【管楽器メンテナンス塾】#3 管の楽器あるある~詰まり編~
皆さん、こんにちは。
瞳に潤いが欲しい管楽器技術スタッフ・神戸(ごうど)です。
管楽器メンテナンス塾は、管楽器のちょっとしたお手入れや豆知識などの紹介を通じて、
知らず知らずのうちに知識を増やせる、そんなブログです。

管の楽器と書いて管楽器
さてさて、第3回の今回は管楽器あるある。
管の楽器あるあると言えば、真っ先に思い浮かぶのが……

そう、「楽器に何か詰まっちゃった!」ですね。
上の写真は管の内側の水を取るスワブが詰まってしまった写真です。
とても、とても よくある修理です。
管楽器は管の楽器なので、その他にも様々なものが詰まります。
以下は今まで実際に詰まってしまったことのあるものです。
- スワブ
- チューナー、メトロノーム
- マウスピース、キャップ、リード
- 鉛筆や消しゴムなど筆記用具
- 玩具(スーパーボール、電車模型など)
きっと皆さん、「いや、またゴウドは盛ってるよ」
「そんなもの入るわけがない」そう思っている事でしょう。
残念ながら……本当にあった修理です!
恐ろしいことに、円錐の楽器なのでベルから入るものは何でも入ります。
もちろん、わざと入れる人はいません。
じゃあ、いつ入ってしまうのか。
それは、ケースの中!
自分で通すスワブとお子さんが遊んでいるうちに入れてしまう玩具以外は、
ケースの中で入ってしまうのです。
楽器以外の物をたくさん入れられるケースは特に、中で物が動かないように注意しましょうね。
穴さえあれば、奴らは入り込めるのです……!
スワブが詰まるのはなんで?
では、自分で通すスワブが詰まるのはどうしてでしょうか。
それは、3つの理由があります。
- スワブに問題がある
- 通し方に問題がある
- そもそも楽器に詰まりやすい場所がある
***スワブに問題がある場合
スワブにはSやL、SAX用などサイズがあります。
まず、適したサイズの物を使いましょう。
大は小を兼ねるという人もいますが、スワブは別です。
管の楽器なので、太いものは細い場所を通れません。
また、穴や破れがあると途中で引っかかってしまう場合があります。
通し方に問題がある場合
さて、下の写真をもう一度見てみましょう。おかしな場所がありませんか?

そう、紐が2本細い方から出ていますね!
紐は1本ずつ、スワブはちゃんと広げてから通しましょう。
そもそも詰まりやすい場所がある
サックスやクラリネットにはスワブが詰まりやすい場所があります。
それが下の写真の部分。

クラリネットをバレル側から覗き込んだ写真です。
なにか内側に出ていますね。これが引っかかりポイント!
ここに引っかからないように、サイズの適したものをきちんと通しましょう。
まとめ
管楽器は管の楽器。色々なものが詰まります。
思いもよらないことが起きないよう、普段から気を付けましょうね!
もし、詰まってしまったら
万が一……何か詰まってしまった時は、
慌てず焦らず、一度楽器を安全な場所に置きましょう。
そして、もう一度落ち着いて楽器を見ます。
間違いなく詰まっていたら……そのまま何もせず当店までご連絡ください。
大事なことなので2度言います。
そのまま何もせず当店までご連絡くださいね。
慌てて無理やり引っ張ると、楽器が曲がってしまうなど思いもよらないことが起こります。
焦らず、落ち着いて、まずはお電話ください。
ではでは、本日も皆様にとって良い音楽ライフとなりますように!
最後までお付き合いいただきまして、誠にありがとうございます。
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「神戸」と書いて「ゴウド」と読みます。バスクラ吹きです!中低音楽器の修理が集まりやすい特殊体質(?)。今日も笑顔で修理しています!