こんにちは!せとっちの『ほのぼの日記』第4話です!
6月に入り日も大分長くなりましたね!!
僕は先月京都まで日帰りで遊びに行ってきました。
伏見稲荷大社に行ったんですが、階段が多すぎて半分も登らずリタイアしてしまいました、、、(笑)
自分が思っているより体力が落ちていて、危機感を覚えました、、。
あとは、河原町にある話題のドーナツ屋さんにも行ってきました!ドーナツももちろん美味しかったですが、店内の内装デザインが素晴らしく気づけば大量に写真を撮っていました(笑)
あ、もちろん僕の大好きな無〇良品京都BAL店にも行ってきましたよ!!
さて今回のリペアブログは、楽器の素材についてお話ししていきます。
普段何気なく演奏している楽器ですが、実は金属の比率までとても考えて作られているんです!少しマニアックではありますが、楽しんでいただければと思います!
今回紹介する素材
今回は楽器によく使用される銅合金(黄銅など)と銀についてお話ししていきます。
銅(copper)合金
銅合金は何種類もあり、どの金属と合わせているかによって呼び名が変わってきます。
黄銅・青銅・洋銀等使用される用途によって、さまざまな金属との合金となっています。
黄銅(真鍮・Brass)
管楽器で一番多く使用されている金属と言っても過言ではないのが、この黄銅です。楽器業界では真鍮(しんちゅう)と呼ばれています!
黄銅は銅(Cu)+亜鉛(Zn)の合金で、メリットとしては、見た目が美しい事と加工がしやすいそうです。
実は黄銅はそれぞれの金属の比率によって呼び方が変わってくるんです!!
名称 | 銅:亜鉛 | 特徴 |
---|---|---|
イエローブラス | 70:30 | 明るくハリのある音 |
ゴールドブラス | 85:15 | 幅のある豊かな音 |
レッドブラス | 90:10 | 柔らかく落ち着きのある音 |
※音色は個人により感じ方が違う場合があります。
ゴールドブラスとレッドブラスは正確には丹銅と呼ばれるそうですが、楽器業界では黄銅の一種として扱われています。
ちなみに、写真のトロンボーンは左からゴールドブラス・イエローブラスにゴールドラッカー・イエローブラスとなっています。若干の色味の違い分かりますでしょうか?(笑)
青銅(Bronze)
青銅は管楽器に使用されることはありませんが、参考までにご紹介します!(笑)
銅(Cu)+スズ(Sn)の合金で、身近なものだと10円硬貨に使用されています。青銅という名前ではありますが、本来は純銅に近いとても美しい金属です。
しかし、大気中で徐々に酸化され、緑青(りょくしょう)になってしまうんだそうです、、。緑色の十円玉、誰もが見た事ありますよね?(笑)
緑青(りょくしょう)については後ほど説明します!
白銅(Cupronickel)
白銅は主にスタンダードモデルのフルートに使用されている銅(Cu)+ニッケル(Ni)の合金です。
身近なものでは、100円硬貨・50円硬貨に使用されています。
銀のような白い輝きがあり、楽器としては明るい音がします。
下から2つ目のYFL212が管体白銅製となっています。見た目だけではわかりませんね、、。(笑)
洋白(洋銀・nickel silver・German silver)
洋白はトロンボーンの内管やクラリネットのキイ等様々な管楽器に使用されている金属です!
銅(Cu)+亜鉛(Zn)+ニッケル(Ni)の合金で加工がしやすく、錆びにくいんだそうです!
写真のクラリネットは洋白に銀メッキ仕様になっています!美しいですね!!
モネルメタル(monel metal)
モネルメタルはニッケル(Ni)+銅(Cu)がおよそ6:4の比率になっていて、他にも鉄(Fe)・アルミニウム(Al)・マンガン(Mn)等を含む耐食合金となっています。耐食合金とは酸・アルカリ・水・海水などによる腐食を受けにくい合金の事を総称して呼ぶんだそうです!
錆の恐怖と隣り合わせの管楽器にとっては、もってこいの金属って訳です。(笑)
管楽器ではトランペットのピストンの素材として使用されています。
写真で説明すると矢印の部分がモネルメタル製になります。確かに銀でもなく銅でもなく変わった色をしていますね、、、。
謎の緑色 緑青(りょくしょう)の正体
皆さんはこの緑色、見た事ありますか??
実はこれ銅の錆の一種、緑青(りょくしょう)って言うんです!鉄に赤い錆が発生するように、銅には緑の錆が発生するんです!いろんなところに出没しますよね、、。
管楽器ではあまり良い印象を受けることはありませんが、実は世界的に有名な建造物にも発生しているんです!
例えば、奈良の大仏やニューヨークの自由の女神等です。美術的な要素としても使用されているんですね!驚きです。
こんな感じの毒々しい見た目ですが、人体への害は全くないんだそうです!とはいえ、錆ですので衛生的にも良くありませんし、動作不良の原因となる事もあるので、定期的に洗浄・クリーニングが必要ですね!!
銀(Silver)
皆さん、銀って同じ金属でも、種類があるって知っていますか??
銀という金属はとても柔らかく、また硫化して黒ずみやすい為、宝飾品や楽器に使用される際は、他の金属を少し混ぜて弱点を補っているんです!!
表記としてはAg○○○と表されます。○○○/1000が銀でできていますよーという意味です!!
○○○の数字が大きいほど、純銀に近くなるわけです。今回はその種類をご紹介していきます!!(主にフルートに使用されるもの)
Ag900(コインシルバー)
フルートに使用されることはあまりありませんが、世界各国で使用されている銀貨に使用されている銀です。
多くの人に触れられる事の多いお金だからこそ、耐久性が重視されているのかもしれませんね、、。
ちなみにフルートだと『マテキフルート』というメーカーが管体コインシルバー製のものを製造されているそうです!
Ag925(スターリングシルバー)
一般的に純銀と呼ばれるものはほぼこのAg925が採用されています。
硬度・耐久性に優れ、金属として最も安定しているそうです。
そのため、フルートでもほとんどのメーカーがAg925を使用しています。管体に925、又はSterlingの文字があればAg925製となります。
Ag950
銀5分落ちと呼ばれる、5%の銅を混ぜたものです。Ag925よりも銀に近く、あとで紹介するAg958よりも強度があるため、使用されることの多い銀です。
フルートでは、『サンキョウフルート・アキヤマフルート・ナガハラフルート』などで使用されています。
Ag958(ブリタニアシルバー)
アンティークの銀製品等に使用されるが多かったようです。今でも使用されることが多いですが、若干柔らかい金属となっています。
フルートでは『パールフルート・アルタスフルート』でよく使用されています。
Ag970
かなり純銀に近くなってくるため、フルートでは演奏時の反応が良くなったように感じる方の多いと思います!
『パールフルート・フルートマスターズ』で使用されることが多い銀です。
ちなみに『パールフルート』では、プリスティーンシルバーと呼ばれています。(なんかちょっと可愛い笑)
Ag997
ここまでくるとほぼ純銀そのものです。ですが、各メーカーさんの企業努力により、しっかりと強度が保たれ、深く豊かな音色感じることができます!!
『サンキョウフルート・アルタスフルート・パールフルート・フルートマスターズ』等で使用されています。
ちなみに『サンキョウフルート』ではピュアシルバー、『アルタスフルート』ではメタライズシルバーと呼ばれています。
銀まとめ
紹介した以外でも、多くのメーカーさんが研究を重ねられ、様々な銀が作られています。
もちろん純度が上がれば、値段も上がりますが、その分音響き方や楽器の共鳴等の変化がかなりあります。
最終的には奏者の方の好みによってくるとは思いますが、吹き比べてみる価値は十分にあるのではないでしょうか??
おまけ 銀の変色
銀ってすぐ変色してしまいますよね、、、。
原因は様々ですが、フルートの場合は演奏中に発生した蒸気によるもの・汗や皮脂等の汚れによるものが大半だとおもわれます。変色はほかの銀製品などでは、いぶし銀と呼ばれ好かれる方もいらっしゃいますが、楽器では、、、、。って感じですよね。
そうならない為にも、普段から水分や汚れを残さないよう、お手入れをがんばりましょう!!
まとめ
今回は楽器の素材についてまとめてみました!!
まだまだ、金・プラチナ・グラナディラ等、使用されている素材はたくさんありますが、銅・銀だけでもこんなに種類があるんですね!!
情報が膨大すぎて、自分で記事を考えておきながら、何回も後悔してしまいました(笑)
とはいえ、素材がどれだけ楽器に影響を与えるのかという事を、少しは伝えられたのではないでしょうか??
楽しんでいただけましたか??
来月も記事作りがんばりますね!お楽しみに~。
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