レスポールタイプの打痕修理
今回も外傷修理事例のご紹介
前回は楽器が落下させてしまい生じた破損の修理事例をご紹介しました。
前回の事例:ギターが落下!?ボディ割れの修理事例
今回ご紹介する内容は前回ほど派手な破損ではありませんが、ギターあるあるな症状です。
ほんの一瞬目を離したら・・・
!?
打痕
ダコン
だこん
この症状、レスポールタイプにはやってしまいがちです。
漢字だと重々しいからひらがなに直したところで、症状はもちろん気持ちもやはり変わりませんでした・・・
では、直すしかありません。直しましょう!
どのような事故だったか?という検証が大切
今回はスタンドから倒してしまったようで、それを物語るように確かに木材が凹んでいます。
これは「不幸中の幸い」でした。外圧で凹んだ木材は復元できる可能性があるからです。
今回は蒸気をあててみましょう。
完全にとはいきませんが、思った通り凹んだ分が戻ってきました。
そんないうほど大して戻ってないじゃん
確かに微妙な復元ではありますが、この差が大きいのです。
木材自体の復元で足りない部分は樹脂等で充填していきますが、やはり余分なものは使いたくないですから、ここで可能な限り復元してくれることが重要になります。
今回は以下のように不足分をラッカー塗料で肉付けしました。
そして余計な贅肉をそぎ落とした結果がこちらです。
微妙な色味差は塗装に頼る
形が整ったところで、やはりどうしても修復に伴う色の濃淡などが出ます。
これは塗装で誤魔化すしかありません。
それでは塗装タイムです
お待たせしました
今回はとても狭い範囲なので色が合わせやすい、と言うか誤魔化しやすかったです。
サイドから見ても良く見ないと修復歴には気付かないかと思います。
じつはボディにも打痕がありました!
作業前の写真を取り忘れてしまい、着手中の画像になりますが・・・
思ったよりも派手な倒れ方をしたのでしょうか??ボディTOP面の外周にも一部塗装割れが生じていました。
こちらはほぼ塗装面のみで木部はほとんど影響無しなので、塗装の色合わせだけ実施しました。
こちらはヘッドほど重症ではないものの、範囲の広いボディTOP面なので、どうしてもよく見ると修正痕は残ります。
それでも少し離れて見ればこんな感じ。
ほぼ分からないと思います。
致命的ではないものの、どうしても気になってしまう傷や凹みってありますよね。
過去にはこういう修理も行っています。
全て解決、とはいかないかもしれませんが、出来る限りの方法を考えますので、まずは一度当社にご相談ください。
今回の修理内容
- 欠損部分の修正
- 部分着色
- 部分塗装
合計金額 | ¥41,000(税込)+送料 |
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*修理費用は同じ症例でも楽器の種類や形状・仕様によって異なる場合があります。
ご不明な点はお近くの島村楽器にぜひともご相談ください。
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ネック折れなどワケありな事情を抱えた修理を担当している事が多い阿部です。普段は東京勤務ですが、毎月第一週頃に名古屋工房におります!