クラリネットに隠れた“お山”

はじめまして、こんにちは!
管楽器リペアの奥出(おくで)です。

今回は、「クラリネットに隠れた“お山”」ということで
よく見ると気付けるこだわりポイントについてお話ししていきます!

お山はどこに?

さて、クラリネットの“お山”とは、いったいどこにあるのでしょうか?

高音部を吹く時に使うレジスターキイを見てみると、コルクのタンポがついています。
(楽器によっては、他のキイと同じ材質のタンポが付いているものもあります)

普段クラリネットを吹く時に、じっくりと見ることはないかもしれませんが、
調整から帰ってきた時に、お山のような形になっていたことはありませんか?

私たちは、このレジスターキイのコルクタンポを交換する際は、山型に成形してお返しすることが多いです。



レジスターキイを見てみよう

レジスターキイに付いているコルクタンポは、元々こんな形をしています。

平べったい円筒型ですね。

もちろんこのままでも、音孔(楽器に開けられた空気の通り道)をしっかりと塞いでくれますので、音を出すのに問題はありません。

お山の役割

では、お山の形になると、どんな効果があるのでしょうか?
レジスターキイとその下の音孔の断面図を用意しました。

円筒型の場合、タンポの角に空気が当たり、空気の渦が生じやすくなります。
そのため、レジスターキイを開く運指の音で、ノイズが鳴ってしまうことがあります。

対して山型の方は、楽器から出ていく空気の通り道が、広々としているのが分かります。
それにより空気が通りやすくなり、音が籠らず、音抜けの良い状態になります。

ノイズや音抜けの悪さに悩んでいる方は......

レジスターキイのタンポをお山の形にしてあげると改善するかもしれません。

もちろん、ノイズや音抜けの悪さの原因になるのは、ここだけではありません。
気になることがありましたら、お気軽にご相談下さい。
プロの目で見て、正しい原因を探し出します!

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この記事を書いたスタッフ

管リペアセンター奥出

東京出身のホルン吹きです!吹奏楽のほか、弦楽合奏やアイリッシュ音楽など、いろいろな音楽に触れてきました。皆さまの楽器一本一本に丁寧に向き合っていきます。

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