【PLEK】オペレーター小林のPLEKレポート:#6 PLEKデータはどう使う?

皆様こんにちは!

名古屋パルコ店 PLEK担当の小林です。

前回、PLEKの大まかな工程について書かせて頂いたのですが、今回はそこからスピンオフしてPLEKでスキャンした楽器の「データ」にフォーカスしてお話していきます。

少々マニアックな内容になりますが、普段私がどのような個所を気にして作業をしているのか説明していきますね。

Action Setup

Actiom Setup(以下AS)は主に12F上での弦高について取り扱ったデータになります。

各弦毎に設定したチューニング・弦のゲージの他、スキャン時点での弦高と設定した理想的な弦高について表示・修正が可能になっています。

調整前にこちらを確認しながら、「現時点での弾き心地はどうか」「ここから弦高を低く/高くしたいのか」といった事を伺った上で、最終的な目標弦高を決定していきます。

この後のデータも基本的にはASで決定した弦高を基にシミュレーションした物になるため、全体の仕上がりを左右する重要なファクターになっています。

String Graph

String Graph(以下SG)ではASで設定した弦高を基に、各弦毎のフレット・指板の状態を確認する事が出来ます。

主に確認するのは赤枠で囲ったフレット上面の状態になります。

演奏時に発生するバズの多くはネックが動いたり、フレットが削れたりといった理由でフレットの高さにバラつきが起こる事で発生します。

ここではPLEKによって計算された最適なフレット曲線に近づけるため、トラスロッドの調整などを行います。

ネックの症状、フレットの摩耗具合によってはロッドの調整では改善が見込めない場合があるため、その場合にはフレットの高さを揃える(すり合わせを行う)為、次のデータを使用します。

Virtual Fret Dress

Virtual Fret Dress(以下VFD)ではフレットのすり合わせ作業をシミュレーションし、切削量や切削後の結果を事前に確認する事が可能です。

シミュレーションには切削後に何mmフレットが残るのか、ラディアスがどうなっているのか、ハイフレットのフォールをどの程度必要とするのか、といった内容を盛り込む事が可能になっており、実際の作業前に確認する事が出来ます。

PLEKで調整を行う場合、このような事前シミュレーションが可能なのが最も大きなメリットではないかと思います。

Nat&Saddle

Nat&Saddle(以下NS)ではASで設定した弦高に対し、現時点でナット・サドルそれぞれがどのような状態にあるのかを確認する事が可能です。

PLEKでは12Fを基準に弦高をセッティングするのはASの項で説明した通りなのですが、仮に1弦を1.5mm・6弦を2.0mmに設定して調整を行う場合、ナット弦高がものすごく高くてもサドルが同じようにとても低ければ12F上では1.5mm~2.0mmで測定できてしまいます。

こういったバランスの悪い調整を無くすために、NSではナットとサドルそれぞれに理想的な高さを設定し、双方が理想値通りならASで設定した弦高通りにセッティングが完了する、という方法が取られています。

まとめ

いかがでしたでしょうか?

まとめるとPLEKのデータは下記の4種類の用途がございます!

  1. ACtion Setup:12F上の弦高を確認&目標弦高の設定
  2. String Graph:フレット上面の状態を確認
  3. Virtual Fret Dress:問題個所と切削量・形状の確認
  4. Nat&Saddle:ナット・サドルそれぞれで最適な弦高を確認

是非お手元に楽器のデータがありましたら見比べてみてください!

それでは~!

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この記事を書いたスタッフ

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