Apple Musicが使えるようになって、再度注目を集めている「Algoriddim djay」。すでにご存知の方も多いかと思われますが、初めてこのアプリを耳にする方のために改めて「djay」とはどんなソフトなのかをご紹介します。
※本記事でご紹介する「Algoriddim djay」の機能や対応などは最新ではない場合があるため最新情報はAlgoriddim社まで直接ご確認ください。また島村楽器・デジランドでのサポートは一切受け付けかねますことをご了承ください。
「djay」ってなに?どんなアプリ?

「djay」は、iOS、macOS、Windows、Androidといった主要なデバイスに対応し、数々の賞を受賞しているDJソフトウェアです。直感的なインターフェースと、AIを活用した「Automix」機能を搭載し、初心者でも簡単に楽曲をミックスできます。
また、リアルタイムで「ビート」「ボーカル」「インストゥルメント」を分離できる機能(※)も備えており、自由にリミックスを楽しむことができます。さまざまなMIDIコントローラーやDJプレイヤーにも対応しているため、クラブやライブパフォーマンスなど、さまざまなシーンで活用できます。
さらに、ビデオモードを利用すれば、音楽と映像を組み合わせたパフォーマンスも手軽に実現。ライブビジュアルエフェクトを楽曲に同期させる機能もあり、多彩な演出を楽しむことができます。
※ 非対応の場合があります。
「djay」の種類とその違い
djay にはさまざまなプラットフォーム上で利用するために4つのアプリがあります。
- 「djay for iOS」
- iPhoneやiPad向けのアプリです。基本的な機能は「djay Pro for Mac」と同じですが、AI 搭載ハンドトラッキング テクノロジーによるジェスチャーコントロールに対応しています。
- 「djay for Android」
- Androidデバイス向けのアプリです。iOS版と比べると多少機能制限があり、対応しているコントローラーは少ないです。
- 「djay Pro for Mac」
- Mac用のアプリで、多くのMIDIコントローラーに対応しています。また、より多くの情報をやり取りできるHIDコントロールをサポートし、対応しているハードウェアとスムーズに連携することが可能です。
- 「djay Pro for Windows」
- Windows パソコン向けのアプリで、多くのMIDIコントローラーに対応しています。また、ASIOサポートしていますので、高品質&低遅延で再生できます。
無料DJアプリとして人気のdjay
ここからは「djay」が人気になった過程とその魅力について、時系列に沿ってご紹介します。
2008年発売!Appleスタッフの遊び心から生まれたソフト
私が初めてdjayの存在を知ったのは2008年のことだったと思います。当時、ベスタクスの担当者から「Appleのスタッフが夏休みに遊びで作ったソフトが評判で製品化された」と、聞いたのが最初でした。この頃のdjayはMacのみの対応だったかと思います。iTunesの横にDJアプリが出てきて、iTunesの曲を使えることが衝撃的でした。

最初のdjay用コントローラーはVestaxの「SPIN」だったと思います。

2010年頃?にはiPad版も登場!
さすが元Appleのalgoriddim。iPad版のアプリも素早く開発されました。

Vestaxの「SPIN」をiPadに接続して使用することができました。

しかし、この当時は、iPadの仕様の限界で、DJコントローラーからは音が出ず、スプリットケーブルを使ってヘッドホンとスピーカーに音を分けていました。

2012-2013年頃から、iOSの主流のDJアプリに!
2012年末にはPioneer DJの「DDJ-WeGO」がMac版djayに対応し、2013年にはiPad版djayと接続するDJC-WeCAiがリリース。本体から音が出せるようにもなって、多くのメーカーからdjay用のDJコントローラーが登場。入門者に人気のセットアップとなりました。

2016年Spotify対応でユーザー急増
2014年頃から、djayでSpotifyが使えるようになったんですが、日本では2016年になってようやく利用可能に。ここで一気にdjayが広まり、超人気のDJアプリとなりました。

しかし!!
2020年にSpotifyとの連携が突如終了。。。コレはかなりつらかった。。。
2022年にDVS機能を搭載!
そんなことにはめげず、着々と機能を強化。
2022年にはアナログレコードで曲をコントロールする、DVSシステムに対応。

STOKYOとのコラボで、djay専用のコントロールバイナルもリリース

2024年にApple Musicがストリーミングで使用可能に!!
そして、今年2月に発表されたのが、Apple Musicとの連携です!!

Spotifyの例があるため心配する声もありますが、冒頭に書いたように、AppleとAlgoriddimは仲良しなんですよ。Apple Vision Pro用のdjayもリリースされたり、むしろ今後もAppleとの連携は強化されていくような気がします。(DJ HAGIの期待的予測)
Serato DJのプレイリストやHOT CUEもそのまま使える
これは、大きくアナウンスされていることではないんですが、実はMac版djayでは、Serato DJで作成した楽曲のプレイリストがそのまま表示できます。

楽曲にマーカーをつけて、瞬時に呼び出せるHOT CUEもそのまま使用可能でした。

iCloudでiOS、Macの同期ができる
2024年4月25日から、iPhone版djayでApple Musicを使い、HOTCUEを設定したり、プレイリストを作成したりすることができるようになりました。作成したプレイリストやHOTCUEはそのままMac版でもプレイすることができます。

クラブに設置されている機材でも使用可能
現場でdjayを使うなら、Mac版がオススメです。
安定感があって、突然アプリが落ちたりすることが少なく、対応している機材がMacの方が多いです。
詳細はこちらのページ(英語)に記載されていますが、CDJ-3000/2000NXS2/2000NXS/900NXS/XDJ-1000などがあれば、djayのコントローラーとして使用可能です。オーディオインターフェイス内蔵のDJミキサーなどがあれば、音声をDJミキサーに出力してプレイすることができます。

試しに、現場の機材でdjayを使ってみましたが、問題なくプレイすることができました。むしろSerato DJよりも対応できる現場は多い気がします。

また、DJM-900NXS2などであれば、スイッチングハブでCDJと接続しておくことで、Macを接続するだけで接続ができるようです。
まとめ
Apple Musicの対応により再注目のdjay。
Spotifyの時みたいに急に使えなくなるんじゃないの?という可能性は低そうです。
実はこっそり、音質改善やDVS機能など着実にグレードアップを続けています。
昔SeratoでDJをしていた方々や、DJに興味をもつお子様にも、手軽に始められるdjayでDJライフを楽しんでみてはいかがでしょうか?
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この記事を書いた人

三宮オーパ店 DJ.デジタル楽器アドバイザー 萩尾(はぎお)
DJ HAGI a.k.a DRAGON
2001年のDMCのビデオ映像に衝撃を受け、バトルDJに憧れる。その後すぐにDJバトルを企画し、10年以上定期的に草DJバトルをプロデュース。機器のチューンナップや修理が趣味。