも用意されています。
オーディオサンプルを読み込むと自動でスライスされ、 考える前に叩けるのがSerato Studioらしいアプローチ。
通常のビートメイクソフトやサンプラーソフトなら、ここから自分でサンプルをスライスする必要が出てきますが、余計なことを考えず、すぐに音出しができるという点でこれも何気に嬉しい仕様ですね!

ドラムトラック同様、AUTO SETボタンを押すとランダムにスライスポイントを切り替えられたり、割り当てられたサンプルが気に入らなければDELETE+対象のパッドを押すことでスライスポイントを削除することが出来ます。

また、DIAL MODEをDECK SCRUBにしてダイヤルノブを回すとサンプルの再生位置を、SLICE EDITにしておくとスライスポイントを行き来出来るようになります。

本体のPIANO MODEボタンを押すと選択したサンプルやスライスポイントの音を、パッドで音階をつけながら演奏ができるようになります。
上記画像のようにSerato Studio 本体の波形の下も鍵盤のような配列に変わり、打ち込みを行うセクションも音階の表示になり、一般的なDAWにもあるピアノロールのような打ち込みが可能になります。
画面上、もしくはPIANO MODEボタンを長押しすると指定されたスケール内の音のみパッドに配置されるPLAY IN KEYという機能も有効に出来ます。

また、サンプルトラックではなくインストゥルメントトラック限定ではありますが、PLAY IN KEYに加え、1つのパッドを押すとコード(和音)が再生されるAUTO CHORDという機能も実装されています。これらも便利ですね!音楽知識や理論を把握していなくても、自身のニュアンスやフィーリングでメロディやベースを構築していくことが出来ちゃいます。

Serato Stems × SLAB

Serato Studioの目玉機能である Serato Stems も、 SLABからリアルタイム操作可能。
Serato Stemsは、機械学習を使って1 つの楽曲・オーディオサンプル内の主要なパート(ボーカル・ベース・メロディ・ドラム)を分離し、それぞれを個別に制御でき、またトラックメイクに活用できるというもの。
楽曲からボーカルだけを消したり、ドラムやベース、メロディだけを抜き出すといった作業が、このSLAB上からリアルタイムにコントロールすることが可能です。

上部中央のENCODER MODEボタンで“DECK STEMS”という項目に合わせると、右上のつまみで右からVOCAL/MELODY/BASS/DRUMの音量を可変させることが可能となります。サンプルを再生させながら、ノンストップでいじれるのが凄まじく便利ですね!

上記のような感じでSLABのつまみを操作して、自分の好みのトラックから任意のパートを素材として抽出しビートに入れ込む、といった作業もスピーディに行うことができちゃいます!

いかがでしたでしょうか?
本日はAlphaTheta SLABについてご紹介させていただきました。

  • Serato Studioとの圧倒的な親和性
  • 直感的で初めての方でも分かりやすい操作性
  • DJ目線を強く意識した設計

が際立つ、新世代のビートメイクコントローラーだと感じました。
「初めてのトラックメイク」から 「DJ+プロダクション」まで、幅広いユーザーにおすすめできる1台に仕上がっています!

島村楽器名古屋パルコ店にも実機を常時展示中!
気になる方は、ぜひチェックしてみてください🎵

発売日

2025年12月18日

販売価格・ご購入はこちら

  • 価格は予告なく変更となる場合がございます。実際の販売価格はオンラインストアの表示価格および最寄りの店舗でご確認ください。
品名販売価格
品名
JANコード:4573201243331
¥46,200(税込)

この記事を書いた人

名古屋パルコ店 シンセサイザー / DTM / DJ 担当 立浦(たてうら)

シンセサイザー、DTM、DJ等デジタル機材の事ならお任せください!逆に子育ての事、教えて下さい!

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