リペアマン遠藤のリペアブログ~その38~傷消しバフ掛けの巻!
みなさまこんにちは!リペアマン遠藤です!
7月に入りましたが相変わらず梅雨でジメジメ極まってますね~
部屋の湿度も高いので除湿機を買おうか思案中です。ギターの保管の為にもいいですし。
そして私は低気圧には弱いのでこの時期はなかなかきついです…
早く夏になってほしい~
では本題にはいります。
まずはこちら、
ボディトップのカッタウェイ部分ですがうっすらと白い線が…
ボディサイドにも入ってますね…
これは塗装に入った傷です。
何かにぶつけたり擦ったりしてしまうと容易に付いてしまいます。
気を付けていてもふとした時に出来てしまってなかなか切ないものがありますね。
この傷は消すことが出来ないのでしょうか…?
そこでなんとかします!
傷を消す方法として一番の方法は再塗装です。
しかし修理代が高くなってしまうのでちょっと躊躇してしまうかもしれませんね。
もう一つの方法が今回紹介するバフ掛けという方法です。
昔ギター工場に勤めてた時に塗装研磨の仕上げで行っていましたが、今回はその方法で消すことが出来そうなのでやってみます。
ちなみに元が艶消し塗装のギターだと思いっきり艶が出てピカピカになってしまうので出来ません…再塗装です。
まずは下準備をしていきます。
番手の細かいペーパー(今回は#1200)とパッド、あと水ですね。
この水は何?という感じですが
塗装の研磨をする時に番手の細かいペーパーでは容易に目詰まりを起こすのでそれを防ぐ為に水をつけながら研磨するのです。
専門用語で水研(すいけん)や水研ぎと言います。逆に何もつけない場合を空研ぎと言います。
このような感じで研磨していきます。
そうすると塗装が細かい傷で艶消しっぽくなります。
これは後でバフ掛けすると艶が戻るのでまずは大きな傷を消すことに集中しましょう。
ただ塗装のクリアー層の厚みを考えながら作業する必要があります。
ここで一番注意することは着色層まで達してはいけません。着色層が出る事をオーバーすると言いますがそうなっては絶対ダメです。慎重に…
傷の深さがクリアー層で収まっていたので綺麗に消せました。
もし消える前に着色層が出そうだなと判断したらそこでストップすることも大切です。絶妙なさじ加減が求められます。
続いてボディサイドも、
消えました。
ようやく下準備が終わりました。
艶消し状態からまた艶を復活させていきましょう。
ここからがバフ掛けの作業になります。
コンパウンドとドリルバフを使って一気に仕上げていきます。
ブイーンと当てていきます。しかしバフの当て方にもコツがありただ当てるだけではありません。
すると、
はい、ピカッと
こちらもピカッと
綺麗になりましたね!
よかった~!!
いかがでしたでしょうか?
傷の度合いにもよるのですが、今回のようにそこまで深くない傷であれば綺麗に消すことも出来ます。まずは気軽にご相談下さい!
以上、リペアマン遠藤でした!
またお会いしましょう~
記事中に表示価格・販売価格、在庫状況が掲載されている場合、その価格・在庫状況は記事更新時点のものとなります。
店頭での価格表記・税表記・在庫状況と異なる場合がございますので、ご注意下さい。
宮城県出身。長野県でギター製造に携わった後2017年から島村楽器仙台イービーンズ店の店頭リペアマンとなり、現在の仙台ロフト店に至ります。仙台のリペアは遠藤にお任せ下さい!