楽器(ギター、ベース)におけるネジの話④

皆さまこんにちは。

連載中ネジのお話です。

過去記事 ネジの話その①

過去記事 ネジの話その②

過去記事 ネジの話その③

今回は、規格、長さ、材質のお話を一気にしたいと思います。

規格について

ギターパーツでも良く耳にすると思いますが、まず大きく分けてミリサイズとインチサイズに分かれます。

細かいお話をするとそれぞれの中にも規格がありますが、よほど古い楽器や特殊なケースでない限り、特に気にして頂く必要はありません。

まずはミリサイズについて

M〇〇」と呼ばれます。

例えば写真の左側の小ネジは「M3」というサイズ、右側の木ネジは「M2.7」というサイズになります。


次にインチサイズについて

こちらは「#〇-〇〇」と呼ばれます。

#〇というのが呼び径で、後ろの〇〇は1インチあたりの山数になります。

例えば写真のネジはサドルのイモネジですが、こちらのネジは「#4-40」というサイズになります。

この呼び径によりミリ、インチ共に太さなどのサイズが決まっていますので、欲しいネジをノギスなどで計測して特定する訳です。

国産やアジア製ギターはミリサイズ、アメリカ製ギターはインチサイズという考え方で概ね間違いはありませんが、アメリカ製ギターにGOTOH製のペグが使われていたり、国産ギターにアメリカ製のパーツが使われているケースもありますので、絶対ではありません。(同じギターの中でパーツによってミリ、インチが混在している事も多々あります。)

以前の記事でふれましたが、小ネジやイモネジなど、受け側にもネジ山が切られている場合は、同じ規格、呼び径でないとネジが入っていかないので、正確に特定する必要があります。

木ネジやタッピングネジなど、木材に食い込ませるネジは、規格やサイズが違っていても代用できますが、細かいお話をすると木材を痛めますので、可能な限り同じ規格、呼び径のネジに交換する事が望ましいです。

規格やサイズについては多くのネジ屋さんが、規格表をホームページに公開されていますので、興味のある方は覗いてみて頂ければと思います。

長さについて

同じ規格、呼び径でも色々な長さが存在します。

小ねじは首下から、木ネジやタッピングネジ、イモネジは全長を図ります。

ミリサイズは〇〇mm、インチネジは〇/〇インチという形であらわされます。

先程の写真をもう一度登場させますが、

左は「M3の15mm」右側は「M2.7の12mm」

こちらのインチネジは「#4-40の5/16(約8mm)」という感じです。

基本は元のネジと同じ長さを選びますが、イモネジがサドルから飛び出して手が痛いといったケースはあえて短いネジに交換するといった事もあります。


普段浅草橋ギター&リペア店でストックしているミリサイズ(M3)のイモネジ

6mm/8mm/10mm/12mm/15mm

材質について

ギターに使われるネジは大体が「鉄」製で、それにニッケル、クローム、ゴールド、ブラックなどのメッキが施されています。

その他ステンレスネジも世の中では主流で、入手しやすいので、「なるべく錆びて欲しくないなぁ」という場合は、ステンレス素材へ交換すると良いと思います。


次回がついに最終回になりそうです。それではまた次回。

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この記事を書いたスタッフ

浅草橋ギター&リペア店本田

石川県金沢市出身 2013年中途入社。生粋のA型で、「大人なリペアマン」がモットーのギターリペア工房の真面目担当。

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