こんにちは、島村楽器名古屋パルコ店の立浦です。
本日はTeenage Engineeringから新たに登場したサンプラーEP-40 riddim Supertone、そしてスタンドアロンで動作するハンドヘルド型ライブマイクツールEP-2350 ting fxについてご紹介させていただきます。


EP-40は、同社から発売されているEP-133 K.O.Ⅱ、EP-1320 Medievalに続くシリーズ第3弾としてリリースされ、レゲエ・ダブ・ダンスホールなどのジャンルに焦点を当てており、ユニークな見た目やシーンを代表するアーティストによるジャンルに特化したサンプルライブラリーを収録、また新開発のシンセエンジン「SUPERTONE」を搭載した新たなモデルです。
またEP-2350はEP-40と共に使用することで真価を発揮するスタンドアロン動作のFX/サンプル再生機能付マイクで、本体に4種のエフェクト、やエアホーン/レーザーなどのサンプルを4種備え、ライブや制作にボーカルとグルーヴを加えてくれるユニークなアイテムです。
本日は、そんなEP-40 riddimとEP-2350 ting fxについて、実機を使ってご紹介していきたいと思います。
動画にて実機レビュー中!
外観・端子類

各モデルを並べてみるとこんな感じ。
筐体サイズやボタンの配置など基本的な部分は他EPと同一となりますが、クリーム色の筐体と緑・オレンジ色のつまみ・ボタンというラスタカラーやディスプレイ上のパームツリーなどのアイコンなど含め、レゲエっぽさを想起させるデザインが独特でとってもキュート!




この見た目だけでも購入意欲をそそられます!



パッケージ自体も結構おしゃれで、巨大なスピーカー群(サウンドシステム)を前に踊る人々の姿と本体と同じラスタカラー配色で、ジャマイカ文化を連想させるデザイン。
パッケージの形も以前より少し変化しており、取っ手がついており箱に収納して持ち運びやすくなっていたり、本体フェーダーやノブのキャップを取り付けたまま収納できるようになっています。

※ちなみにEP-133 K.O.ⅡやEP-1320 Medievalの箱は、こんな感じの正方形の箱で、本体のノブにつけるキャップが外されて個別に収納されてました。



基本的な製品概要はEP-133 K.OⅡやEP-1320 Medievalと同様!
筐体のサイズや重量、ボタン配置、また電池駆動対応や内蔵マイク・内蔵スピーカー搭載といった点は従来のEPシリーズをそのまま踏襲。

端子類も基本変わりはなく、INPUTから接続した外部音声をサンプルングできる点やSYNC/MIDI入出力から外部ハードとの連動出来る点も同じ。
ユーザー用サンプリング容量は最大128MBと、EP-1320 Medievalと一緒です。(EP-133 K.O.Ⅱは64MB)

そして本機種の担当推しポイントである“レゴ”が取り付け出来る点もしっかり引き継がれています!
EP-133 K.O.ⅡやEP-1320 Medievalとの違いや新機能
見た目以外の本機種と他EPシリーズとの違いを順にご紹介しましょう。
ジャンルに特化した多数のサンプル
上記でも触れましたがサンプルプリセットがレゲエ・ダブ・ダンスホールといったジャンルに特化したものになっています。
手作りのドラム、パーカッションサウンド、ベース、リード、コードスタブ、サウンドエフェクト、ボーカルシャウト、マルチサンプルのキー、メロディカ、ギターなど、実に300以上のオリジナルサンプルが大量に収録されています。
※動画の10:12〜で紹介しております
シーンを代表する数々のアーティスト(King Jammy、Mad Professor、Mafia & Fluxy、Dre Skull等、)の手によるものとのことで、ジャンル向けに即戦力となりそうなサンプルばかりで、それらのサウンドやトラックを使ってすぐに演奏や楽曲制作を楽しむことが可能です。
また、収録されたサンプルを使ったアーティストによる楽曲プロジェクトも収録されています。
シンセサイザーエンジン『SUPERTONE』

個人的に一番注目ポイントが本体にも記載されているこのSUPERTONE!
本機種にはシンセサイザーエンジンを搭載しており、サンプラー機能と併用して使うことができます。
※動画の13:46からご紹介しております
レゲエ及び関連ジャンルに特化したプリセット(SU.0〜SU.9の合計10)が用意されており、いずれもクラシックな減算合成(Subtractive Synthesis)のシンセで、シンプルながら豊かなサウンドを提供してくれます。

SU.0 〜 SU.3はベース向け
SU.4 〜 SU.6はリード向け
そしてSU.7〜SU.9にはダブサイレン系のシンセサウンドが収録されています。
この7 – 9のサウンドはパッドを押し込むことによりモジュレーションを掛けることも可能です。
また、プリセットによって調整できるパラメーターが一部異なっているようです。
※AMP(音量)、PITCH(音程)、AMP EnvelopeのAttackとReleaseは固定で調整可能
一般的なシンセサイザーと比べるとエディット可能な要素は遥かに少ないのですが、シンプルが故に使いやすいシンセだと思います。
特にSU.7〜SU.9ダブサイレン系の音は、EP-40のリバーブやディレイなどのエフェクトと組み合わせるとかなりそれっぽいサウンドを手軽に出すことが可能です!
LOP/ループプレイモード

サンプルの再生方法に“LOP”というモードが新たに加わりました。
※これまではONE(ワンショット)/KEY(キーボード)/LEG(レガート)の3つ
LOPモードは、ループ再生できるサンプルをテンポに合わせて鳴らすためのモードでDJ的なループプレイや、常にバックで鳴らしたいリズム・ベースループなどを再生する際に使用するものです。
一般的なサンプルがパッドを叩いた時だけ、またはシーケンスに入れて再生された時に鳴るのに対して、LOPに指定したサンプルは、シーケンスが動いている時には常に再生され続けます。※パッドがミュート解除(アンミュート)されている時だけ音が出ます。
言葉だとわかりにくいので、こちらは動画の17:59-をチェックしてみて下さい!
LIVE-STATE

SOUND+MAINボタンを同時することで、LIVE-STATEという機能をON/OFFすることができます。
これはユーザーがライブパフォーマンス中に誤ってボタンを押してトラブルになるのを防ぐための保護機能で、指定したパラメーターやつまみの機能を無効にすることができるようになります。

SHIFT+ERASE(SYSTEM設定)の“LIV”という項目から無効にしたいパラメーターを選択でき、例えばFDR(フェーダースライダー)をOFFに設定しておくと、LIVE-STATEがONの時はフェーダーを動かしてもパラメーターが変化しなくなります。
これは何気に便利な機能ですね!
無効にできる機能は下記の通りで、もちろん各項目を任意に同時にON/OFF可能です。

そして、もう一つのユニークな点として、このLIVE-STATEを有効にしている時にTEMPOを操作・変更すると、再生速度とサンプルのピッチが同時に変わるいわゆるバイナルモードのようになります。
LIVE-STATEを終了すると、システムは元のプロジェクトテンポに戻るので、一時的なピッチアップ/ダウンエフェクトとして機能させることができます。
LIVE-STATE機能については動画の20:58-と22:02-でチェックしてみて下さい!
FX、パンチインFX
メインのFXセクションにビンテージスタイルのフェイザーエフェクトが追加されました。
また、リバーブやディレイも他EPのものと若干異なるダブスタイルのローファイディレイ、スプリングリバーブに変更されています。

また、EPシリーズを始めTeenage Engineeringの製品に搭載されているライブ/パフォーマンス用途向けのエフェクト機能パンチインFXの一部も少し変化しているようです。(以下)
pad 7 スタッター:3連符を削除
pad 8 オクターブダウン:ピッチアップの代わりにダブルオクターブダウンを実行
pad9 ビットクラッシュ:ビットリダクションを削除、ダウンサンプリングを軽減
サスティンループ
EP-40のサンプルエンジンは「サスティンループ(持続ループ)」に対応しており、短いサンプルでも、パッドやシンセトーンのように持続した音を再生できるようになっています。あらかじめ本体のサウンドバンクに収録されている一部の音色では、このサスティンループ機能がすでに活用されています。
サスティンループが有効な場合、パッドを押し続けている間は音のピッチが維持され、KEYSモードではサンプルを複数のオクターブにわたって演奏することが可能です。また、パソコンのオーディオ編集ソフト(別売)を使って、ループポイントを埋め込んだ独自のサンプルを作成することもできます。
その際、EP-40で正しくループを読み取り・再生できるように、ループマーカーをメタデータとして埋め込んだWAV形式で保存してください。
EP-2350 Ting FX

リーク情報が出回ってから「これは何?」と気になっていた方も多いのではないでしょうか。
このEP-2350 Ting FXはスタンドアロン動作のFX/サンプル再生機能付マイクです。
EP-40のデザインと合わせたカラーリングで可愛いですね!
4種のエフェクトやエアホーン/レー ザーなどのサンプルを4種、マイク本体に内蔵でしており、レゲエやダブパフォーマンスを手軽に楽しむことが可能です。
こちらも動画の24:47から実機にてご紹介中です!



側面にトリガーやエフェクトやサンプルを切り替えるボタン、そしてサンプルをトリガーするボタンがあります。
4つのエフェクトプリセット(例:エコー 、ロボット)をオレンジのボタンで選択・使用することができ、また、グリーンのボタンでインスタントサンプル 4つの内蔵サンプル(サイレン、ガンショット)を選択・切り替え、その下の白いボタンで選んだサンプルを再生できます。
接続は3.5mmジャックで、基本的にはEP-40のINPUTに接続して使用しますが、スタンドアロンのマイクとしてもお使いいただけます。

電源は単4電池2本で駆動、使用していないときは自動的に電源オフとなり、電池の消耗を防ぎます。
マイク表面の部分を取り外すと電池を入れる部分が見えます。
また、本機種にも他EP同様、ここにもレゴが取り付け可能です。レゴを使って陽気な見た目に仕上げてみるのも面白そうです。
いかがでしょうか?
EP-40 Riddim SUPERTONE、そしてEP-2350 Ting FX、とっても面白い電子楽器です!
初回ロットのみEP-40とEP-2350がバンドルになった、「EP-40 + EP-2350 launch kit」として11/4より販売開始、以降12月頃より個別販売が予定されています。
島村楽器の対象店舗でもお取り扱いいたしますので、気になる方はぜひチェックしてみてください!
主な仕様
- 製品の仕様やデザイン、動作環境などは予告なく変更することがあります。
EP-40 Riddim SUPERTONE
EP-2350 Ting FX
発売日
2025年11月4日
販売価格
- 価格は予告なく変更となる場合がございます。実際の販売価格はオンラインストアの表示価格および最寄りの店舗でご確認ください。
| 品名 | 販売価格 |
|---|---|
| EP-40 + EP-2350 launch kit (初回限定バンドル) JANコード:4533940358710 | ¥55,000(税込) |

この記事を書いた人

名古屋パルコ店 シンセサイザー / DTM / DJ 担当 立浦(たてうら)
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