【再現度高め】Gibsonアコースティックギターのピックガード交換

今回は、Gibsonユーザーを悩ませるピックガード剥がれの修理と、少し特殊な素材を使ったピックガード製作についてご紹介します!

アコースティックギターのピックガード剥がれ、修理事例も多く、基本的には再貼り付けで対応します。

過去にもブログで紹介しておりますので、通常の直し方はこちらをチェック!

リペアマン遠藤の仙台リペアブログ~その67~アコギピックガード剥がれの巻!


しかし、再貼り付けでは直せないのがこのパターン。

一時期のGibsonに採用されている柔らかいピックガードは、ベッコウ柄などの模様がある表面とやや硬質な裏面の二層構造になっています。

今回はその層で剥がれたパターンです。

表面は非常に柔らかい素材で出来ている上に、温度変化に弱く簡単に反り返ります。

その反り返りによる力で積層面から剥がれたわけです。

「剥がれた層の間に接着剤を流して接着し直せば?」っとお思いの方もいらっしゃるかと思いますが、素材の性質上これを剥がれないように接着することは難しく、基本的に再利用不可となります。


そんなこともあってか、最近のGibsonは薄い塩化ビニル系の素材に変更されています。


あらゆるアコースティックギターに使われる、現代の主流素材になったということですね。


これに変えるのも術ですが、あの柔らかいピックガードの独特なツヤ感や厚みから生まれる風合いは唯一無二…

しかも、同じ素材の交換用ピックガードも存在しないため八方塞がり状態…

ということで、あの雰囲気を再現しつつ、反りにくい素材に変えて作り直しました!

早速ですが完成系です。




使用する材はアクリル、もしくはセルロイドです。

どちらも積層構造になっていないため、今回のような再起不能な剥がれ方をすることがありません。

アクリルが耐久性、ツヤ感共に優れていますが、ベッコウ柄となると非常に高額です。

セルロイドは経年劣化もしやすく、全く反らない訳ではありません。その点はアクリルに劣りますが、比較的安価ですし、ヴィンテージライクにしたい場合はセルロイドがおすすめです。

それでも塩ビ板より高いですが…


元のピックガードと並べてみた写真がこちら。

(元のピックガードは剥がしている過程で完全に分離してしまいました・・・)

厚みがある分、斜めから見た時に違いがよく分かりますね。

側面を丸めて丁寧に研磨することで、ツヤ感を演出できます。


ご希望の形状に合わせて作ることも可能ですので、是非ご検討ください!

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この記事を書いたスタッフ

浅草橋ギター&リペア店平田

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