フルートの音程が合わない??頭部管の見えないアイツが原因かも?
今回はフルート頭部管に関するお話です。
まずはこちらをご覧下さい。
このパーツ、フルート演奏者の皆さんなら見たことありますよね!!
...え?見たことがない?
ヘッドコルクとは?
実はこちら、フルートの頭部管の中にあるヘッドコルクというパーツなのですが、
- ヘッドキャップ(クラウン)
- 座金
- 反射板
に挟まれていて、普段は見えない位置にあるんです。
分解すると、この様になっています。
そしてこちらのパーツ
- 音程を左右する反射板の位置を決める
- 頭部管の気密性を上げて鳴りをよくする
というふたつの役割がある
とっっっっっっっても大切なパーツなんです!
さらに分解
続いてこちらをご覧ください。
ふたつのヘッドコルクが並んでいますね。
実はこちら、元々は同じ大きさで、新しいもの(左)と古いもの(右)なんです。
古くなるとどうなるの?
ヘッドコルクは天然のものですので、経年劣化や、頭部管と反射板の微妙な隙間から、水分が入り込むことで、だんだんと縮んで緩くなり、気密性が失われてしまいます。
そして緩くなると、クリーニングロッドで掃除をした時などに、少しずつ反射板が押されてズレてしまい、音程が合わせづらくなってしまうんです。
交換のタイミングは?
1.クリーニングロッドにある線の位置が、唄口(うたぐち)の中心からズレている場合
楽器に付属しているクリーニングロッドの線を使って、反射板の位置を測ることが出来ます。
※メーカーによって線の位置が変わりますので、付属のものをお使い下さい。
2.ヘッドキャップ(クラウン)が締めても締めても止まらない。
どんどん締めていくと、反射板がヘッドキャップ側に動いてしまい、反射板の位置がズレてしまいます。
3.頭部管を軽く振った時にカチャカチャと音がする
コルクが縮んで座金との間にすき間が出来ている可能性があります。
長持ちさせる為には?
頭部管の水分をしっかりと取り切ることが大切です!
先程、頭部管と反射板には微妙にすき間があると書きましたが、頭部管内側の角の部分って、クリーニングロッドとガーゼでは拭き取りづらいですよね...
しかし!そのひと手間がヘッドコルクの寿命を延ばす大切なひと手間なんです!
最近では、角までしっかりと届くガーゼやクロスも登場しておりますので、是非お試しください!
最後に...
コルクを長持ちさせるには、普段のお手入れが大切ですが、天然もののヘッドコルクは消耗品です。
楽器の使用頻度にもよりますが、上記のような交換のサインが表れていなくても、年に一度~のコルクの交換をすることをオススメしております。
定期的にご自身の楽器、学校は楽団の楽器をメンテナンスして、気持ちよく演奏しましょう!
他楽器のパーツについての記事はこちら。
【修理用交換パーツが大量入荷!】
今回は、ヘッドコルクの交換で
修理・調整代 | 2,200円(税込・送料別) |
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でした。
※修理費用は同じ症例でも楽器の種類や形状・仕様によって異なる場合があります。
ご不明な点はお近くの島村楽器にぜひともご相談ください。
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