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こんにちは、サカウエです。先日開催されたリオ五輪閉会式のセレモニー「RIO to JAPAN」の演出が話題になっておりましたが、そこで流れた「君が代」にビックリした方も多かったと思います。2016/8/24追記:ボカロで打ち込んでみました(ベタ打ち注意)
「君が代」は1:37~より
ふだん聞き慣れた君が代とはまったく趣の異なる曲風でしたね?作曲家の三宅純氏によるアレンジには、SNSでは多くの賛辞とともに
「攻殻機動隊っぽかった」
「ブルガリアンヴォイス?」
といった反応もあちらこちらで見受けられました。まあ「賛」もあれば当然「否」もあるわけですけれども・・・
映画「イノセンス」監督:押井 守 氏、音楽:川井 憲次氏・・確かに雰囲気は似ているかもしれません。
歌っているのは「西田和枝社中」民謡的なビブラートが特徴ですね
こちらはブルガリアのコーラス
ブルガリアンコーラスというのは名前の通り、ブルガリア地方に昔から伝わる女性合唱です。伝統的な歌唱法が使われており、非常に複雑なハーモニーが特徴です。ビブラートは日本民謡の「こぶし」に似ていると言われていますが、30年近く前、日本でも「癒しの音楽(ヒーリングミュージック)」として話題になったこともあります。なおブルガリア国立合唱団のパフォーマンスに限っては「ブルガリアン・ヴォイス」と呼ばれるらしいです。
芸能山城組によるブルガリアンコーラス
そういえば芸能山城組は映画「Akira」のサントラでも歌唱を担当していましたが、そのせいもあるのでしょうか、こうした音楽はサイバーパンク系の映画の世界観にマッチしているような印象をうけますね。
芸能山城組といえばこれも面白いです「ケチャの合唱パターン」
下図のように各パートが合体すると16分音符のパルスが生まれるわけですね。なんだかフュージョンに通じる(?)ものがある気がします。
ドンカマ(カウント)役がタンブール。プニャンロットが一番難しいかな?
ついでにPat Methenyの「Above The Treetops」 ・・これはたしかカンボジアの霊歌にコードを当てたもの
さて君が代に話は戻りますが、アレンジを担当した三宅純氏のライブでは、実際にブルガリアン・コーラスのメンバーと共演しています。
リオ閉会式のコーラスも彼女たちだったのでしょうか?
天使の声
なお合唱だけでなく楽器のアンサンブルにおいても、実際には鳴ってはいないのになぜか聞こえてくる音というものがあります。「天使の声」とも呼ばれるこの現象は、音と音が重ることによって生まれる「倍音」がうみだしているといわれています。
これはたとえば3人でド・ミ・ソをハモってみると、最適なリスニングポイントでは第4の音が聞こえてくるといった現象ですが、前述のブルガリアン・ヴォイスなどは「天使の声」が出まくっているような印象をうけますね。楽器も声もしっかりと発音していればいるほど倍音はでやすくなるとも言われているようです。
倍音といえばモンゴルの「ホーミー」という歌唱法も有名ですね。喉歌ともよばれています。
こちらはTuvan(モンゴルに隣接したロシアのトゥヴァ共和国)の喉歌「ホーメイ」 歌はコンガルオール・オンダール氏(Kongar-ol Ondar) 2:00位から
Anna-Maria Hefele氏による「Overtone singing」
これらはフォルマントという周波数のピークが現れる現象ですが、あらためて人間って凄いなあと感じさせる動画ですね。
VOCALOID(ボーカロイド)4に歌わせてみた。
そういうわけで後日、あらためて耳コピして Vocaloid4 に歌わせてみました。リオ「君が代」は、5度(4度)や2度を中心とした密集和音が使われているようで、ブルガリアンコーラスとは若干異なったハーモニーに聞こえます。ところどころジャズ的なハーモニー(Bb9thなど)やトーンクラスターも使われているようです。
本物とは異なるかもしれませんが4声のコーラスを想定し、それぞれダブリングトラックを作成。計8トラックのVocaloid4を使用しました(ライブラリは「VY1V4_Natural」を使用)耳コピ&製作時間1時間ですので詰めは甘いです。
超ベタ打ちノンビブラートですがお許し下さい。倍音は出てないかもしれません・・・(泣)
このアレンジに関しては色々な意見があると思いますが・・それでは失礼いたします。
倍音についてはこちらの記事をお読み下さい。
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