牛も骨粗しょう症!?牛骨サドルにご用心~新ギター修理のすゝめその2~
今回はタイトルにある通り、
えっ?そんなことあるのっ!?
という知る人ぞ知る内容を今回はお届けしたいと思います。
ナット、サドルの素材
アコースティックギターやクラシックギター、ウクレレなんかもそうですが、様々な種類のパーツがついております。
これは素材の特徴の違いが大きく楽器の音色に影響を及ぼすため各メーカーそのモデルに合わせてパーツをセレクトしています。
動物の骨や樹脂や木材、金属なんかもあったりします。
動物の骨の中では牛骨、今では貴重になった象牙やマンモスの骨なんかも使用されていたことがあります。
さまざまある中、ナットやサドルで代表的な素材といえば牛骨です。
実はこの牛骨、中には楽器に悪影響を及ぼすものもあるんです。
個体差が大きい「骨」
ご紹介したスタンダードな牛骨。
もちろん動物ですから、骨にも個体差があるわけです。
こちらをご覧ください。
分かりにくいですが牛骨サドルを2つ並べています。
大きさはほぼ同じです。
こちらをテーブルに落としてみます。
続いてもう一方。
跳ね返り方や音が全然違うことが分かると思います。
実はこれ、骨密度の違いなんです。
どこのどんな種類の牛だったのか、どこの部位なのかは分かりませんが、
大きさはほぼ同じでも硬さや重量が実は違います。
骨密度が低いと骨がスカスカでもろく軽くなります。
まるで骨粗しょう症の骨のような状態です。
もちろんこの違いがギターの音色としても大きく影響してきます。
②のほうが明瞭でハリのある音色が出ます。
音色の好みで!と言いたいところですが、
この骨密度の低い骨が不具合を招く場合があります。
エレアコでの音量バランスがバラバラ
エレアコのピックアップの話ですが、
インブリッジブリッジピエゾやアンダーサドルピックアップなどと言われる
サドルの下にピエゾ素子が入るピックアップの場合
極端に1弦の音が小さいとか、5弦の音だけ大きいなど各弦の音量バランスが著しく悪い、全体の音量が明らかに小さいというような症状が出ることがあります。
アンダーサドルのピックアップはサドルからの弦振動をピックアップが拾うため、骨密度の低いサドルの場合には正常に音を拾ってくれない場合があります。
もちろん音量バランス以外にも音の抜けが悪いなどサウンド面でのデメリットもあったりします。
音量バランスが悪い場合などの場合にはサドルの底面の形状やブリッジ側の問題、ピエゾの問題など複数原因は考えられるため
一概にサドルの骨密度だど断言はできませんが、
もし同症状の場合はもしかしたらサドルの素材自体に問題があるかもしれません。
その場合の対処法はサドルを交換するほかありません。
自分の楽器ももしかしたら・・・
と気になった方はぜひリペアマンに相談してみてください。
個体差のほぼない樹脂に交換するという手もありますが、
島村楽器では、最高級の象牙に交換することも可能です。
ご相談お待ちしております。
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