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【徹底検証】 練習パッド を比べてみた。 スティックコントロール を磨くためのドラマーの心強い相棒! (まとめ Part3)

みなさんこんにちは! 開発のイシイです。

今まで好評につき当社ドラム専門スタッフ、小林とトリヅカが連載してきた、「練習パッド比較」おかげさまで Pt 6 まで続きました。まとめ記事 Part 1Part 2 を経てこれでついに最終回。今回は変わり種を色々と紹介していきますよー。

 

今回の紹介する練習パッド

ブランド 品番 サイズ 素材 ウェイト
R-TOM WP001 ジェル 445g
Wincent W-Dual Pad ウレタン板(膝上) 313g
Pearl TPX-6N 6インチ メッシュ(膝上) 571g
Pearl TPX-10N 10インチ メッシュ 1175g
JUG JTR201 10インチ+6インチ メッシュ 890g
REMO PP-5 ラバー 90g

 

練習パッドとは

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ソフトラバー (左)、メッシュ状 (中央)、ドラムヘッド (右)

「練習パッド」、「練習台」、「トレーニングパッド」、「トレーニングドラム」または「プラクティスパッド」とも言います。周り迷惑をかけずに、静かな音、ドラムと同じ角度で無理なくストローク練習ができます。音量、跳ね返り具合(リバウンド)、携帯性などで様々な種類があり、専用のスタンド、もしくはスネアスタンドに取り付けます。ドラムを演奏するうえで最も重要といっても過言ではない、”スティックの跳ね返り(リバウンド)” の感覚を養うために必要不可欠なツールです。

 

今回の検証方法

まず検証結果をわかりやすく表示したチャートの説明をさせて頂きます。

  • 音量
  • パッドの硬さ
  • リバウンド (跳ね返り)
  • 携帯性

4項目を中心を 0 としたチャート内に ★ を付けます。★の数が多いほど該当する項目の数値が大きい(または小さい)という意味です。比較には「基準」が必要です。ただ練習パッドにつきましては「世界標準」がそれぞれラバー、ウレタン、メッシュ、ドラムヘッドなどであるとは限りません。よって今回は比較する全てのパッドが収まる範囲での枠を設けました。それぞれの特徴を捉えていただければと思います。

 

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それではスタート!

 

R-TOM (アールタム) WP001(ジェルタイプ)

  • メーカー希望小売価格 (税抜) ¥6,800 (税込) ¥7,344
  • 販売価格 (税抜) ¥6,800 (税込) ¥7,344
  • 重量: 445g(スタンド除くパッドのみの重量)
  • 付属品 なし
  • JAN: 4949748026001

唯一と言っても良いジェルタイプの練習パッド。型名はそのものずばり「ワークアウト(トレーニング、訓練)」パッド。スタンド取り付けネジ穴(M8)つき。

※ネジ穴はM6径のものも存在するようです。ご購入の際はご確認ください。

ムーンジェルミュートで有名なR-TOM社製の練習パッド。青緑の半透明ジェルのパッドです。たいへん柔らかくスティックが沈み込むような感触ですが、ただ沈み込んでしまう訳ではありません。この絶妙な感触は、超ローピッチのフロアタムの感触といえば分かりやすいでしょうか。ジェルが振動を吸収してくれるので打音もたいへん小さく、騒音も小さいので夜間での練習にも最適でしょう。

また、リバウンドが少ないため、フィンガリングよりもリストを使ったスティッキングを鍛えるのに役立つと思います。持久力をつけるためにこのパッドで練習し、細かいスティッキングはリバウンドがあるラバータイプのパッドで練習する、といった使い分けも考えられます。

裏面にはネジ穴と、テーブル等に置く用のウレタンのテープが付属しています。

異色ながら長らく愛用されている練習パッド。騒音に悩むドラマーさんにはもちろん、よりシビアに鍛えたいドラマーさんにもおすすめです。(構造上長く使うと破れることがあります。修理は難しいので、破れた場合は買い替える必要があります。また、爪でつついたりすると破れることがあります)

 

Wincent (ウィンセント)W-Dualpad (ラバー製)

  • メーカー希望小売価格 (税抜) ¥3,800 (税込) ¥4,104
  • 販売価格 (税抜) ¥3,800 (税込) ¥4,104
  • 重量:313g
  • 付属品 なし
  • JAN: 7350059690121

 

 

  1. ひざ巻の練習パッドに加え、デスク上でも使用が可能。
  2. 特殊ラバーによるナチュラルな使用感を実現。
  3.  特殊ラバーによるローノイズを実現。
  4.  ポケットに入るスリムサイズ。

 

スティックが大人気のスウェーデンのWincent製の練習パッド。2016年にリニューアルし、ストラップが取り外し式になりました。

脚に巻くのはもちろん、ストラップを外してテーブルの上などでも使えるようになりました。小さめながらしっかりとした重さがあり、テーブルの上などでも安定感があります。

脚に巻けば身体が振動を吸収してくれる為たいへん静かに練習が可能。また特筆すべきはパッドの柔らかさです。。Vic Firthのスティーブガッドのパッドよりもさらに沈むこむような感触がたいへん心地よく、それでいてしっかりとしたリバウンドもあるため、シビアなトレーニングにも対応します。

とにかくコンパクトなためいつでも持ち歩いていつでもトレーニング。狭い楽屋や移動中の待ち時間等でも、場所の心配なく使用できます。片時もスティックを離さないドラムナードなみなさん必携のパッド。

 

Pearl (パール) TPX-6N (メッシュ製)

  • メーカー希望小売価格 (税抜) ¥4,800 (税込) ¥5,184
  • 販売価格 (税抜) ¥4,800 (税込) ¥5,184
  • 重量:571g
  • 付属品 チューニングキー
  • JAN: 4549312037381

 

軽量かつ耐久性に富んだプラスティック製のシェルに静粛性に優れるメッシュヘッドを装着したトレーニングパッド。脚などに巻くストラップ付きでいつでもどこでもトレーニング。

 

ドラムを練習する場所というのは悩ましい問題でありますが、膝に巻き付けるというのは古くからあるひとつの解決方法です。その膝上パッドにメッシュヘッド付きというある意味究極のパッド。さて実力やいかに…

ストラップはバックル式で長さ調節。パッド側の脚に当たる部分は痛くないようにRが付いていて、脚にフィットします。

メッシュヘッドはテンションを変えることも出来ますが、耐久性なども考えて張り目で使用するのが良いでしょう。メッシュヘッドが響く小さな打音はしますが、騒音になるほどのものではありません。膝上にセットすることで身体が振動を吸収してくれるため、消音性はたいへん優れています。

しかしリムを叩いてしまうとかなり大きな音がしますので注意が必要です。また、これはメッシュタイプの練習台の宿命ですが、静かなあまり打音が聞き取りにくいためシビアなスティッキング練習には適さないという点があげられます。その際はラバータイプの練習台を使用するのが良いでしょう。

 

Pearl (パール) TPX-10N (マッフルヘッド)

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  • メーカー希望小売価格 (税抜) ¥9,800(税込) ¥10,584
  • 販売価格 (税抜) ¥9,800 (税込) ¥10,584
  • 重量: (パッド単体) 1,175 g
  • 付属品:専用スタンド

同じくパールのマッフルヘッド仕様 (メッシュタイプ) の静粛性に優れたモデル。こちらはスタンドに設置するタイプです。

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10インチのウッドシェルにメッシュタイプのヘッドが装着された練習パッド。ラバーのようなコンコンという硬質なサウンドではなくメッシュ特有のポンポンという軟質なサウンドなため静粛性に優れています。アパートやマンションなどあまり音が出せない環境での練習に最適ですね。ヘッドはテンション調整が可能で、しっかり張ればラバーのような強いリバウンドにすることもできます。一般的にメッシュタイプは表面が滑らかでサラッとしているためチップがヒットした後に少し滑ります。その点は好みが別れるところかもしれませんがこの高い静粛性はメッシュタイプならではですね。

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シェルはしっかりとした厚みがあるためプレート状の練習パッドよりドラムに近い打感で気持ちいいですね。

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裏面にはM8サイズのネジ穴とゴム脚が3つあります。スタンドから外してテーブルなどに置いても滑らず安定してくれます。

 

JUG JTR201(メッシュタイプ)

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  • オープンプライス
  • 販売価格 (税抜) ¥14,500(税込) ¥15,660
  • 重量: (パッド単体) 890g
  • 手用パッド(10インチ)、足用パッド(6インチ)、専用スタンド のセット

こちらは、キックペダル用パッド付きのメッシュタイプのヘッドを使った練習パッドセット。

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専用スタンドに10インチのパッドと6インチのキックペダル用パッドが装着された練習パッドセットです。どちらもメッシュ仕様で静粛性に優れています。木製の台座とヘッドの間に(吸収材)が入っているためドラムに近いリアルな打感になっています。これならフルショットした時の手や腕への負担も軽減してくれそうですね。リバウンドも跳ねすぎず丁度いい感じですし、何と言っても手足のコンビネーション練習が1台でできるのが素晴らしいですね。

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どちらのパッドもチューニングキーでテンション調整が可能です。

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テンションボルトの先端には大きめのゴム脚が装着されているためスタンドから取り外し、平らな場所にセットするとと、「卓上練習パッド」 に早変わりします。

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6インチのキックペダル用パッドは取り外せば持ち運び可能な、小型のハンド用練習パッドとしても使えるためこれもまた大変便利です。

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JTR201については こちらの記事 でさらに細かくレビューしています。

 

REMO ( レモ ) PP-5 (ラバー)

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  • メーカー希望小売価格 (税抜) ¥1,900 (税込) ¥2,052
  • 販売価格 (税抜) ¥1,900 (税込) ¥2,052
  • 重量: (パッド単体) 90g
  • 付属品:なし

最後はコチラ!いつでもどこでも練習のできる、小型で変形自在のパッド。

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粘土のように形を変えて使うことができる練習パッド。何コレ?練習パッド?と思われた方が多いのではないでしょうか?私も初めて見た時はそう思いました(笑)

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プラスチックの容器から出した粘土質のラバーを手やスティックで伸ばして使用します。音量もリバウンドもどこに置いて使うかによって大きく変わります。スティックをしっかりバウンドさせたい場合は木製やガラス製のテーブルの上で使うのがオススメです。スティックケースに入ってしまうほど小型&軽量で携帯性抜群なのでライヴハウスの楽屋でちょこっとウォームアップしたい時に活躍してくれそうですね。

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打面はなるべく平らになるように伸ばしたほうがリバウンドの方向が安定します。

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手で持つとグニャっと垂れ下がってしまうほど柔らかいのに叩くと程よい硬さがあります。なんともユニークな練習パッドです。

 

おしまいに

いかがでしたでしょうか?

今回の最終編、少し素材が違うタイプ、持ち運びに便利なタイプ、形を変える変幻自在なタイプ(!?) などをまとめて紹介してみました。ドラマーの永遠の友、練習パッド。。。こうして突き詰めていくと、目的別に形、素材、音とそれぞれ明確な狙いがあって、よくできているな、と思いますよね。「今の自分に必要な練習パッドとは」について考えながら色々と試してみると、練習もより楽しくなりますね!

さて、これでまとめ記事も最後です。でも実はまだ紹介できていないモデルもあります。。また次の機会に紹介していきますね。お楽しみに!

 

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こちらもどうぞ:練習パッド まとめ記事 Part 1

こちらもどうぞ:まとめ記事 Part2 

 

今回の練習パッドのレビューをした人達

長野店 ドラム担当 小林

ドラム歴約20年。吹奏楽、ロック、ジャズなど幅広いジャンルでドラムを叩いてきました!ドラムに関すること何でもご相談ください!

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長野店 店舗情報-島村楽器

 

札幌パルコ店 ドラム担当 鳥塚

練習パッドが好きだが練習は好きではないへっぽこドラマー。

ドラマーさんのお悩み解決のため毎日元気に営業中! ドラム情報アカウント、@tomtom_toriduka の中の人です。

@tomtom_toriduka

sapporoparco

札幌パルコ店