Roland Integra-7 のバランス出力
「なんとなくはわかっているけど・・・」という音楽制作に必要な知識をおさらいする
【今さら聞けない用語シリーズ】第一弾。
今回は私たちが普段使っている「オーディオ・ケーブル」についてのお話です。「バランスとアンバランスって何?」「えっフォーンでバランスってあるの?」という方もぜひお読みいだければと思います。
- なぜケーブルで音が伝わるのか?
- ケーブルと端子(プラグ)の種類について
- RCAケーブル
- フォーンケーブル
- 実は二種類あるフォーンケーブル
- TRSとTSの違い
- ホット、コールド、グラウンド
- バランス(均衡)方式
- アンバランス方式(不平衡)
- XLR(キャノン)ケーブル
- すべてバランス方式にする必要はあるか?
- ステレオヘッドホン・イヤホン
- スピーカーケーブルとの違い・注意事項
まずは基本中の基本
「なぜケーブルで音が伝わるのか?」
・・とみなさんは考えたことはありませんか?あまりに当たり前のことなので普段は気にしませんが、よく考えると不思議ですよね?
音は「空気の振動(波)」ということはご存じかと思います。真空の宇宙空間では音は伝わりません・・・映画「ゼログラビティー」ではスペースシャトルが爆発した時も音は出てなかったと思います・・なお「電波」は真空中でも伝わりますので宇宙空間でも無線で話ができます。
一方、電気(ここでは交流電流)ですが、実はこれも同じ「波」、、ということは、、、
「音の波を電気の波に変えて、また音の波に戻すことが可能なんじゃね?」と思いついた人はスゴいですね。そして実際に「エレキ・ギター>オーディオ・ケーブル>アンプ」という接続においては
エレキギターの仕組み
たとえばエレキギターのピックアップというのは、弦の振動を電流に変換してくれる装置です(磁場中で電線が動くと電気が生じる・・というあの原理ですね)
つまり
そしてアンプに届いた電流が増幅されてスピーカーで「空気の振動=音」になるというわけです。なんとなくお分かりいただけたでしょうか?
ちなみにダイナミックマイクの場合は、下図の用に「空気の振動」を「電気信号」に変換するということが行われています。
ダイナミックマイクの構造(イメージ)
そして電気信号に変換された音はスピーカーで音に変換されます。
ダイナミックスピーカーの構造(イメージ)
ちなみにこの電気信号ですが、これにもちゃんと速度があります。したがってマイク>ケーブル>アンプ(+スピーカー)という変換の過程では実はごくわずかな遅れが生じています。しかしこの電気信号は(信号が通過する媒質によって異なりますが)光の2分の1程度といったとてつもなく速いスピードなので「ほぼゼロ」として扱われる場合が多いのですね。
【関連記事】音の基本知識 音とはなんでしょう?
ケーブルと端子(プラグ)の種類について
元々ケーブルは、扱う信号の種類によってさまざまな種類が存在します。
・・・等々、まさに多種多様。初めて聞く名前もあるかもしれません。
さて、楽器周辺で我々がお世話になっている「アナログ・オーディオ・ケーブル」は主に以下の機材同士を接続する際に使用されます。
- ギターとアンプ
- シンセとミキサー
- マイクとミキサー
- DJミキサーとアンプ
・・などなど
それではこれら「アナログ・オーディオ・ケーブル」にはいったいどんな種類があるのかメジャーなものから紹介していきましょう。
RCAケーブル
DJ機器、映像、音響機器でおなじみのRCAケーブル(ピンケーブル)。端子(先端の接続部分:プラグ)はピン端子、ピンプラグなどと呼ばれます。受け側(メス)はピンジャック。
オーディオ信号の他に映像信号の伝送にも使用されます。ゲーム機器、レコーダーとテレビの接続などでもよくお目にかかるケーブルですね。ステレオ信号(左右の音声)を伝送する場合は2本必要です(一般的には赤=右、白=左)
レコーダーやゲーム機器とテレビを接続する際は映像用にもう一本、計3本のRCAケーブルを使用しますが、最近はデジタル方式の映像音声を行うHDMIなどが主流となっています。
コレちょっと古いよねさすがに↓
HDMIケーブル(タイプA)
フォーンケーブル
両端に「フォーンプラグ」が取り付けられたケーブルです。「シールド」とよばれることもあります。もともと昔は標準タイプが電話交換機用に使用されたのが名前の由来です。受け側(メス)はフォーン・ジャック。
写真の4種類のプラグですが、「ミニミニ」「ミニ」「標準」といった大きさの他にも「プラグ先端がいくつにわかれているか?」という違いに気づきましたか?そうです、左から「2,2,3,3」と分かれていますね。
ギターやシンセ等の楽器でよく使うのは「標準」フォーンケーブルですが・・・・