ピックアップの取り付け
今回、紹介するのは少し特殊な事例ですが、こんな使用の楽器もあるんだ!という事を知って頂ければと思います。
ピックアップが外れてしまった
まずはお預かり時の状況を見ていきましょう。
何やらピックガードにテープがぐるぐると巻かれています。ピックガードを外してみると・・・
ピックアップから伸びた板がピックガードに直接、接着されている事が伺えます。
更にテープを外してみると・・・
接着剤を残してピックガードからピックアップが剥がれ落ちている状況でした。
楽器の仕様上、ピックアップを固定する手段は同様に接着する他ありません。
再取り付けを行うために
そのまま再固定してしまうと元の接着剤がパーツ同士の密着を邪魔するので、まずは接着面のクリーニングを進めていきます。
まだ、細かく古い接着剤や汚れが残っているので、接着面全体にヤスリ掛けをします
更に接着剤の食いつきを良くし、密着する面にも接着剤が残るようにする為、粗目の傷をつけます。
このひと手間を加える事で、接着強度がワンランク向上します。
いざ、再接着
まずは仮止めをして接着範囲がどの位置に来るのか、そのまま接着をして大丈夫なのかを確認します。
位置の確認が出来たら、周辺に余計な接着剤が付着しないよう養生した上で、接着剤を付けていきます。
今回は構造的に接着強度が求められる部分なので、しっかりと圧着をするとともに、敢えて周囲にも接着剤が残るようにしています。
接着剤が半分ほど乾いてきたら周辺の養生を外して一晩しっかり乾燥させます。
接着が完了しました
しっかりと乾ききったものがこちらです。
画像だと接着剤の乾燥具合は伝わりづらいですね。
ピックガードを本体に固定するとこんな感じになります。
きちんとピックガードに接着されているので、ピックアップは宙に浮いた状態となり、パーツと本体の間に隙間が出来ています。
後は弦を張って調整したら修理完了です!
今回の修理内容
- ピックアップの再取り付けと調整
合計金額 | ¥13,200(税込)+送料 |
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※修理費用は同じ症例でも楽器の種類や形状・仕様によって異なる場合があります。
ご不明な点はお近くの島村楽器にぜひともご相談ください。
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「この楽器の状態って弾きやすいの…?」そんな不安な点を取り除きながらプレイスタイル・楽器に合ったベストコンディションを一緒に探していきましょう!